月島
月島
月島
月島
月島
黒尾
堕ろして。
月島
黒尾さんは俯いたままそう静かに言った。
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
はっきりそう言われた。
頭の中が真っ白だ。明るく照らされていたはずの未来はもうない。
黒尾さんと、お腹の子と、僕とでニコニコ笑い合える未来はもうない。
黒尾
堕ろせと言われたあとにさよならと言われた。僕は混乱して訳が分からなくて、泣いた。
頭を上げた黒尾さんの顔は、今にも泣きそうになっていた。
月島
月島
月島
黒尾
月島
月島
月島
黒尾
何か言おうとした黒尾さんを後に僕は黒尾さんの家を出た。
黒尾さんに堕ろせと言われたが、僕はお腹の子が可哀想で結局堕ろさなかった。
僕たちの勝手なエゴで生まれてしまった子に罪はない。
一生かけて償おう。
そう強く心に決めた。
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
そして、17歳の冬
んぎゃあ、んぎゃあ
窓の外が雪一面で覆われる中
元気な産声を上げる黒髪くせ毛のくすんだ琥珀色と澄んだ琥珀色をした瞳を持つ赤子が産まれた。
月島
看護師
月島
看護師
看護師
看護師
看護師
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
雪
月島
雪
雪
雪が発見したのは僕と黒尾さんが付き合っていたときの写真を集めたノート
月島
月島
雪
月島
月島
雪
月島
雪
黒尾さん。僕と雪を捨てた人。いや。僕が捨てたのかもしれない。あの時黒尾さんはなんて言おうとしていたんだろう。
雪
月島
雪
月島
ぴーんぽーん
月島
黒尾
ドアを開けると、そこには見慣れたとさか頭、キリッとした目つきに、優しい声
僕が恋い焦がれた人だ。黒尾さんだ。僕の最初で最後の恋人だ。
月島
黒尾
月島
月島
黒尾
黒尾
黒尾
月島
黒尾
黒尾
月島
月島
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
月島
黒尾
俺と結婚してくれますか?
月島
パパ