その後俺が二年、木葉さんが三年になっても俺の気持ちは変わらないままだった。
日に日に大きくなる想いのはけ口が欲しくて、いっそ好きだと伝えてしまおうかと何度も思った。
赤葦
木葉
赤葦
赤葦
けれど、もうこの笑顔が見られなくなるかも、と思うとどうしても口には出せなかった。
だから俺は今日もただの後輩を演じる。
九月も終わりに近づいた頃、俺は木葉さんに聞いてみた。
赤葦
木葉
赤葦
木葉さんは一瞬目を瞬かせ、ちょっと照れたように笑った。
木葉
赤葦
もう一度なにが欲しいですか、とたずねると、木葉さんは首をひねった。
それから何かを思いついたようにぱっと顔を上げる。
木葉
赤葦
木葉
コテンと首を傾げやや上目遣いに問われれば断れるはずがない。いや、そもそも断る気は無いんだけど。
赤葦
木葉
嬉しそうにはしゃぐ木葉さんをみて俺はぽつりと呟く。
赤葦
木葉
赤葦
木葉
木葉
赤葦
…あぁ、
この笑顔が独り占めできればいいのに…
そうしてやってきた9月30日。
俺たちは木葉さんが前から見たがっていた映画を見た後、ゲーセンで遊んでいた。
木葉
赤葦
木葉
ねだられたぬいぐるみのマスコットを取ってあげると、木葉さんはそれをじっと見つめた。
木葉
赤葦
木葉
だからなんか愛着湧いちゃって、と楽しそうに笑う。
そんな木葉さんが愛おしくて、俺は無意識に彼の髪を梳いた。
サラサラで、指がスッと通る綺麗な髪だ。
木葉
目を見開く木葉さんをみて、俺はハッと我に返った。
赤葦
木葉
木葉さんは微笑んで俺に手を伸ばしてきた。
すい、と顔にかかっていた髪を耳にかけられる。
赤葦
木葉
促されるままゲーセンを出て、2人で街を歩き出した。
木葉さんは歩きながらぬいぐるみを見て、嬉しそうに目を細めている。
俺はその横顔を眺め、また変なことをしないように腕を押さえつけていた。
その後も俺たちは色々なところに立ち寄り、気づけば空が淡いオレンジに染まってきていた。
木葉
少し名残惜しそうに木葉さんは呟く。
赤葦
木葉
赤葦
木葉
赤葦
すると木葉さんは何かを言いかけ、口をつぐんだ。
木葉
赤葦
木葉
その背中を見送りかけて、俺はつい口を開いた。
赤葦
木葉
赤葦
赤葦
木葉
赤葦
木葉さんはふっと顔を綻ばせて頷き、歩いて行った。
なぜか胸が高鳴り、俺はしばらくその場から動けずにいた。
コメント
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良き、、、
続き待ってます!!!!