西棟一階、職員室前――
四人は図書館での探索を終え、 静まり返った廊下を抜けて職員室の前へとやってきた
壁時計の針はすでに午前0時半を指している
照明は落とされ、 ただ非常灯のかすかな光が彼らの足元を淡く照らしていた
藍川真流
真流がドアノブを軽く捻る
カチャリ、という乾いた音が返るだけだった
如月 不稲
不稲が前に出ると、腰につけたポーチから器用にピックを取り出す
しゃがみ込み、慎重に作業を始める。 数秒の沈黙の後、軽やかな音が鳴った
しゃがみ込み、慎重に作業を始める。 数秒の沈黙の後、軽やかな音が鳴った
如月 不稲
如月 不稲
如月 漣夜
如月 幸斗
くいっと口角が上がる
楽しげに目を細めながら、 ギターケースを背負い直すと、そのまま職員室の中へと踏み込んだ
如月 漣夜
漣夜が止める間もなく 耳をつんざくような警報音が廊下中に鳴り響いた (効果音わからん)
如月 漣夜
不稲が慌てて後を追おうとするが 幸斗はまるで何事もなかったかのように肩をすくめて笑った
如月 幸斗
如月 不稲
不稲がぷいとそっぽを向いた瞬間、階段のほうから ドタドタドタッ! と足音が近づいてきた
現れたのは、警備服を着た三人の男たち
それぞれがスタンロッドや拘束具を手に持ち、 険しい表情で構えている
警備員A
警備員A
幸斗はその言葉を聞いて、ただひとつ、 飽きたような笑みを浮かべる
如月 幸斗
如月 幸斗
ギターケースを下ろし、軽やかに開ける
中から滑り出したのはカスタム仕様のショットガン
暗闇の中で金属の鈍い光を反射しながら、 その銃身が静かに構えられる
如月 不稲
如月 幸斗
如月 幸斗
セリフで表現するのは流石に無理です。 勘弁してください。
バンッ――ッ!!
引き金が引かれる
散弾が扇状に放たれ、先頭の警備員の武器を弾き飛ばす
そのまま幸斗は地面を蹴って突進
懐に飛び込むと、スタンロッドを掴んで腕を捻り、 肘打ちで昏倒させる
如月 幸斗
振り返ると同時にショットガンを回し撃ち、 右側の警備員の膝を正確に撃ち抜いた
悲鳴を上げる暇もなく、続けざまにもう一発 ――背中へ向けてトドメ
三人目が咄嗟に後退するが、その前に幸斗の足が宙を蹴る
鋭い蹴りが頬を捉え、男は意識を失って壁に倒れ込んだ
如月 幸斗
銃をくるりと回しながら肩にかけ、あくび混じりに言った
後ろから走ってきた真流が、唖然とした表情でつぶやく
藍川真流
如月 不稲
如月 漣夜
如月 幸斗
幸斗が言うと、四人は倒れた警備員たちを避けて職員室を出た
帰り道――午前1時過ぎ
寮へと続く帰り道、夜気は冷たく張り詰めていた
人の気配はなく、ただ虫の鳴き声と風の音が耳に入る
その時、不稲が足を止めた
如月 不稲
全員が振り返る
――そこに、居た。
街灯の灯りから外れた影の中に、 何か巨大で異形のものがうずくまるようにして立っていた
全身がぬめりとした黒い皮膚に包まれ、 腕は二対、顔のようなものは見当たらない
けれど、確かにこちらを見ていた
如月 漣夜
如月 不稲
不稲の声が震えていた
幸斗は一歩前へ出ると、背中からまたギターケースを外す
如月 幸斗
化け物が低く唸り声を上げると同時に、一気に距離を詰めてきた
その動きは、先ほどの警備員とは比にならない ――獣じみた速さと重さ
藍川真流
幸斗が銃を撃つ
が、弾は弾かれたように表皮に吸収される
如月 幸斗
横合いから漣夜が太刀を抜く
金属音と共に跳躍し、斬撃を見舞うが、 化け物は第二の腕で弾き返す
如月 漣夜
後方から不稲が援護射撃
AKMから連射される弾丸が、化け物の脚部に集中する
如月 不稲
真流が風のように駆け、脚を蹴り上げるようにして体勢を崩す
藍川真流
幸斗が最後の一発を胸部に撃ち込む
弾がめり込み、ようやく内部で爆ぜたような音がして、 化け物は呻くような叫びを上げて崩れ落ちた
如月 漣夜
漣夜が確認する
動かない。確かに、完全に沈黙したようだった
幸斗の部屋――午前1時半
帰還した四人は幸斗の部屋に集まり、 隊長・樹へ報告の通信を入れていた
如月 幸斗
如月 幸斗
幸斗がやや楽しげに言う
端末越しに樹の声が響く
如月 樹
如月 樹
藍川真流
如月 樹
如月 樹
通信が切れた瞬間、部屋に張り詰めていた緊張がふっと緩む
如月 不稲
如月 幸斗
如月 幸斗
如月 漣夜
漣夜が呆れ顔をする
如月 不稲
不稲が立ち上がる
それぞれが軽く挨拶を交わしながら、自室へと戻っていった
静けさが戻った幸斗の部屋
ベッドに腰を下ろし、天井を見上げた彼は、ふとつぶやく
如月 幸斗
――長い夜が、ようやく終わった
コメント
9件
唐突のホラー描写…おっかなびっくりです🙃 3人を3秒(1人1秒)で片付けるゆきちゃんエグイですね…すげぇや…。
予定どおりに投稿できなかったので気持ち多めに書きました ゆっくりしていってね🦭
……ま、ましろくんはぁ……??