ーー午前10時、組織本部
古びた洋館の一室で、今日も彼らにとっての“仕事”をこなす
うり
なおきり
うり
なおきり
机を挟み、うりの隣で同じく仕事をこなすなおきりさんは、軽くため息を付いた
たっつん
シヴァ
たっつん
とぼけた口調で答えた俺に、たっつんは呆れたように上着を俺に放り投げる
それと同時に、奥の扉が静かに音を立て開いた音がした
のあ
シヴァ
嬉しい報告にすぐ立ち上がると、身軽な動きで食堂の方へ向かった
なおきり
うり
食堂へ続く扉を開くと、広い空間が広がっていた
中央には部屋の奥へと長く続いていくテーブルと、それを囲ういくつもの椅子がそれぞれ何組か、
少し離れた端の周辺には、2.3人が囲う程の大きさのテーブルや椅子が並べてある
中央に目を向けると、既に数人が揃っているのがわかった
じゃぱぱさんは何か資料を見つめコーラをコーヒーのごとくすすり、どぬくさんは鋭く輝く刀を手入れしている
ゆあんくんはパソコンをいじりながら、時折「あ、ヤバいこれ抜かれてる」なんてことを時折呟いていた
えと
ヒロ
シヴァ
じゃぱぱ
シヴァ
じゃぱぱ
シヴァ
シヴァ
冗談半分で言った言葉に、全員がふと手を止める
もふ
もふ
シヴァ
俺はもふくんの言葉に対して、本当に軽そうに笑った
そんな俺を見て、もふくんは全くもう…とでも言いたげな表情でため息を付く
そんな空気もつかの間、唐突にドスンと勢いよく扉が開いた
るな
るな
シヴァ
るな
るな
どぬく
どぬく
のあ
シヴァ
そんな言葉を零しつつ、俺は小さく息をついて立ち上がった
るなに連れられて、書斎奥のモニタールームに入った
いくつも並べられた画面を睨みつつ、通信機器を調節する
シヴァ
るな
もふ
もふ
もふ
シヴァ
たっつん
通信機器特有の音に混じり、たっつんの用心深い声が聞こえる
シヴァ
シヴァ
ヒロ
シヴァ
ゆあん
ゆあん
シヴァ
えと
どぬく
シヴァ
じゃぱぱ
ファミリー達の返事は短く、速い
この家では“坊っちゃん”と呼ばれるシヴァだが、その実、誰よりも判断が早く、容赦がなかった
そして、それを全員が知っているからこそ、今でも彼を真ん中に立たせている
たっつん
たっつんが構えた狙撃銃の照準が、モニターに映るドローンの映像とリンクする
数秒の静寂
バン
小さな発砲音が響いた直後、画面の中のドローンが空中で火花を散らし、真っ逆さまに落ちていった
たっつん
ゆあん
シヴァ
呑気な笑い声に、他のファミリーもつられるように小さく笑った
この空気が、俺達のいつも通りの日常だった
ーー俺達は、元々ゲーム実況グループだった
名前は『カラフルピーチ』
12人で動画を撮って、わちゃわちゃして、笑い合う、それが全てだった
でもある日、突然全てが終わった
事件か、事故か、俺達が死んだ理由はよく覚えていない
気づいたときには、別の世界に生まれ変わっていた
銃と権力が支配する、この世界に_
身に覚えのない、この世界での、この世界で過ごした俺達の記憶と共に
シヴァ
のあ
平和とは言えないこの世界で、でもこのファミリーとの日常は、唯一前となんら変わらない時間だった
それだけは、きっと間違いじゃない