テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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ただ一緒に笑っていたいから

第45話 - あの頃のまま

316

2024年11月09日

#恋愛

#青春恋愛

#一次創作

桜野はな

会うと伝えたあの日から

あの人からの連絡がこまめに来るようになった

あの人は案外頭がいいから

どうすれば私が返信せざるを得ないかわかってる

私からの返信が必ず来るように

色んな工夫をしてメッセージを送ってくる

そしてとうとう、約束の日

朝、平常心で居られるか分からなかったから

昨日のうちに出かけるとnoaさんにだけ伝えて

みんながリビングに集まる前に家を出た

橘隆司

あれ、早いね
遅刻してくるかと思ってたのに

eto

......おはようございます

橘隆司

おはよ〜
どうしたの？俺に会いたくなっちゃった？♡

eto

違います

eto

........別の用事を済ませてから来たので早くなっただけです

橘隆司

そっか！ざ〜んねん

eto

..........

橘隆司

それじゃあ行こうか

この人..........りゅうじくんは

私に手を差し出しながら言う

eto

1人で歩けます

橘隆司

ちぇ〜、手繋ごうと思ったのにな〜

eto

..........

橘隆司

あれ？ドキドキした？w

eto

するわけないでしょ、

橘隆司

そ？

橘隆司

まぁそれじゃあ行こうか

eto

..........どこへ？

橘隆司

ん〜、俺はどこでもいいけど

橘隆司

えとちゃんはひとけの少ないとこの方がいいでしょ？

eto

むしろ人が多い方がいいです

eto

2人きりは、いや..........

橘隆司

ほんとに？
昔の話もするけど

eto

..........っ、

eto

おまかせ、します......

橘隆司

おっけ〜

橘隆司

じゃっ、着いてきて

eto

..........

この人は、過去のことがなかったかのように普通に接するくせに

昔の話と、はっきりと口にする

何がしたいのか、

何を考えているのか、

昔から謎だらけでなにもわからない

しばらく歩いて

ひとけのない個室カフェのような場所についた

橘隆司

それじゃあ早速

橘隆司

話をしようか

eto

..........私はあなたと話すことなんてないんですけど、

橘隆司

まぁまぁ

橘隆司

単刀直入に言うとね

橘隆司

俺はetoちゃんと、よりを戻したいと思ってる

eto

..........は、？

橘隆司

俺好きなんだよね〜

eto

なにが、ですか、

橘隆司

etoちゃんみたいに努力できる子♡

橘隆司

ほら、etoちゃん前に比べてめっちゃ可愛くなったじゃん？

橘隆司

それに明るくもなったからさ

橘隆司

すっげぇ努力したんだろうなって

eto

それが、なんだって言うんですか

eto

私が明るくなったって思えるのは、可愛くみえるのは、

eto

全部私の大切な人たちのおかげです

eto

私を認めてくれたから、

eto

私を必要だって言ってくれたから、

eto

私を、好きだって言ってくれたから

eto

そうやって、私に居場所をくれた

eto

だからもう私にあなたの言葉はいらないし

eto

あなたの愛情も求めてない

eto

だから私に、私達に関わらないで

橘隆司

へぇ..........

橘隆司

随分と言うようになったじゃん

あの頃のような悪いことを考えている顔..........

eto

..........、

橘隆司

ていうか、その大切な人達の優しさとかって本物なの？

eto

何言って、

橘隆司

人間って嘘つきな生き物じゃん

橘隆司

etoちゃんに対する全部が上辺だけの偽物って可能性も無くはないよね？

橘隆司

そんなに信用できるものなの？

橘隆司

etoちゃんが居ないところで何言われてるかなんてわかんないでしょ？

橘隆司

いい人を装うのなんて簡単だし

eto

..........い、

橘隆司

ん？

eto

黙ってください、！

eto

私の大切な人達をそれ以上バカにしないで！

eto

何も知らないくせに、わかったようなこと言わないで！

eto

上辺だけなのはあなたの方でしょ！その言葉はあなたが言っていいものじゃない

eto

私のことならいくらでも言えばいい、

eto

でも、みんなのことを言うのは絶対に許さない、

eto

..........話がそれだけなら、私は帰ります

eto

もう二度と関わらないで

みんなをバカにされたことに腹が立って

りゅうじくんに対する本音がすらすらと口から出ていく

もうこれ以上ここに居たくなくて

そのままお店を飛び出した

橘隆司

ふ〜ん、w

人気のない路地裏を逃げるように走っていると

突然後ろから強く手を引かれ

そのまま壁にドンッと追いやられる

eto

ひぁっ、

橘隆司

そんなに大事？

橘隆司

あいつらが

eto

は、離してっ、

橘隆司

今までビビって避けてたくせに

橘隆司

そんな俺に楯突くほどあいつらが大事で大事で仕方ないんだ？

eto

やめっ、痛..........っ、

橘隆司

昔はあんなに俺にベタベタだった癖になぁ？

橘隆司

あぁ、今はあの頃とは違うから男取っかえ引っ変えできるし

橘隆司

一個人にこだわらねぇか

eto

そんなことっ、！

鋭い口調で、低い声で、

スラスラと言葉が流れていく

壁に抑えられた手を振り払おうにも

力が強すぎて対抗できない

橘隆司

今俺から離れて、その大切な人達とやらを守れんの？

橘隆司

やろうと思えばなんでも出来る俺から

橘隆司

無力でこの状況から逃げ出せすらしないお前が

橘隆司

何も出来ないくせに虚勢だけ貼ってんなよ

eto

あなたと一緒にいたところで、その状況は変わらない！

eto

私の大切な人である限り

eto

攻撃を辞める気すらないくせに、私をそっちに引き寄せようとしないで！

eto

何があってもあの人達と居たい気持ちは変わらない！

eto

もう諦めてって言ってるの！

橘隆司

強がるのもいい加減にしろよ

そう言うと同時に

りゅうじくんは私を更に壁に押さえつけて

手を大きく振りかぶる

eto

っ、！

それに対して私は思いっ切り目を瞑って下を向く

すると

私の前に影がかかり、パシッと言う音が聞こえ

目を開けると

yuan

っぶねぇ、

りゅうじくんの手を受け止めて

私をぎゅっと守るあの人がいた

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桜野はな

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