ユコ
…先程は助けて頂きありがとうございます。
ミノリ
ありがとうございます。
ナギ
キミ達は誰に監禁されてたの?
ユコ
……それが、
ミノリ
…覚えてません。
ユコ
……あ、でもね。薬?を飲まされた。
ハジメ
薬……睡眠剤?みたいなやつ?
ミノリ
…どうでしょうか…私達には分かりません。
サヤカ
今…戻ったよー。
ツバサ
飯…これでいいか?
ユコ
ありがとうございます!
ミノリ
ありがとう。
ユコとミノリは大盛りご飯を完食していった。
ご飯を食べ終わったあとは自己紹介をした。
ナギ
もう食べ終わったんだ……どれくらい閉じ込められてたのかな…?
ナツノ
あの!!大変ですわ!!
ハジメ
どうした!?
ナツノ
ゆ、ユウミさんが……死んでるんです!
ハジメ
!?
ナギ
今は…情報収集の時間ではないようだね。
ユコ
ユウミ…?
ミノリ
どうしたの?
ユコ
いや…なんか、聞いた事あって……
ミノリ
気の所為じゃない?
ユコ
……多分、そうかもね!
ミノリ
うん!
ナツノ
早く…お2人も…急いで下さい。
ミノリ
はい!
ユコ
う、うん。
ナツノ
(なんだか…様子が変だな…)
ハジメ
………
ナギ
…ハジメクン…。コレは…流石に、残酷すぎる…よね、
ミナト
…うぇ、
そこにあったのは…ユウミの死体。
臓器は取り出され、壁側には深く深く爪の跡があった。
ハジメは足元になにか違和感を感じた。
ハジメ
(紙…?というか…手帳…。)
ハジメ
(…)
ナギ
それは、手帳?
ハジメ
そうみたいだ。中には日記…が書いてある。
ナギ
…ちょっと貸して、皆…一旦外へ出ようか……。えー、なになに?
ナギ
「今日…あの人と会った。とても…綺麗だった。話してる内にあの人の事を全てを信頼してしまった。」
ナギ
次の日…「今日、あの人から人狼ゲームをやらないかって誘いがあった。勿論…その誘いに乗ってしまった。乗ったのが…馬鹿みたいだ。」
ナギ
……次の日。「私は…絶望してしまった。あの人の前では前向きで居られたのに…真実を知ってしまった。忘れたい…忘れたい。あの人が……憎い。」
ナギ
段々…やばくなってきたけど…まだ、読むかい?
ハジメ
そうしてくれ
ミナト
皆…真相を知りたいんだ。
ナギ
わかった。読むね。
ナギ
「今日、この気持ちを悟られないように前向きにいつもの自分を演技をした。人狼ゲームの話になって…いきなりあの人は「キミがこのゲームの主人公だよ」と言ってきた。更に「真実を暴くのはキミの仕事だ」ともまで言ってきた。そして、あの人狼ゲームが…デス人狼ゲームに…変わった瞬間でもあった。」
ナギ
次の日。
ナギ
「私はね…頑張って生きたい。あの人が…望む…最高の友達になりたい。だが、私の弟を殺した…あの人が死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
ナギ
……次の日。
ナギ
「私はあの人に呼ばれた館に行った。とても…広くて…綺麗な場所だった。あの場所で…あの人が本を読んでいた。とても…綺麗で美しかった。そこだけ…次元が違うのか…と疑う程だった。」
ナギ
次の日。「あの人に言われた通りのシナリオを演じてやった。ありがたいと思え…死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
ナギ
次の日。
ナギ
「デス人狼ゲームが始まった。」
ナギ
次の日。「人がどんどんどんどん死んでいく。きもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもい」
ナギ
次の日。
ナギ
「私は…何も悪くない。あの人が…悪いんだ。あの殺人鬼のあの人が…そして、更に真実を知ってしまった。あの人が…あの大きな世界的に大事件のあの事件は…あの人が…全て…仕組んだ事だった。」
ナギ
次の日。
ナギ
「私は最後まで生き残った。生き残った私にあの人は…「なんだ、まだ生きてたの…しぶといね。」と言ってきた。殺人鬼のアイツ…このゲームは何年…何百年になったら…終わるのだろうか…」
ナギ
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ナギ
「あの人は、私に希望をくれた。ありがとう。そして、死ね」
ナギ
「私は…あの人が好きだ。希望をくれた。絶望をくれた。生きる意味をくれた。この間までの私はもう死んだ。今はあの人と一緒に生きていくだけ。これ程嬉しい事は無いだろう。ああ。あの美しい…アナタの手で私を…殺してはくれないだろうか。」
ナギ
「私は…死んだ。感情も趣味も何も無い…ただの肉の塊だ……だが、なぜだか…日記を書くのは…辞められないや…コレはどういう…感情なのだろうか…。こんな私は…嫌いだ。きもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもいきもい。」
ナギ
「ある人と私はまた出会った。あの人とは違う。私に愛情をくれた。あの人とは違う愛情。でも、ごめんなさい。私はあの人の事が好きだから。」
ナギ
……「今日。あの人がまたあの館に行けって言われた。だけど…行ったら…皆、個性溢れてた。羨ましい。」
ナギ
…「私は…ハジメくんに会ったことがある。ふふふふふ…ハジメ様…私は…アナタに出会えて…とっても幸せです。心移り…してはいけないのに…どうしてもハジメ様を守りたい。なので…あの人を裏切った。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」
ハジメ
…うぇ。
ナギ
大丈夫かい?
ハジメ
ああ……続けてくれ。
ナギ
わかった。
ナギ
「ハジメ様を守る為には私は人狼をおびき寄せた。アナタを守るためなら…私は命だって惜しくない。でも、アナタは私を見てくれない。ああ。いっそ監禁でもしてしまおうか。いや。烏滸がましいね。アナタを見れるだけでも私は幸運なのに…こんな感情は…どうすればいいのか…」
ナギ
「今日…私は死ぬ。アナタを守りきれたのだろうか。」
ナギ
「この日記を見ている。ハジメ様。あの人はハジメ様をとてもとても憎んでいます。正体を言いたいのですが…言ってしまったらこの日記が消されるだけ…なので…気を付けてください。最後に言いたいのは。ハジメ様はアナタは美しい。穢れがないのが更に美しさを引き出させている。なので生きてください。烏滸がましいのですが、私のこともどうか…忘れないで下さい。」
ナギ
……大丈夫?皆。
ハジメ
(俺は……あったことあるのか?初めて…なのに?)
ハジメ
(わからない。知らない。)
ミナト
……
サヤカ
………大丈夫だよ!ユウミさんの一目惚れ…かもしれないから!
ツバサ
……所謂…ヤンデレ?ってやつ?
ナツノ
……執着しすぎると…こうなりますのね…
ユコ
……あの、私は…やっぱりあったことあります。ユウミと。
ミノリ
ユコ?
ナギ
その話…聞かせてもらっていいかい?
ユコ
はい。
ユコ
実は…ユウミは昔に虐待されてたんです。ですので…愛情がわからないんです。そして、ユウミは忘れてるかもしれないけど。私は1番近くにいたんです。
ユコ
それで、こうなったのは…ハジメさん。アナタを見てしまったから。ほんとに一目惚れです。
ユコ
あの人…の事は分からないですけど。ユウミからちょっとだけだったら聞きました。
ユコ
それは、「あの人はね、ハジメ様が大っ嫌いなんだって」って言われました。
ハジメ
俺?
ユコ
はい。ユウミ私の1個下なんです。
ハジメ
え!?1個下…?って言うことは…俺の妹と会ったとこあるか?
ユコ
妹…?カンナ…ですか?
ハジメ
ああ!そうだ!カンナだ!
ユコ
カンナ…喋った事は無いけど…結構有名だよ。美人でなんでも出来る人って言うので…。
ハジメ
そうか…
ユコ
そう言えば…ユウミには姉が居るんです。
ハジメ
……そうか。
カナ
茶番はここまで……地下へ行って下さい。裁判を始めます。
カナ
では、裁判は昨日と同じルールです。
カナ
では、裁判を始めます!
ハジメ
……
ナギ
ナツノさん。キミはどっやって見つけたの?ユウミさんを。ボク達は見つけれなかったけど…。
ナツノ
それはですね。ユウミさんの部屋で…物音がしたんです。どうしたんだろうと思って部屋の中を見たら…死んでましたの。
ハジメ
物音?でも、死んでいたのに…どうして?
ナギ
…仕掛けかな?
ハジメ
仕掛け…?
ナギ
うん。ドミノ…みたいな感じだと思う。
ミナト
…どうやって?死んだら何も出来んと思うぞ?
ナギ
ところが…そうでも無いんだ。
サヤカ
…うーん。…できないことも無いよ。だって…多分だけど…ユウミさんのドア前の…タイル…あれがバタン式になってると思う。で、そこを踏んだら…仕掛けが発動して、そこからドアに直撃する。多分だけど、この方法だと思う。
ナギ
うーん。それはどうかな。それだったら運任せになる。もし、タイル式のボタンが押されなかったら…?死体は腐って…腐敗臭がしてくるだけだよ?それはさ汚いよね?
サヤカ
…違ったかな…?
ツバサ
……どうたろ。でも、確かにナギの言う事も正しい。その仕掛けが…もし発動しなかったら…腐敗臭がどんどん酷くなる…。
ナツノ
とはいえ、サヤカさんの言い分も間違ってません。
ナツノ
だって、確かに…アレはボタン式になってました。
ユコ
どうして、その事を黙ってたの?
ナツノ
だって、3人方が私の話を聞かなかったんですもの。
ナギ
ふふ……どういう事かな?
ナツノ
私は言いました。「ボタン式になってました」ってサヤカさんが喋り終わってすぐに…。
ミノリ
…確かに…ナツノさんの声も…混じってたような…?
ナツノ
ほら、聞いたって言う人は居るでしょ?
ナギ
ねぇ…もうさ、話し合いやめよっか。
ハジメ
え……?
ミナト
なにいって……
ナギ
ふふ、飽きちゃった。皆もさ…もう、誰も疑いたくないでしょ?
ナギ
ならさ!疑うのをやめて…皆で一緒に死んだ方が…いいじゃない?
サヤカ
………
ツバサ
……帰りたい。死んでもいいから、家に…帰りたい
ナツノ
兄様…!私だって…!
ユコ
……
ミノリ
……
ハジメ
………
ナギ
最初の見て分かったでしょ?もう、生き残ることなんて出切っこないんだよ…!
ハジメ
…!
ナギ
ねぇ、まだ、気づかないの?
ナギ
自分達の状況が…あの人形によって殺されて…それならもう…自分たちで自殺した方がいいじゃない…!!
ナギ
…死ぬべくして死ぬ?弱者の生き方だね!
ナギ
強い者は弱い者の気持ちがわからないから「皆を信じんてるんだ」なんて…そう言えるんだよ…!弱い者は疑うしか出来ないんだよ!
ナギ
ね?死んだ方がまだいいでしょ?自分が可愛いなら死ぬほうがマシなんだ!
ハジメ
………ふざけるな。ナギ。
ナギ
……なに?
ハジメ
弱い者は強い者の気持ちの方もわかってない…!強い者は頑張って…胸を張ろうと…頑張ってるんだ!
ハジメ
この世に弱い者は居ない…!俺はそう思うぞ!だって生きてること自体が…"強い者"だから!だから!簡単に"死にたい"とかなんで…なんで、言えるんだよ!
ハジメ
おかしいだろ!
ミナト
そ、そうだぜ!
サヤカ
………
ツバサ
…ハジメの言う通りだな。
ナツノ
兄様…!
ハジメ
生き残ることが出来ない…?なら、一緒に探せばいい。そうだろ?
ナギ
…あははははははははははははははは!!!
ナギ
流石!さすがだよ!!ハジメクン!もう、名前呼ぶのもおこがましいくらい…輝いている…!
ナギ
あはははは!!
ナギ
じゃあさ!皆に聞くけどさ!皆にとって絶望って何?
ナギ
たった今…信用のなくなったボクが死ぬ?違うよね?皆にとっての絶望って、ハジメクンが死ぬ事だよね?
ナギ
ここたった3日で凄い信頼を得ているハジメクンが死ぬ事が絶望だよね?ハジメクンが居ないと何も出来ない!は?甘えてるの?自分で考える脳もないのかな?
ナギ
まるで…光に飢えた虫のようだね…!!
ナギ
じゃあ、もしハジメクンが居なくなったらどうするの?何も出来ないんでしょ?可哀想だね。でも、ボクは自分を犠牲にしてでもハジメクン"だけ"は守るから。
サヤカ
…ねぇ、逆にさナギくんにとっての絶望って何?
ナギ
あはは!当然…ハジメクンが居なくなる事。皆の望む希望がハジメクン自身なんだよ!!その希望がなくなったのなら…ボクはきっと今よりも壊れてしまう。
ミナト
……まぁ、気持ちは分かる。だって、確かに俺達にはハジメが必要だしな!
ハジメ
……(あれ、めっちゃ、恥ずかしいんだけど!!今、裁判中だろ!?なんでこんな…ドラマチックな展開になってんだよ!?あれ?俺がおかしいのか!?)
サヤカ
私たちはまだ、あって間もないけど…ハジメクンは1番…信用出来る…かな。
ツバサ
…まぁ、否定はしねぇけど…
ナツノ
私も兄様の次に大好きです!
ユコ
……
ミノリ
……
カナ
はぁ、早く…話し合い終わらせてください。面倒です。
ハジメ
だ、そうだぞ。取り敢えず…話し合いするか…。
ナギ
……でも、あの言葉を取り消せって言うのは無理だよ。
ミナト
………
ハジメ
………なぁ、その、犯人って…居るのか?
ナギ
…まぁ、居るでしょ。
ハジメ
だよな。……こういう事は考えられるか?この事が全て…仕組まれてたのなら…。この展開になる事を予想し、そのまま実行に移す。という事は考えられる…わけないか…
ナギ
いや、有り得るかもね。実は…コレは全て仕組まれて…そして、ボク達が来るとわかって…
ミナト
でもさ、それもおかしくないか?
サヤカ
…うーん。まぁ、確かに…そうなんだけど…でも、ありえない事はないよ。だって…この話が本当とするなら…コレを実行できるのは…この中では2人…。
ツバサ
…ユコさんと
ナツノ
ミノリ…さん?
ナギ
まぁ、そうなるね。
ユコ
待ってよ…!私達が出来ると思ってるの?!
ユコ
出来ないよ!さっきも言ったじゃん、薬飲まされて…気づいたらあの部屋に居たって。
ハジメ
…じゃあ、それもお前らの仕組んだ事だったら…それが…嘘だったら?
ミノリ
…私はね、こう思うよ。
ミノリ
自分が疑われたくなくて…誰かを疑う。その意見に乗って…自分は正しい。って思い込む。って、そう思う。
ナギ
じゃあさ、キミは誰から命令されてるの?あの人ってのは誰?
ユコ
命令なんて、されてないよ!あの人って誰の事なの!?
ナギ
ふふ、それはね。被害者のボク達が言いたいの。
ナギ
こんな所に連れてこられて人狼ゲームだの、なんだのって……あの人って誰だろうね?キミ達のボス…か何か?それとも…このゲームの黒幕?
ナギ
答えはわからない。知らない。だから、誰かを疑う。人間だからね。全てを信じるなんて無理だよ?
ユコ
まぁ、ね。確かに全てを信じるなんて…無理だよ?
ユコ
だって、当たり前じゃん!裏切られるのが怖くて信じたくない…コレが人間だよ。
サヤカ
ねぇ、じゃあさ、なんでこの裁判に慣れてるの?初めてならおかしいと思うな。だって、私たちでさえオロオロしてしまったんだもん。
ユコ
………証拠が無いよ。私たちがやったって言う証拠は!?
ハジメ
…証拠…はないな。
ユコ
じゃあ、私がやったって言う証拠が無かったら疑う理由なんて無いよ!!
ハジメ
いや、さっきも言った通り…この事件は…仕組まれてたんだ。ユコ…お前がやった。
カナ
はいはい!あと…10秒で話し合い終了します!
カナ
10!
ユコ
ねぇ…!!
カナ
9…
ユコ
待ってよ!!
カナ
8…
カナ
7…6…
カナ
5…
ユコ
死にたくない…!
カナ
4…
カナ
3…2…1!
カナ
これにて…話し合いを終了します。投票を願います。
ハジメ→0
ナギ→2
ミナト→0
サヤカ→0
ツバサ→0
ナツノ→0
ユコ→3
ミノリ→0
カナ
これにて…ユコサンの処刑をカイシシマス。
カナ
ハジメさん。サイコロを降ってください。降ったら出た数だけ臓器と手足はちぎれます。
ハジメ
…!!なんで、俺なんだよ!
カナ
アナタが1番シンライされていますので…
ハジメ
信頼…?
ユコの体には首輪が付けられていた。そして、ボードの上には体の名前が書かれていた。
ナギ
ねぇ、降ってあげて?これ以上は恐怖でヤバくなるだけだよ。
ハジメ
……
カナ
3の数字が出ました。3マス進みください。
ユコ
…ああああ!!!
ハジメ
!
ナギ
聞かなくていいから。ドンドン振らなきゃ。
カナ
5の数字が出ました。
とん、とん、とん、とん、とん
そこに書かれていたのは…
腕が焼け落ちる。
ユコ
あ"あ"あ"ぁぁ!!!!
カナ
100が出ました。
そこに書かれていたのは
臓器が全て生きたまま抜かれる
ユコ
嫌だ!!!!!!!
ユコ
いたい!!!!
ユコ
死にたく……なかった…な。
ハジメ
(また、殺してしまった…俺は…オレは……おれ…はまた……)
ナギ
大丈夫。
ナギ
大丈夫。
ナギ
キミの所為じゃない。だから、安心して。
ハジメ
………
ナギ
大丈夫。大丈夫。
ナギ
だから…ね?安心してね。
ここまでです!!いかがでしたでしょうか…!!
面白かったのなら幸いです!
まだ…ストーリーは続くのでどうか…飽きずに見てやってください。