この作品はいかがでしたか?
133
この作品はいかがでしたか?
133
コメント
2件
最高なんですけど。ブクマ失礼しますわ
さところ
「ガラスの王冠」曲パロ
腐注意 地雷さん回れ右
無言ブクマ❌ 無言フォロー⭕️ 通報❌
なんでも大丈夫な方向け 本人様とは一切関係ありません
どうしてだろうか
僕の頭には時々不思議な 疑問が浮かんでいる
好奇心旺盛でもなく、社交的でもなく
脳内がそんな疑問で 埋め尽くされるのか
どうしてなのかすら分からない
例えば
[どうして人はすぐ空気を読むのか]
[誰かに怒られるのが何故怖いのか]
[何故未来を誰かに委ねるのか]
そして僕の疑問の共通点は
必ず "自分"と"他人" の関係だ
ピピピピッピピピピッ
青
ピピピピピピピピピ
青
ダンッ
だんだんテンポの上がっていった
煩いアラームを勢いよく消す
まだ寝てたい
今日は学校サボるか
……そうしたいのに
青
2回の僕の部屋まで聞こえてくる 母の声とあともう1人の声
とん とん とん
かちゃ
桃
青
毎朝僕の起きてくる時間帯に
家に押しかけてくるクラスメイト
桃くん
でもどうしてくるのかが謎で
朝僕が家を出て学校に歩く時は
僕より前をスタスタと歩いていくし
教室内でも用がない限り喋らない
そんな彼が、どうして僕を
学校へ行けと急かすのか分からない
桃
桃
桃くんは明るい声で僕を急かす
青
「行きたくない」
そう言っているのに…
桃
またすぐに疑問符だ
青
桃
また布団に潜り込もうとする
僕を制すように腕を掴まれる
青
桃
桃くんは、いつもこう言う
その時に桃くんが纏う空気は、
どこか青く沈んでいるような気がした
青
僕は渋々ベットから離れる
桃
青
僕が起きると、桃くんは必ず
僕の頭を撫でてくる
優しくて温かい大きな手で、
冷たい声で「えらい」と言って、
いつの間にか温もりを帯びた目で、
口角を上げる
青
彼は、滅多に笑わないのに
明るい人なのに、 どうして笑わないのだろう
桃
青
僕はそれだけ言って、 そそくさと部屋を出た
青
そう
僕も人のことを言えない部分がある
僕は声も、顔も、目も、性格も───
全てを冷たく帯びているから
桃
青
用意を終わらせた僕は、 外にいる桃くんの元へ向かう
青
僕は今情緒不安定だ
特に何かあった訳でもないけど
ちょっとの衝動ですぐに泣いてしまう
桃
桃くんは、すごく優しい
桃
青
桃くんくんは一切悪くない
怒ってるつもりは無いだろうし
青
青
桃
桃
青
初めて見た、と言っても過言ではない
桃くんの大きな笑顔
僕はこの時、初めて知ったんだ
「恋愛感情」というものを
学校に着くと、イケメンな桃くんは 何人もの女の子の視界に映り込む
桃
青
正直、桃くんは面倒くさがっている
そんなだるそうな一面も
どこかかっこよく見えてしまう
青
このまま桃くんと一緒にいると
変なことを言ってしまうかもしれない
「すき」の気持ちを悟られないように
自分の中に押し殺したい感情だから
桃
桃
青
訂正、照れ隠し
桃
桃
青
桃
桃
ぎゅー
青
桃
青
僕は強引に桃くんから離れて机で寝る
恥ずかしい…
桃
桃
1人で喋桃くんをよそに、 僕は体を起こす
青
青
青
桃
軽くそういうと、 桃くんが低い声を出した
青
桃
いつも明るい桃くんは、
珍しく神妙な顔つきを見せた
桃くんは僕の幼なじみだから
僕の事情をただ一人知っていた
桃
青
漢字テストも授業も無事終わり、 家に帰れる
クラスメイト1
青
ほぼ話したことの無いクラスメイトの 女子が話しかけてきた
クラスメイト1
青
青
クラスメイト1
青
桃
青
僕は表情を崩さず、スタスタと屋上へ歩く
後ろからクラスメイトの女子が 着いてきている状態だ
青
クラスメイト1
僕が屋上に入った途端、 数名の女子に囲まれた
クラスメイト1
青
あれ
痛い
クラスメイト1
はずなのに
クラスメイト1
痛みが感じられない
青
体制は崩れても、表情は崩れない
青
なんで…
クラスメイト1
青
カチャン
そう音を立てて、屋上の扉が開く
桃
桃
クラスメイト1
クラスメイト1
クラスメイト1
クラスメイト1
青
桃
キョトンとした表情をした 桃くん
無表情の僕
ぎゅーー
桃
青
桃
桃
僕が潰れてしまうのではないかと思うほど強く抱きしめられる
クラスメイト1
また、カチャン と音を立てた
今度は、鈍い音に聞こえた
桃
汚れた制服と、痛々しい白い肌
見ている方が辛くなる
青
桃
青
桃
青
桃
桃
青
ぎゅ
俺がまた優しく抱きしめると、
青の震えは止まり、手を回してきた
桃
青
青は俺の胸に顔と頭を 押し付けながらそう言った
桃
青
桃
青は昔から天才肌だった
ほとんどのものに関して
運動も勉強も家事も、何もかもこなす
イタい所なんてないような奴
だと思われていた
俺は知ってる
青は元々、理数に弱いことを
小学一年生の時の 算数のテストの点数は
俺が94点を取るのにもかかわらず
青は42点しか取っていなかった ことを覚えている
それに怒った青の父親は
強制的な教育を青に仕向けた
あんなに幼かったお前は
辛いなんて言葉じゃ足りないほど
辛かったろうに
しかも青の家は金持ちだ
家は大きく、 車も大きくていつもピカピカ
"お手伝いさん" とやらも いた時期もあったらしい
青の家の事情にはあまり 踏み込めないのだが
小学二年生になる頃には、
週に5回、2時間の
家庭教師が備わっていた
青に、遊ぶ なんて言葉は
かすることもなかった
青の唯一の逃げ場
それが、小学校だった
本当は中学受験をさせられる 予定だったらしいが
それはさすがに青の母親が とめたらしい
青の母親はすごく優しい
でも父親の権力が大きすぎたのだろう
青と父親の関係に、 口を挟むなどできなかったのだと思う
誰にも習うことの出来ない 長い長い人生なんて
死ぬまで無くならない
誰かに人生を配り歩いたかのように
精神が削られる青
最初は違和感を覚えていても
ある時にはもう遅く、 そんな日常が当たり前になっていた
俺が何を言っても疑わず、
赤信号が青信号になったことに 気づかないみたいだ
そんな状況に陥っていたんだ
俺に倣え(ナラエ)、倣え
でないとお前は、また苦痛だ
もう比べないで、 並べないで、均せないで
ねぇ、僕を
僕が頭いいとか悪いとかどうでもいい
父さんのその言葉は、 本当に必要なの?
暴力をされていた過去のトラウマ
僕がダメだから?馬鹿だから?
だからってさぁ
僕の大切な未来を 閉ざさないでよ、塞がないでよ…!!
縛られたあの生活、 父さんみたいな言葉のナイフよ
早く錆びて崩れてしまえ
そう思わない日はなかった
しかも、そんな教育をしたのも 僕のためじゃない
自分の息子の自慢を したかったのだろう
僕は洗脳されたかのように 父さん色に染色されていた
期待すんなよ…
父さんへの恨みがハラハラと湧く
どうも心が落ち着かない
そう思った時、さらに桃くんが 僕を抱きしめる力が強くなった
青
僕は蚊の鳴くような声でそう言うと
桃くん頭を上げて、 優しく頭を撫でてくれた
青
見たことの無い最高の笑顔でね───
青
桃
桃
青
桃
好きだな───
そんな感情が脳裏をよぎるけど
青
この気持ちは抑えなければいけない
桃
僕がドアノブに手をかけると、 桃くんがそういった
青
桃
青
突然だ
僕はもちろん嬉しい
けど…
桃
桃
桃くんはそう言うと、 屋上の奥の方へ歩いていってしまった
青
桃
今なら───言える…!!
青
桃
青
青
ぎゅー
桃
桃
青
桃
青
桃
桃
青
後日、彼氏となった桃くんが家に来た
青のお母さん
青のお母さん
青のお母さん
青のお母さん
桃
桃
青
青のお母さん
青のお母さん
青
青のお母さん
青のお母さん
桃
ドタドタ
桃
青
コンコン
青のお母さん
青
桃
青のお母さん
青のお母さん
青
桃
ガチャ
桃
青
目が違う
桃
青
桃
青
チュ クチュレロ…クチュクチュレロ
青
ハァハァ
桃
青
突然のことにいまいち頭が 追いつかない
桃
青
青
やっと脳内の整理がつく
桃
桃くんが奪ってくれた
僕の、ファーストキス…
桃
青
しばらくして、桃くんは帰ると言った
桃
桃
青
青
桃
え…なんで……
青のお父さん
青
青
青
桃
青のお父さん
青のお父さん
久々に見た父親の姿
すごく威厳がある
僕が世界でいちばん大嫌いな奴
今目の前にいると思うと、 すごく変な気持ちになる
青
青のお父さん
青のお父さん
青のお父さん
青
咄嗟に出てしまった子の言葉
この言葉は、 僕自身も、桃くんも傷つける
──分かっていたけど
青
青
青
青
青
青
青
桃
青
桃
止まらなくなった言葉
動かなくなった桃くんの表情
少しずつだがほぐれていく父親の目
決してこれはいい方向には 進んでいない
桃
桃
青
青のお父さん
桃
桃くんは父さんに言って一礼すると
僕から避けるように、僕の目も見ずに そそくさと部屋を後にした
青のお父さん
青のお父さん
青のお父さん
青
バタン
父さんはそう言い残すと、 桃くんに続くように出ていった
青
僕の明日が見いだせない
今僕はどこに立っているのだろうか
父さんの言いなりになって
何度も何度も我慢してきたこの人生
次は、大好きな人を失うの?
僕からそんなに奪って、何が楽しい?
青
僕は窓から見える曇天を見つめる
青
視界が滲み、僕はドサッと崩れ落ちた
桃
青の家を出て少し経つと、 小雨が降ってきた
傘は持っていたがさす気にならず
雨に打たれながら帰る
この道を通ったのは何回目だろう
昔から通っているこの道は
少し特別感がある
あの状況で青の父親に出くわすなんて
運が尽きている
このまま青とは離れるのか
青のお父さん
桃
桃
桃
青の、父親だ
青のお父さん
青のお父さん
桃
青のお父さん
桃
気づいたら口が勝手に動いていた
桃
桃
青のお父さん
桃
桃
桃
桃
桃
青のお父さん
泣くのをこらえて訴えたこの言葉
雨に打たれる俺と傘の中の父親
俺は俺自身を背負って 今ここにたっている
こんなこと言って青に被害が及んだら
そう考えると不安だし
集って語って…そんなパレードは 帰ってこない
あの時はそんなことを 考えてなかったのに
青は一人になってしまう
もう嘘をつかせて欲しくない
ポロッ
俺の暗い涙が夕日で翳る
青のお父さん
青のお父さん
桃
桃
桃
桃
桃
青のお父さん
青のお父さん
桃
向こうから、傘もささずに全力疾走
もちろん、青だ
青
桃
これ以上俺たちの関係を 笑わないで、貶さないで───
今は、放っておいて
青のお父さん
独りきりだっていい
好きを認めさせて
でも今は独りじゃないから
桃
継ぎ接ぎだらけでもいい
どうなったって構わない
けど
次を探しに行こう
未来は、どこまでも広いはずだから
青
桃
僕達はまた家に帰ってきて
身体中の水分を拭いた
桃
青
桃
青
僕は、変われたのかな
青
青
青
青
桃
ニコッ
青
桃
青
桃
青
桃
桃
青
この短い間で、僕達は変われたんだ
過去の事実は消えないけど
この目 この手 この足 全て 生まれた日から宝物なんだ
つまり、過去は大切
勿論今も大切にする
桃
青
青
僕が嘘をついてしまった 事実は変わらない
世間の声はどうなのかも知らない
けど
人は個性の塊で
人それぞれの思考の誤差は
仕方ないんだ
そう思えた今、すごく楽だ
桃
青
こんな会話が、 いつまでも続きますように
後日、青から聞いた話だ
青の親は俺たちの恋愛を 認めてくれたらしい
この話を聞いた時俺は
言葉にならないほど嬉しくて
青
高校の卒業式の日の早朝
俺たちは屋上に来ていた
桃
青
桃
青
桃
ニコッ
青
脆くて拙い人生でも
ガラスのように ある衝撃で砕け散ってしまうものでも
最高なものになれば変われる
ただのガラスが、 ガラスの王冠になった時
きっと誰しもが特別感を覚えるだろう
ほら
手を取って
この絶頂な今が老いて、 枯れてしまう前に
咲かせて見せて
僕らの大切な人生を───
E N D .
主
主
主
主
主
主
桃
主
青
青
桃
主