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恋樺
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如月 久柚⌛🍊
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コメント
4件
事件の時降谷さんについて訊かなかったコナンを褒めたい(は?) 最後の降谷さんの写真出た時に「フォォォォ…」って奇声出たのは黙っとく(←今ので思いっきり言ってるBAKA) 今回も面白かった!

思い出をたくさん撮ってたのかぁ…泣けてくるわ😭尊いけど辛いって🥹 投稿ありがとうございます🙏今回も最高でした!続きも楽しみに待ってます👍
午前十時。科捜研。
受付担当の事務員が研究室へ顔を出した。
事務員
松田深緒
珍しい。 深緒が顔を上げる。事務員は、小包を片手に持っていた。
伝票を見た瞬間、深緒の目が少しだけ止まる。
『差出人:萩原千速』
松田深緒
松田深緒
受け渡される。周囲がざわついた。
同僚1
同僚2
高橋
深緒は少し眉を寄せる。
松田深緒
同僚3
先輩
深緒は包みを見下ろした。 大方、新しい住所が送られてくるのを待てず科捜研に送ってきたのだろう。
ガムテープを切り、開く。深緒の動きが止まった。
中に入っていたのは大量の写真だった。
同僚1
同僚4
包みには、ぎっしり写真が詰まっていた。 少し昔の写真。 深緒は一枚の写真を手に取る。
そこには、制服姿で大笑いしている深緒が写っていた。今よりずっと幼い。
誰かが撮った、不意打ちみたいな写真。 今の深緒から想像もできないくらい無防備な笑顔だった。
同僚2
同僚3
深緒は何も言わない。指先が少しだけ止まる。 包みの中から、次の写真を取り出した。
陣平が変顔している横で、深緒が爆笑している。
同僚4
松田深緒
同僚2
同僚1
松田深緒
松田深緒
同僚1
深緒は黙々と写真をめくる。 コンビニ前、缶ジュース片手の陣平。完全に盗撮みたいな角度。
ソファで寝落ちしている深緒。肩へ毛布をかけようとしている研二の手まで写っている。
高橋
ぽつり。高橋は写真を見る。
どれも全部、撮っている人との距離が近かった。 近くて、優しい日常だった。
深緒は包みの裏に小さく書いてある文字に気づいた。そこには千速の字。
『写ルンです出てきたから現像しといた』 『研二が撮ったやつ』
松田深緒
深緒は静かに、もう一枚写真を手に取った。 そこに写っていたのは、振り返った瞬間の自分だった。
夕暮れ。何かを言ってる途中みたいな顔。 少し笑っていて、その視線の先には確実に“撮ってる相手”がいた。
深緒の指先が僅かに震える。
高橋
高橋は隣で言葉を失っていた。 この人にも、こんな時間があったんだ。
兄と。恋人と。ちゃんと、誰かに愛されて笑えていた時間が。
写真の端々に男の手が映っていた。 でも。肝心の顔は、どこにも写っていない。
一枚も。
高橋
写真の中の深緒は、今よりずっと柔らかい顔で笑っていた。 その時だった。
バンッ!!
突然、研究室の扉が勢いよく開いた。
高木刑事
全員が振り返る。高木は息を切らしていた。
高木刑事
空気が一瞬で切り替わる。
先輩
高木は資料を差し出した。
高木刑事
高木刑事
松田深緒
深緒は数秒、写真を見つめる。それから静かに机に置いた。
松田深緒
いつもの声だった。 高橋はその横顔を見る。 もう表情は消えていた。
ただ。机の端に置かれた写真の中だけで、彼女は笑っていた。
ーーーーー
ー事件現場ー
マンションの一室。
高木刑事
高木刑事
高木刑事
高木刑事
松田深緒
松田深緒
深緒は周囲を見渡す。
松田深緒
高木刑事
松田深緒
高橋
松田深緒
松田深緒
高橋
高橋がしゃがみ込む。 確かに。不自然な方向へ血痕が伸びている。
そのとき。
江戸川コナン
聞き慣れた声が響いた。
松田深緒
松田深緒
江戸川コナン
松田深緒
コナンは少し違和感を覚えた。 深緒は痩せた。前よりずっと。顔色も悪い。
けれど、本人は気づいていないみたいだった。
松田深緒
松田深緒
高橋
コナンはその横顔を見る。仕事中の深緒は変わらない。
むしろ、前よりのめり込んでいるように見えた。
「あの後どうしたの?」 「安室さんとちゃんと話した?」 聞きたいことはたくさんあった。
けど、聞けなかった。
ーーーーー
事件は思いの外あっさりと解決した。
犯人は、3年前被害者が飲酒運転により起こした事故で亡くなった男性の妻だった。
犯人
犯人
犯人
高木刑事
犯人
犯人
犯人
犯人
犯人
犯人
そう言って泣き崩れた犯人を、深緒は少し複雑な顔をして見ていた。
ーーーーー
帰宅後。深緒はテーブルへ写真を広げていた。
松田深緒
一枚。また一枚。
笑っている。 怒っている。 寝ている。 食べている。 変な顔をしている。 色々な自分がいた。
松田深緒
小さく息が漏れる。 兄の写真もたくさんあった。高校生、警察学校…。
深緒は一枚の写真を手に取る。さっき科捜研でも見た写真。
夕暮れ。振り返った瞬間。笑う深緒。
松田深緒
自分は、もっと無愛想だったと思ってた。もっとツンケンしていると思ってた。
違った。
視線の先にいる誰かを見る顔は、あまりにも柔らかい。 深緒は思わず笑ってしまった。
松田深緒
昔。研二を見て、 “なんて幸せそうな顔をするんだろう” そう思っていた。
締まりのない顔。油断しきった顔。 自分を見る時だけ、少しだけ馬鹿みたいな顔になる。
それを見るたびに、『締まらない顔』なんて笑っていた。
でも、写真の中の自分も同じだった。 研二を見るその顔は、驚くぐらい締まりのない顔だ。
松田深緒
指先で写真を撫でる。研二は写っていない。
松田深緒
ぽつりと呟く。
研二にはずっと、こんな風に見えていたのか。
松田深緒
その時。ひらりと一枚の写真が床に落ちた。
拾おうとして手を伸ばした瞬間、そこに映る人物を見て深緒は目を見開いた。
警察学校。制服。そして、
見慣れた金髪。
松田深緒