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えぇ!!!久しぶりにテラーに戻ってきてaxlrを見に来たんですがあーもう連載してないだろうなー…とかおもってみにきたんですが現在進行形でれんさいしてるとはおもわなくってびっくりしてます!!主さんが投稿されてるシリーズ全て見させていただきました!!どれも大好きなシチュでした😭これから応援させていただきます!頑張ってください!!!!

新作ありがとうございます! 私はここにアイデアを書き残すくらいの勇気はありませんが、主さんの言葉の一つ一つに重みを込めている感じが毎回とても伝わってきて大好きです! いつまでも待ってますし、応援してます!!!
主
主
主
主
やけに雨の強い日だった。 梅雨明けの時期はとうに過ぎていた。 ただじっとりとした汗と雨が、 俺の身体を濡らしていた。
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その一瞬、こちらを見ると 猫を抱えたまま傘に入った。 駄菓子屋に行くまで 少し話したいなんて考えていたけど、 いざとなると喉がつっかえたように 言葉が出てこなかった。 ここで驚いたのは、 むしろ彼の方から話し始めた事だ。
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少し気まずい。 小さい頃からの幼馴染ではあるが 昔の事なんて話せる訳なかった。
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俺の「親友」という言葉に ローレンは小さく笑った。
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その言葉に、 俺は言葉を詰まらせてしまった。 明らかに戸惑う俺の表情に ローレンはまた小さく笑った。
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そっと俺の傘から出ると もう二度と振り返ることは無く、 俺はローレンの濡れ続ける背中を 見送る事しか出来なかった。
ようやく家に着くと、 やり切れない感情で 胸がいっぱいになっていた。
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この言葉を聞くと、 昔の事を思い出す。 楽しかった、昔の思い出を。
クラスメイト
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ローレンは小学校の時に 隣町から引っ越してきた。 きっかけはもう忘れたけど 気付いたら仲良くなっていて、 中学校では 同じ部活に所属する程だった。
俺達はいつも2人一緒で、 周りからも親友だと 認められていたように思う。
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俺達の親も仲良くなっていて、 時折お互いの家族みんなで BBQをしたりする事もあった。
ある日、塾に向かう途中で ローレンを見かけた事があった。
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遊具の向こう側に居て 姿はよく見えなかったけど、 小さく啜り泣いている声が聞こえた。
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クラスメイト
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当時俺らは思春期だったし、 小さな家出かな、 なんて軽く思っていた。 なにより、塾に遅刻して 母さんに怒られるのが怖かった。
「不変」 その言葉が俺達の中から消えたのは 中三の冬だった。
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話の内容は、当時の俺にとって 衝撃的なものだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー ローレンのお父さんが働く会社が 不景気で倒産してしまい、 収入は無くなり生活が苦しくなった。 再就職しようと奮闘していたが そんな不景気の中で、 雇ってくれる会社は無かった。 毎日、現実逃避するように 居酒屋に通って酒に溺れていた。 そして12月の終わり頃、 公園の裏山で 首を吊っているのが見つかった。……
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それから中学校を卒業するまで、 ローレンの姿を見た事は無かった。 そして地元の高校に進学した俺は、 時折、校内でローレンを 見かけることがあった。 俺は嬉しかった。また同じ学校だ。 でも、声を掛ける勇気は出なかった。 そのまま、 ズルズルと2年半の時が経った。…
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猛烈に後悔した。 高校に入ってからすぐに ローレンに話し掛け無かったことも、 あの夜、公園で泣いていたローレンを無視してしまった事も。
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ただ、また昔のように ローレンと笑い合いたかった。
翌日
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酷く冷たい目でこちらを見ると くるりと背を向けて歩いていく。 でも、もう逃がしたくない。 気付けばローレンの手を握っていた。
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周りの目を気にしてか 観念したようにそう言うと 俺達はあの公園に向かった。
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公園に着くなり、 俺はローレンに謝った。
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予想外の言葉に、 俺は何も言えなかった。
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俺はすぐにローレンの手を掴んで 必死に止めた。
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まさか、と思った。 ローレンが「好き」と言った瞬間、 俺の中で隠していた気持ちが 溢れ出て止まらなかった。
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そう言った瞬間、 視界がぐにゃりと歪んで 同時に下腹部に激痛が走った。
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みぞおちを抱えて倒れる俺を、 軽蔑するように睨み付けていた。
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そう吐き捨てて去っていった。 当の俺は立ち上がる事も出来ず、 ローレンの遠ざかる背中を 見送る事しか出来なかった。
あの夜、なんとか家に帰った後も俺はずっと混乱していた。 何度考えても、 なぜ殴られたのか分からなかった。
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そう。俺はローレンが好きだった。 ローレンの事が好きだと気付いたのはあの事件が起きた後、中三の冬で、 会えなくなってからだった。 試合で俺達のチームが勝った時に 触れるハイタッチの手、 嬉しそうに俺の方を見る笑顔、 喜びの興奮で抱きついてきた時の 熱い身体の温度… 全部、大好きだった。
会えなくなってから、 言語化できずに抱えていた、 モヤモヤした感情が 恋だった事に気が付いた。 あの件から疎遠になっても、 時折ローレンを見かけると 愛おしさが溢れた。 もし話し掛けてしまえば、 俺の中の迷惑な感情が ローレンを困らせてしまうと思った。
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そこから1週間、 毎日ローレンの担任に 出席しているか聞いてみたり、 休み時間に校内中を探し回ったが やはり来ていないようだった。
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ピーンポーン…
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何故か呆れたように笑っていた。
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いつまで経っても 真面目に応えてくれないローレンに 俺はついカッとなってしまった。
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ローレンは泣いていた。 時々嗚咽しながら 俺に言葉を浴びせ続けた。
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泣きながら、 もはや頼み込むようにそう言うから 本当に勘違いな気がしてきて、 でも俺の心は それを全力で否定していて…
もうそれ以上踏み込めなくて、 ただ泣き続けるローレンの背中を 擦り続けていた。
主
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