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君が死んだ日

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君が死んだ日

1 - 君が死んだ日

♥

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2021年04月29日

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君が

僕が死ぬとしたら

きっと自殺だ

まぁ別に

事故でもいいんだけど笑

あぁでも

どうせなら

快晴の日がいいなぁ

なんて

何処か感情がつかめないような

そんなこと、いったから

だから

だから私の家には

ずっと

逆さまの

てるてる坊主が

いくつか

吊るしてあって

明日は

大雨になりますようにって

毎日

毎日

お願いした

のに

な、

小さな部屋を満たすのは

乱れずにリズムを刻む機械音

君の寝息

それから

湿気

ねえ

雨だね

雨、だよ…

窓を閉めていても 鼓膜を揺らす雨音が

唯一の希望で

全然

止まないね

ね、

だから

まだ

死なない…よ、ね…

死んじゃだめ、だよ

空白が痛くて

…はは、

少し虚しくて

…あのね

あの日

君が事故に

遭った日ね

朝起きて外見たら

雨、降ってて

ああよかったって

思った、

のに…ね、

──あ、

あのね

…持ってきたの

てるてる坊主

家にある分全部

雨、

止んでほしくなくて

君に

……死んでほしく、なくて、

変に突っかかるキーワードが

少し鬱陶しい湿気と混ざって

余計に君を想わせて

…1個吊るしとくね

この病室、

4階だったよね

私の家よりも空に近い、から

届く…かも

…あはは

ほんと

びっくりしたんだよ、

警察から

電話、かかってきてさ

淡々と流れる声が

こんなにも痛いなんて

わたし

知らなくて、さ、

思い出すだけで痛かった

さっきの空白なんかより ずっとずっと痛い

わたしパニックに

なっ、ちゃって…

事故?雨、なのに…?って

警察の人に

聞き返しちゃって…さ、

あは…、

また、空白が流れていて

私は

その何も無い時間の中で

必死に考えてた

もう

言ってしまおうか

ねえ

……苦しいね

もう…全部、が痛い

けどきっと、

君も

同じくらい、

苦しい、よね、

ごめん…ね…

点滴とか

ごちゃごちゃした機械とか

土砂降りの雨とか

延命って

本人は苦しいんでしょ…?

もう

…やめよっか

ああ

言っちゃった

言ってしまった

今が1番

痛いかも、しれない

けど

もう

止まらなくて

気付いたら私は

てるてる坊主を

正しい向きに直していて

…明日は

快晴になるといいね

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