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こんにちは!

第2話に4000個ものハートをありがとうございます!

とても嬉しいです!

次か次の話に、私が書きたかった話が出せそうです!

では、本編へどうぞ!

潔世一

彼を一目見た瞬間 他の言葉は必要なかった

祈祷会で見た彼の姿は

俺を虜にするのに十分だった

神官達の居住区は閉鎖的なところで

偶然を装っても、彼に会うことはできなかったし

彼を見られるのは、祈祷会でも遠く離れたところからだけだった

皇宮のメイド達

大神官候補の世一様がね…

皇宮のメイド達

もうすぐクレロサに行かれるらしいのよ!

皇宮のメイド達

クレロサ?

皇宮のメイド達

それってどこなの?

皇宮のメイド達

神官達が修練するところよ

皇宮のメイド達

私も知り合いの神官から聞いただけだから、詳しくは知らないけれど…

皇宮のメイド達

今回は世一様も行かれるんですって

皇宮のメイド達

一度行けば大抵、数年は帰ってこられないっていうのに…

皇宮のメイド達

しばらくあの美しいお顔を見られないと思うと悲しいわ

皇宮のメイド達

そうね

皇宮のメイド達

みんな世一様のことを慕っているから寂しがるでしょうね

皇宮のメイド達

いつもすごく優しいしね…

皇太子

スタ

皇太子

その話は本当か?

皇宮のメイド達

ハッ

皇宮のメイド達

こ…皇太子殿下!

皇太子

ニコッ

皇太子

大神官候補の潔世一が、クレロサに行くと…?

皇宮のメイド達

は…はい!

皇宮のメイド達

正確な日にちまでは分かりませんが…

皇宮のメイド達

聞いた話では出発間近ということでした

皇太子

そうか…

皇太子

なるほど…

その後のことは、すべて順調だった

暗殺者を雇い、クレロサに向かう騎士や神官達を皆殺しにして

そのまま彼を連れ去ったところまでは…

皇太子殿下!

これは一体、何のマネですか!?

いくら皇太子殿下でも、こんなことは許されるわけがありません!

皇太子

全員下がれ

皇太子

スッ(剣を出す音)

ビクッ

皇太子

逃げたって無駄だ

皇太子

状況の把握は、すでにできているだろう?

皇太子

俺だって、ここまでしたくはなかったさ

皇太子

だが、君に会うにはこうするしかなかったんだ…

ゾクッ…

皇太子

ニヤッ

皇太子

君は恐怖に怯えた姿さえも美しいんだな

ハ…ハドゥンシャが黙っていませんよ…

皇太子

その髪は…

皇太子

神の下僕になるという意味なんだろう?

皇太子

ガシッ(潔の髪を掴む音)

ウッ

皇太子

ジャキッ(潔の髪の先を斬る音)

パラパラ(切られた髪が地面に落ちる音)

皇太子

ハハ…

皇太子

どうしても気になってしまってね

皇太子

これでも煌の子孫なんだ

皇太子

神に腹を立てられてしまっては困る

皇太子

そうだろ?

皇太子

スッ(剣を潔の顎にあてる音)

皇太子

反抗さえしなければ怪我はさせないさ

皇太子

俺と君だけなんだから…

皇太子

スッ(剣で潔の服を胸元から破こうとする音)

サァァ…(顔が青ざめる音)

皇太子

いや待て…

皇太子

剣で脅迫するのは、ありきたりすぎるか…

皇太子

ポイッ(剣を捨てる音)

皇太子

そう怖がるな

皇太子

すぐに終わる

皇太子

スッ(潔を押し倒す音)

ドンッ(琉生の胸元を叩く音)

この…!!

変態っ!!

皇太子

ドサッ(後ろに倒れる音)

バッ(琉生から離れる音)

ガシッ(剣を掴む音)

皇太子

こいつ…!!

皇太子

手加減してやろうと思ったのに!!

皇太子

バッ(潔に迫る音)

ブンッ(剣を振る音)

皇太子

ブシュッ(肩が少し切れる音)

皇太子

お前ごときが…

タタタッ(逃げる音)

皇太子

よくも俺に…!!

タタタッ(逃げ出す音)

皇太子

よくも俺に…!!

皇后の部屋

皇太子

そっ…(潔に切られたところを触る音)

皇太子

(あのまま湖に落ちて死んだとばかり思っていた彼が生きていた)

皇太子

(しかも記憶がないだと…?)

皇太子

ニヤッ

皇太子

分かりました

皇太子

ニコッ

皇太子

彼となら結婚します

皇宮のダイニングルーム

皇帝

まるで奇跡だ

皇帝

もっと早く皇宮に来ればよかったじゃないか

いきなり日の光に目を晒すのは危険を伴うと言われ、療養しておりました

皇帝

だとしても、たった一人の甥の視力が回復したというのに、他より後に知らされたんだぞ

申し訳ありません

皇帝

無事に治ったのだから、まあいいとしよう…

皇帝

ところで琉生はどうした?

皇后

皇太子は忙しいようで、同席は難しいと…

皇帝

チッ…

皇帝

何が忙しいだ…

皇后

ピクッ

皇帝

さあ、ようやく帝国の番人が帰ってきたぞ

皇帝

これまで戦争での苦労をろくに称えてやることもできず、気にしていたんだ

もう過ぎたことです、陛下

お気になさらないでください

皇帝

ハハッ

皇帝

なんでも言ってみろ

皇帝

戦争での功績と快気祝いを、それぞれ用意してやろう

では皇命により、私の婚姻をお許しください

皇帝

何だと?

皇帝

婚姻…?

皇后

戦場から戻ってきてから、ずっと屋敷にいらっしゃったのに…

皇后

婚姻を考えている相手がいらっしゃるということですか?

はい

私がどんな人物と婚姻を望もうとも、反対せずにお許しくださると約束してください

皇帝

ホッホッホッ

皇帝

ああ、わかったよ

皇帝

約束しよう

勅書を出していただけませんか?

皇帝

何?

皇帝

勅書だと?

私の婚姻に関しておっしゃったことを、そのまま文書にしていただきたいのです

皇帝

よし、そうしてやろう

皇帝

まったく…

皇帝

紙を準備させなければいけないな

皇后

(異国の奴隷か捕虜でも連れてくるつもり?)

皇后

(そうじゃなければ、どんな人物と婚姻を望もうが反対するななんて言うわけないわ)

皇后

(卑しい家門の人やその辺の人が大公妃になるのは…)

皇后

(私からしたら、むしろ好都合ね)

皇后

(黒髪にエメラルドの目)

皇后

(あの目を取り戻したなんて…)

皇后

(琉生の座が危ぶまれる不吉な色)

皇后

(こいつが視力を失っている間は安心していたのに)

皇后

フフッ

皇后

ここまで言っているのだから、すぐに書いて差し上げてはどうですか、陛下

皇帝

ハッハッハッ

皇帝

昼食中に勅書を書くことになるとはな

皇宮内の廊下

スタスタ

これでいいだろう

これが手に入るチャンスは今日しかなかったからな

(七年間の戦争での功績は労われて当然のものだが)

(身元不明の潔を大公妃に迎えるには、この勅書のほうがより大事だ)

ハァ…

これほど見つからないとはな…

(秘書は領地の仕事に追われていて来られなかったから協力は得られていない)

スタスタ

(部下と便利屋を使って、いくら捜してもまったく見つからないうえに)

(身元がはっきりしない潔に危険が及ぶ可能性を考えると、むやみにチラシをまくこともできない…)

(なんとなく、ずっと嫌な感じがしている)

(そもそもの前提条件が間違っていて、見つけられないのではないだろうか)

スタスタ

 

スタスタ(前方から歩いて来る音)

スタスタ(母と並んで歩いている音)

(り…凛様…!!)

スタスタ

スタスタ

スッ(潔とすれ違う音)

ジッ

(本当に視力を取り戻したんだな)

(よかった…)

(いつか必ず、凛様の目が見えるようになったお姿を見たいと思っていたけど)

(こんな形でも見ることができてよかった)

スタスタ

(心から望んでいたことなのに、なんだか泣いてしまいそう…)

(誰に身なりを整えてもらったんだろう?)

(秘書さんかな)

(それとも、新しく雇ったメイド?)

(そうだ、もう目が見えるんだから自分で整えたのかもしれない)

(幾度となく願った未来なのに、この気持ちはいったい何だ?)

(もう「潔」が必要なくなった凛様を見ると変な感じだな)

ピタッ(立ち止まる音)

ギュ…(服の裾を握り締める音)

(俺の身元がわかったのは、彼が「潔」を必要としなくなったからなのかな)

(主人公を煩わすものは世界観に補正される)

(凛様が視力を取り戻したから、俺がそばにいる必要がなくなったんだ)

(世界観が俺をいるべき場所に導いたのかもしれない)

(彼にはもう、俺は必要ない…)

世一?

ぼうっと突っ立ってどうしたの?

緊張してるの?

あっ

すみません

新しい靴が履きなれてないからか、足が痛くて…

行きましょう

タタタッ

スタスタ

ピタッ

スッ(振り返る音)

ジッ

皇宮の庭園

皇帝

元気になったと聞いて安心したよ

ペコッ

ありがとうございます、陛下

皇帝

さあ、椅子にかけてくれ

皇后

ところで…

皇后

世一が記憶を失くしたというのは本当ですか?

皇后

これまであなたが執り行った祈祷会には必ず参加していたんですよ

皇后

祈祷会後の面会のために数時間待ったこともあるんだけど、それもまったく覚えていないのかしら?

…はい

申し訳ございません

皇后

記憶がないといってもまさか、ここまでとは…

……

マナーも全て忘れてしまっているので、一から学び直しているところです

皇后

どうりで…

皇后

以前より姿勢が少し悪くなったと思っていましたが…

皇后

本当に深刻そうですね

健康状態に問題がないだけでもありがたいことですから、神に感謝しています

皇后

それはそうと、デビュタントの準備はどうなっていますか?

タイミングを逃しはしましたが、事情が事情ですから

今年中に執り行うつもりです

皇后

それなら来週、皇宮で開かれる舞踏会で執り行うのはどうかしら?

お気遣いいただき、ありがとうございます

ですが期日が差し迫っているため、それまでに準備を終えるのは難しいように思います

皇后

相葉伯爵家の朱里も、その日にデビュタントを執り行うことにしたんです

皇后

彼女も時期が遅れているので、陛下が許可してくださったのですよ

皇后

ニコッ

皇后

ちょうど二人とも遅れてデビュタントを執り行うのですし、世一もその日一緒に執り行いませんか?

…海のような寛大なお心遣いに感謝申し上げます

皇帝

それでは、また会おう

はい、失礼いたします

皇宮内の廊下

終始、申し訳ないとしか言っていなかった気がします…

申し訳ありません、母上

気にすることないわ

誰だってあの場にいたら、緊張するわよ

皇宮のメイド達

潔公爵夫人

皇宮のメイド達

皇后陛下が二人きりでお話がしたいとおっしゃられています

皇宮のメイド達

その間、世一様は庭園でお待ちいただけるよう準備いたしました

皇宮のメイド達

こちらへどうぞ

皇宮の庭園

スタスタ

(皇宮の庭園は、さすがにスケールが違うな…)

(でも俺からしたら、糸師大公家の庭園のほうが綺麗に見えるな…)

(さっきすれ違ったせいかな…)

(ずっと凛様が頭から離れなくて、おかしくなりそう)

(そんなに考えたところでどうするんだよ)

ギュッ(目を強く瞑る音)

(俺はもう、必要ともされていないのに)

ガッ(足元の石につまずく音)

…!

ヨロッ

ガシッ

大丈夫か?

↑潔の腰を前から支えている

……(潔を見つめる)

……(凛を見つめる)

(エメラルドの目を見たら物おじしてしまうんじゃないかと思ってたけど)

(そんなことない)

(…美しい)

スッ(潔を起こす音)

り…

ハッ

(うっかり名前を呼ぶところだった…!)

あ…ありがとうございます…!

とんでもない

(え…)

ギュッ(潔の腰を少し強くもつ音)

あの、大公様…

スッ(凛の胸元を軽く押す音)

もう平気なので放していただいて大丈夫です

もし誰かに見られでもしたら…

羨ましがるだろうな

…えっ?

冗談だ

笑わせようとしたんだが、ダメだったか

名前は?

あ…

(どうしよう…)

(同じ名前だけど、大丈夫かな?)

(でも大公家には苗字しか伝えてないし…)

潔世一と申します

ペコッ

(外でこんな挨拶したことないのに!)

(なんだか気恥ずかしい…)

潔世一…

フム…

世一か…

(どうしたんだろう?)

(名前を覚えようとしてくれてるのかな?)

俺が大公であることは、どうして分かったんだ?

そ、それは…

噂で聞いていたので…

糸師大公が視力を取り戻されたと…

ああ、噂…

そうか

噂に聞いていたか…

(な…何?)

ジ-ッ

(さっきから微妙に揚げ足を取っているような言い方に聞こえるんだけど)

ジィ-ッ

(バ…バレたのか?)

ここで終わらせてもらいます

長かったですよね…

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

やっと凛と潔が会いましたね!

もう考えるのが本当に難しくて、頭がおかしくなりそうです…

でも頑張ります!

面白かったら、ハートください!

コメントも待ってます!

では、また次回会いましょう!

主人公に溺愛されるのはヒロインじゃないの!?

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コメント

11

ユーザー

これ早いかな!?めっちゃ良かったです!凛早く今探してる潔って気づいて〜!!

ユーザー

皇太子は何を考えているのか分からなくて面白いですし、凛くんがいつ潔くんのことを執事の潔と分かるのがすぐな気がしてとても楽しみです!!

ユーザー

うわぁあ・・、‼️めっちゃおもしろすぎる・・、‼️ ほんとストーリーが最高です 、!!なんでこんないいストーリーが思いつくんだ・・、!! めっっっっっっちゃ続き気になります…、!👀✨ 楽しみに待っておきます !!遅くなってもいいのでがんばってください !💪✨

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