コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
3月。
自分の生徒達は進路を決めて、 私の手から離れてく。
これは喜ばしいことなのだけれど、 あぁ、寂しい。
同僚は出会いと別れの季節が やってきた!と騒いでいたけれど、 私には、メイクが崩れるまで泣く 季節だ。あぁいやだいやだ。
そんな3月。 今年もその季節がやってきた。
生徒の合唱コンクールを見に行った。 私が英語を教えているあのヤンチャな 女の子。3送会も兼ねたためか、 ダンス部として、舞台に上がっていた
そして、楽しそうに、キラキラした顔で舞う。あぁ、あの子はあんな風に 踊るのか。
シュワシュワと泡が弾けたように、 目がチカチカする。 眩しいなぁ、そう思えばふと、 自然と目から水が溢れる。 気がつけば、一緒に見に来た同僚に ドン引きされた。
親御さんってきっとこんな気分 なんだろうな。眩しく大きくなった 生徒を見た。
塾を辞めてしまったけれど、大きく、 真っ直ぐ立派に成長したあの子。 受験戦争に勝ち残って、ぐっと拳を 突き上げて塾に来たあの子。 そんな君は、もう高校生になったら 会えなくなってしまう。 あぁ、皆大きくなったなぁ。
大きく育ってしまった子供達を 見ていると、自分も歳をとったことを 思い知らされた。 そんなことに苦笑い。
私は、多くのことを君達に伝えられないし、もう直接会って伝えて あげられないかもしれないから、 ここから、この広い空間の中から エールを送ります。
君達の未来に幸あれ。
私は、また、これから次の3月に向けて歩んでいくよ。
またどこかで会えたらいいね。
またね。
あぁ、ダメだなぁ。 やっぱり、泣いてしまう。
大きくなった背中を見ながら一人で 泣いた。ありがとう、頑張れ。
月並みの言葉しか送れなかった私を 許してね。君達の人生の中の 1ページ…いや、おこがましいか。 君達の人生の一欠片に、なれますように。それが最後のお願い。
ゆっくりと瞳をつぶって、願った。 届きますように。
彼らに希望を、そして、幸せを。
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki
影猫noki