真
……誰ですか?
真
こんな時間に何してんの?
???
そういう君こそ。
???
今って授業中じゃなかったっけ?
そう言うと、名前も知らない誰かさんは僕の横を通り過ぎ、分厚い本を手に取った
真
ねぇ、
???
んー?
僕が話しかけると、本のページをパラパラとめくりながら返事をする
真
君の……
真
君の、名前は?
とりあえず、話す話題を出そうと頭を捻ったが、これしか出てこなかった
でもまあ、名前すら知らなかったし、良いか
???
んー……
少しの間、考える素振りを見せた
数秒たった後に、答えは出てきた
???
勝
真
しょう?
勝
そそ。勝つって書いて勝
真
ほ〜…
凛々しい顔とは少しズレた、情熱的な名前に、僕は不思議な気持ちになった
勝
お前は?
真
…え?
勝
だーかーらー、お前の名前!
真
え。あっ、真…
初対面の人に向かってお前とはなんだ、って言ってやりたい気持ちを抑えて、素直に名前を教える
勝
ふーん、真ね……
僕の名前を聞いた途端、悪巧みをしている様な顔をする
真
…何その顔
勝
は?何?顔にゴミでもついてた?
勝
取って取って
真
付いてないツイてない
今日会ったばかりのはずなのに、馴れ馴れしく接してくる
しかも勝手に話も進めてくるマイペース野郎
真
(休めねぇ)






