華
ここなら誰もいないね。
ここは、もう誰も遊ばなくなった古い公園。
華はブランコに腰掛けた。
華
辛い、ほんとに辛い。
華
どうしよう。
華は春休みの間、体調不良で少しの間入院していた。
診断の結果、内臓の癌であり、あと1ヶ月もつかもたないかと余命宣告された。
華の両親は、華がしたいことを優先したい、ということで、誰にも言わず普通の女子中学生として生活することにした。
華
あー、この景色ももう見れないのか。
華
さくらが散ると共に私も散る...なんて、上手いこと言うじゃん、私。
華
...あれ、なんで泣いてんだろ
華
もういっその事、早く死にたい...。
華
やり残したことなんて...
空人
おーい!華ー!どこだー!
空人
話聞くから出てきて!
華
そ、空人?
空人
......あ!いた!
華
空人、なんでここに?
空人
いや、だってすごい悲しそうな顔してたから
空人
なんかあったんじゃないかと思って。
華
...
空人
大丈夫か?話、聞くぞ?
華
あ、あのね!
響音が空人を追い、公園に到着
響音
え、この雰囲気、まさか告白?
響音
隠れなきゃっ
華
あのね、空人、
空人
おう、なんだ?
華
私...
華
病気なの。
空人
...え?
響音
(...え?)
華
実は春休みの間
華
ずっと入院してて
華
そんときに、癌だって言われて、
華
あと1ヶ月もつかもたないかだって、。
空人
嘘...だろ?
響音
嘘、嘘よ!
華
響音...?
華
どうしてここに...。
響音
ねぇ華、嘘って言って!
響音
これから沢山遊ぶでしょ?
響音
色んなとこ行くでしょ?
響音
なんでそんなに早く死ぬの?
響音
ねぇ華!
華
...ごめん、言わないって両親と約束したけど...
華
この2人には言いたかった。
華
今のは全部本当の話。
空人
嘘だろ...
響音
...嘘.........
華
なんか、入院すればもっと長く生きられるみたいだけど、
華
せっかくの人生楽しめないの嫌だし、
華
だから早く死んでも一緒にいたかった...
華
あと1週間後には病院留まりかなぁって感じ
華
みんなと喋れるのはあと1週間ってかんじだね
響音
嫌よ、やだ、死なないで......
華
こうやってみんなが悲しんじゃうから、言いたくなかったんだけどなぁ
華
困らしてごめんね...
かれこれ1時間近く話し、ようやく2人を説得。
響音
...分かった、あと1週間、悔いのない人生にしよう。
空人
うん、俺も手伝う。
華
ありがとう2人とも...
それから毎日、普通の生活することになった。
毎日響音は、私と会うと悲しい顔をする。
それでもいつも通りの日常を送ってくれる。
華
あーあ、今日で最終日か...
華
なんかやり残したことあったっけな...
華
あ、空人...
華と空人は小学校から一緒でとても仲良かった
華は空人のことが、中学1年生の頃から好きだった
華
今日告白しないと、後悔する。
華
でももしこれでOKしてもらっても、空人は悲しむ。
華
でも、私のことが嫌いで、明日死ぬのに悲しませたくないって想いでOKして欲しくないな。
華
どうしよう。
響音
おはよー華
華
響音、おはよう
響音
よし!今日も元気に学校行こう!
華
うん、ありがと。
響音
なにかやり残したことあれば今日いくらでもやりますよ((ニカッ
華
(そうか、響音ならどうしたらいいか教えてくれる...!)
華
あ、あのね響音!
響音
うん?
華
私、空人が好きなの!
響音
...え、え!
響音
そ、そうだったのね...!
華
うん、それでね、今日告白しようかどうしようか迷って...(ナンタラカンタラ)
響音
(どうしよう、私も空人のことが好きなのに...)
華
...な感じなんだけどどう思う?
響音
...ん、?あ、あぁそうかのね!
響音
こ、告白した方が、後悔しないんじゃない?
響音
(本当はして欲しくないけど。)
響音
(これで華の夢が叶うなら、私はいい。)
華
そうだよね!ありがとう!
華は告白成功なるか...!
そして華の最期を迎える。