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木兎!お前が聞いてなかったら多分付き合ってなかったぞ!niceだ!
木葉さん最後にサラッと…
( ´ཫ`)尊い..............
ある日の部活後、それは起きた。
木兎
赤葦
木兎さんとのエンドレス自主練を終えて2人きりになった部室で着替えていると、木兎さんは突然俺にそう聞いた。
赤葦
木兎
赤葦
木兎
赤葦
俺は正直苛立ち始めていた。いや、焦っていたのかもしれない。こんなこと、木葉さんにバレたら…
木兎
な、ほんとは好きなんだろ!?としつこく聞かれ、俺は思わず声を荒らげてしまった。
赤葦
その直後俺はハッと息を呑む。
視線を上げた先には、いつのまにか木葉さんが立っていた。
木葉
赤葦
俺は乱暴に鞄をひっつかんで、木兎さんの制止も無視して部室を飛び出した。
何も考えられず、家に帰って部屋に飛び込むと、それまで堪えていた涙がボロボロと溢れてきた。
赤葦
…なんで、こんなに諦められないんだろう…
次の日目が覚めた俺は、携帯につけていたはずのストラップがないことに気づいた。
赤葦
昨日逃げ帰った時に落としたのだろうか。
俺は普段より早めに家を出て部室に立ち寄ってみた。
赤葦
探しながら昨日のことを思い出し、ため息をついてその場にしゃがみこむ。
赤葦
静まり返る部室に、俺の独り言がやけに大きく聞こえた。
傷ついただろうか。それとも、俺なんかにどうも思われてなくても気にしないのだろうか。
多分気にしないんだろうな。木葉さんはきっと俺のことなんて好きにならない。
散々泣いたはずなのに涙が滲んできて、慌てて袖で拭ったその時だった。
木葉
驚いて振り返ると、そこにはストラップを持った木葉さんがいた。
この時期の早朝はまだ薄暗く、木葉さんの表情はあまり見えない。
赤葦
木葉
そう言って木葉さんは俺の目の前にしゃがみ、ストラップを差し出す。
赤葦
受け取ろうと手を伸ばした瞬間、木葉さんは俺の腕を掴んでグイッと引き寄せた。
鋭い瞳が近づき、俺は一瞬声を詰まらせる。
赤葦
木葉
赤葦
俺が黙っていると、俺の腕を掴む木葉さんの手に力が込もった。
木葉
…嫌いなわけ、ないじゃないですか。
そう思ったけれど、俺は全く反対のことを言う。
赤葦
“嫌い”と言えば、俺も気持ちに諦めがつくと思った。
それなのに、直後俺の口からこぼれたのは言葉ではなく嗚咽だった。
涙で目の前が滲み、俺はグッと唇を噛んで俯く。
木葉
そんなこと言われても顔があげられない。
なんで俺こんな泣いてんだろ。たった一言嫌いって言うだけじゃないか。
ダメだなぁ俺。こんな時ばっか、自分の気持ちに嘘がつけない。
堪えきれなかった涙が一筋頬を伝う。
木葉
さっきよりも柔らかな声音で木葉さんは言った。
腕から離した手を今度は俺の頬に添え、指先でそっと涙を拭われる。
その手の温もりが優しすぎて、俺はさらに泣きそうになる。
木葉
赤葦
木葉
わけもわからないままに頷くと、木葉さんは試合中見せるような真剣な眼差しで俺を見た。
木葉
赤葦
零れる涙もそのままに、俺は木葉さんの顔を見つめた。
木葉
木葉
…教えてくれないか?と呟く木葉さんの目は僅かに潤んでいた。
すっと息を吸い込むと、何度も飲み込んできた言葉が口をついて出る。
赤葦
途端に、今まで抑えていた想いが涙と一緒に堰を切ったように溢れ出した。
赤葦
木葉
とめどなく流れる涙で床を濡らす俺を、木葉さんはふわりと抱きしめた。
朝の寒さで冷えた体が温かくなる。
その温かさは体の外からのものなのか、それとも内からのものなのかわからない。
赤葦
木葉
木葉
そう問われて耳を押し当ててみれば、木葉さんの鼓動が聞こえる。
赤葦
木葉
木葉さんはそう言うと、俺の唇に口付けた。
その温度が、感触が、俺の頭を甘い優しさで溶かしていく。
やがて木葉さんはゆっくりと口を離して、じっと俺を見つめた。
木葉
俺は木葉さんの手に自分の手を重ねキュッと握った。
赤葦
赤葦
それから俺たちはもう一度唇を重ねた。
足元では、あのストラップが朝日に照らされて銀色に光っていた。
−END−
赤葦
木葉
赤葦