桃赤
地雷さんはここで
青黄・橙紫要素○
小さい頃からずっと言われてきた
母
小さい頃からずっと答えてきた
赤
これが普通だった
なにも俺だけに言っているわけではない
上の兄二人にもまったく同じことを言っている
勉強も運動も性格も
すべて百点満点が当たり前
だったのに────
「いただきます」
声を揃えて挨拶し、
その後は一切の会話もなく
冷たい空気と
隣の家から聞こえてくる
幸せそうな笑い声だけが流れている
……げ
オムライスの中にグリーンピース発見…
ちらりと横目で
双子の兄を見る
ぱちりと目が合うと
黄
これ見よがしにオムライスを頬張る兄
……っち、
心の中で舌打ちし
前に座っている二つ上の兄を見る
紫
「どうしたの?」と目で聞いてくる兄
グリーンピースを一瞥し
また視線を上げると
紫
困ったように両眉を下げ
「がんばれ」とばかりに微笑みを返してくる
……がんばるしかないか…
結局俺は最後に食べ終わり
シンクに溜まった五人分のお皿を洗っている
紫
赤
紫
洗い物にかグリーンピースにか
はたまたその両方か
冷え気味な手で頭を撫でてくれた
赤
紫
赤
少し残っていた課題に手をつけ
その日は早めに眠りについた
赤
母
「常に完璧を目指せ」
とは言われるが
それ以外であまり普通の家庭と変わった所はない
強いて言えば
口数が少ないことだろう
赤
母
しっかり者の長男が
俺より遅く起きるなんて珍しい
赤
母
赤
コンコンッ
少し控えめにノックするが返事はない
赤
ガチャ
赤
窓が開いているのか
扉を開けた途端
風が吹き抜けた
もう季節は冬だ
さすがに窓を開けたまま寝るのは寒いだろう
赤
部屋主がいない
そう悟るのに時間はかからなかった
赤
赤
大声で呼ぶと
急いで階段を上ってくる音が聞こえた
母
母
黄
赤
黄
赤
部屋を指差し
部屋が見えるよう体を退ける
黄
黄
赤
少なくとも昨日は普通だったはず
頭を撫でられた感覚が
今もまだ残っている
赤
母
母の手に握られているのは一枚の紙
涙が滲む目を擦り
母からその紙を受け取る
赤
兄らしい癖字で手紙が書かれている
最後の方にひときわ大きい字で
「みんなのこと!大好きだよ!」
赤
もう兄は帰ってこない気だ
弟の勘というやつだろうか
そう悟った
黄
もう一人の兄も
歯をくいしばって涙を流している
母
「ジェル」という名に心当たりがあるのか
母だけはいやに冷静だった
母
赤
黄
大人三人は余裕で通れるであろう廊下で
トンッ
黄
双子の兄に肩をぶつけ
赤
黄
赤
兄を励ましたつもりが
逆に励まされてしまい
「情けないなぁ…笑」なんて
朝からの家出騒動
少々バタバタしながら朝食をすませ
駆け足で学校へ向かう
赤
赤
黄
赤
黄
赤
赤
冬特有の乾燥した空気と
久しぶりの運動で危うく喉を痛めそうになる
黄
赤
緩くそう答えると
黄
心配したようにこちらを見つめながら
細く声を出した
と
ポンッ
兄の頭に手を置いた何者か
否、ころちゃん
青
青
黄
先ほどまでの雰囲気が
嘘のように明るくなる
赤
青
青
黄
挨拶だけで真っ赤になる兄
…なーくんもるぅちゃんも恋してるんだなぁ、笑
青
赤
唐突に話しかけられ
少々反応が遅れる
青
赤
青
青
俺だって恋してないわけじゃない
赤
黄
赤
黄
赤
でも待ちたいし…
るぅちゃんの邪魔したくないし…
赤
赤
青
黄
黄
赤
少女マンガのような少しもどかしい雰囲気をまとい
仲良く並んで歩いて行く二人を見送って
数分経った
寒いなぁ、なんて思いつつも
彼を待っていると
桃
赤
赤
桃
「さとちゃん待ってたの」なんてかわいらしいこと
俺の口からでるはずもなく
赤
桃
桃
赤
ちょっとだけバカな子を演じてみる
桃
桃
赤
桃
桃
赤
高校生になってから……いや、彼がモテ始めてから
全然してなかったこのやり取りも
今年の誕生日に俺があげたマフラーも
ちょっと懐かしいな、って思ったり…思わなかったり…
桃
赤
桃
うれしい
全然話していない間も彼が俺を見ててくれたことが
小さな異変にすぐ気づいて
気にかけてくれてることが
優しく、声をかけてくれることが
全部が全部、うれしい
きっとこれが
赤
「好き」という感情なんだろう
桃
赤
赤
桃
赤
桃
赤
赤
赤
赤
赤
桃
赤
桃
今にも泣きそうな、苦しそうな顔をしながら
俺の頬に手を添える彼
知らぬ間に流れていた涙が
ぴちゃりとアスファルトを濡らす
少し震えている彼の手を
両手で、包むように握ると
桃
驚いた様子をみせ
一瞬の静寂の後
赤
俺は彼の腕のなかにいた
赤
桃
赤
桃
「りいぬも逃げよう」──
彼が放ったその言葉が
心に落ちて
理解させる
赤
桃
壊れ、る…
赤
声に出し意味を理解すると
寒さと「恐怖」で
ぶるりと、身体が震えた
赤
赤
子供かよ…笑
自分でも呆れるような途切れ途切れの声を
白い息とともに
震える喉から必死にだす
…出さなきゃ
恐怖に身体が蝕まれそうだから
身体が、恐怖で染まってしまいそうだから
赤
必死に想いを告げて
桃
桃
桃
赤
彼の腕に力がこもり
俺をはっとさせる
桃
赤
桃
赤
桃
桃
桃
先人…なーくんのこと、?
桃
赤
結局、学校には大遅刻して
るぅちゃんに怒られたんだけど…
カツン
空虚な部屋の窓に小石が当たる
赤
来た!
ガラッ
桃
急いで窓を開けると
にこりと笑って手を振る彼
赤
だいぶ大きな荷物を抱え
窓のサッシを乗り越える
桃
赤
彼の手を取り
俺は───俺たちは駆け出した
end
めっちゃ久しぶりにめっちゃ時間かけて桃赤書きました
伸びなかったら泣く()
制作期間5日間です疲れました(
実はもー何個か桃赤のネタあっためてます
ゆうて全部学ぱろなんで こいつ学ぱろしか書けんのか とか思わないでください(あせあせ
ぶくま一言!
next⇨⇨⇨♡1000~
コメント
22件
連ブク失礼します!!🙇💞
連載ブクマ失礼します🙌🏻💓
フォロー失礼しますm(*_ _)m