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翌朝、教室に入るとすぐに美柚が駆け寄ってきた。
田口 美柚
綾海 杏果
田口 美柚
キラキラした目で話す美柚に、梨生奈も小さく頷いた。
富山 梨生奈
綾海 杏果
杏果が答えると、美柚が「やった!」と声を弾ませる。
放課後、カフェには五人が集まった。
美柚は甘いパンケーキを前にして目を輝かせ、梨生奈は落ち着いた笑顔で紅茶を口にする。
葵羽は相変わらず冗談ばかりで、美柚に「食べすぎ!」と笑われていた。
杏果も自然に笑みを浮かべる。
その空気の温かさが、少しだけ胸の痛みを和らげてくれる気がした。
内山 朝晄
ふと隣で呟いたのは朝晄だった。
内山 朝晄
杏果は言葉を失い、ただ小さく頷いた。
──救われる。たしかにそうだ。
けれど同時に、祐紫がここにいない現実が、心の奥で冷たく響く。
笑顔の輪の中で、杏果は一瞬だけ視線を落とした。
テーブルに映る自分の影が、ひどく心細く見えてしまう。
富山 梨生奈
梨生奈が静かに声をかける。
綾海 杏果
また、同じ言葉でごまかす。
けれどその瞬間、ドアのベルが鳴った。
振り向いた杏果の視線の先に、橋本泰桔の姿があった。
偶然なのか、それとも必然なのか。
胸の奥で、再び「祐紫」の記憶が疼き始める──。