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冬華(トウカ)

夏希が最後に残したもの...

冬華(トウカ)

・・・

冬華(トウカ)

よしっ、見よう。

そこには、

夏希らしい、下手だけど

どこか愛らしさを感じさせるような字で

「花火大会の日、冬華と写真撮ってから土掘る!!伝える事も忘れずに」

と書かれてあった。

冬華(トウカ)

どうゆう...ことだろ?

冬華(トウカ)

・・・

冬華(トウカ)

でも、やっぱり1番は...

1番、問題なのは...

冬華(トウカ)

...全く知らない場所

そう。

紙切れと一緒に残された地図だった。

冬華(トウカ)

うーん...なんで地図なんか...

冬華(トウカ)

でも、1つだけなんとなくわかる事は...

冬華(トウカ)

これを実行するのは花火大会の日じゃなきゃいけないって事。

冬華(トウカ)

空良、ごめん。

空良(ソラ)

ん?どした??

冬華(トウカ)

花火大会の日、私しなきゃいけないことある。

冬華(トウカ)

その日しかだめな気がして...

空良(ソラ)

う〜ん、なにか気になるけど、

空良(ソラ)

冬華がそこまで言うならよっぽど大事なことだよねっ

空良(ソラ)

その代わり、

空良(ソラ)

自分でしなきゃいけないことは最後までしっかりするんだよ??

空良(ソラ)

辛くても、しんどくても、

冬華(トウカ)

空良...

冬華(トウカ)

うん、もちろん。ちゃんとけじめつけてくる。

空良(ソラ)

うんうん^-^

空良(ソラ)

頑張って!!

空良(ソラ)

何かあったらいつでも頼ってよね??

冬華(トウカ)

うん!!空良、ほんとにありがとおぉ〜

日の入り前

冬華(トウカ)

よおしっ今から行こっかな

私は

ただ、

夏希が最後に残した紙切れと地図、 それだけに

なにか大切な、大事な意味があると思った。

冬華(トウカ)

ん...やっと着いた...

冬華(トウカ)

こんなとこ知らない...

冬華(トウカ)

いつの間に夏希、こんなとこ

冬華(トウカ)

...って!そういえば!土!掘らなきゃ!

冬華(トウカ)

...もしかして、

そこには

わかりやすいように土の盛り上がりがあった。

冬華(トウカ)

ここかな。

私は、そこだけを必死に掘った。

しんどくても、疲れても、

冬華(トウカ)

はぁ...はぁ

カチンッ

冬華(トウカ)

...え?

冬華(トウカ)

カチン...?

よく見ると

そこにあったのは

タイムカプセルのような入れ物が埋まっていた。

冬華(トウカ)

いつの間に...

冬華(トウカ)

とりあえず、開けよっかな

冬華(トウカ)

・・・

冬華(トウカ)

...っ!!

冬華(トウカ)

なに、これ...

そこにあったのは

「冬華との夏の思い出集!!」

と書かれたアルバムがあった。

冬華(トウカ)

なんで、なんで...

冬華(トウカ)

いつの間に

冬華(トウカ)

こんなもの、

冬華(トウカ)

なんで夏の思い出...だけなの...

アルバムの中をよく見てみると、

それは、

空っぽだった。

冬華(トウカ)

なんで、なんでよ...

冬華(トウカ)

これじゃ分かんないよ。

冬華(トウカ)

夏希が私に最後に残してくれたもの、

冬華(トウカ)

すごく大切な気がするのに...

冬華(トウカ)

どうしたら、どうすれば

冬華(トウカ)

夏希がいなくなることはなかったの?

冬華(トウカ)

ねえ、教えてよ...夏希...

知らない男

...冬華。

冬華(トウカ)

.....え?

その声。

絶対ありえない。

でも、もしかすると、

やっぱり絶対...

冬華(トウカ)

え?な、んで...?

冬華(トウカ)

なんでここに...?

冬華(トウカ)

夏希?

夏希

冬華。ごめんな、

冬華(トウカ)

ほんとに?夏希なの?

夏希

うん。俺だよ、夏希だよ。

冬華(トウカ)

夏希!!!!

私はその場で泣き崩れた。

抱きつけない。手を繋げない。

そんな現実はもうとっくに知っている。

それでもやっぱり会うと...

冬華(トウカ)

抱きつきたいよ...

夏希

あはは。偶然にも俺も同じこと言おうと思ってた。

冬華(トウカ)

ほんとに夏希まんまだね。

夏希

え?!まだ疑ってんの?そろそろ信じてよ〜

冬華(トウカ)

だって、急に現れたんだもん

夏希

ははっまあな。

夏希

俺はまだ冬華に伝えなければいけない事を伝えていない。

冬華(トウカ)

うん。

夏希

だからそれを伝えるために来た。

冬華(トウカ)

なに?気になる

夏希

...

夏希

俺はずっと

夏希

言いたかった...

夏希

ずっと、ずーーっと

夏希

俺は、

夏希

今俺から見えてる景色すべてが好きだって。

冬華(トウカ)

っ!!...

その言葉を聞いた瞬間、

本当は見えるはずのない

たくさんの花火が

私たちには見えていた。

冬華(トウカ)

わあ...きれい...

夏希

...上手く伝わった?

冬華(トウカ)

うーん...なんとなく?笑

夏希

伝わらなかったか、笑

夏希

じゃあはっきり言う。

夏希

俺は!!

夏希

冬華という存在を

夏希

世界でいっっちばん

夏希

愛してる。

夏希

これを伝えたかったんだ...

冬華(トウカ)

・・・

冬華(トウカ)

夏希...もしかして、

夏希

もう今から何も言うなよ??

夏希

俺はもうすぐ消える。俺自身の存在も。

夏希

ごめんな、一生幸せにすることが出来なくて

冬華(トウカ)

え?どうゆうこと?

夏希

俺は伝えなければいけない事を伝えにここに来た。

夏希

伝えたら、消えちゃうんだよ。

冬華(トウカ)

え、うそ...

冬華(トウカ)

せめてでももう少し一緒にいよう?ね?

夏希

だめだ、冬華。

夏希

俺はもうこの世のものじゃないんだよ。

冬華(トウカ)

そんなの関係ないよ!!

冬華(トウカ)

夏希は夏希だもん!!

夏希

違う。

夏希

お前が見てるのは確かに夏希かもしれねえ。

夏希

でも、もう俺は...

冬華(トウカ)

嫌だよ!!!

冬華(トウカ)

勝手にいなくならないでよ...

夏希

ごめんな...

夏希

俺の分まで冬華が生きて欲しい。

夏希

最後にわがまま1つ聞いてくれないか?

冬華(トウカ)

...なに??

夏希

最後に...

夏希

俺とキスしてほしい。

冬華(トウカ)

ばか。夏希とならいくらでもするよ!

夏希

冬華らしいな。笑

夏希

変わってなくてよかった

最後に私たちは、

キスをした。

でも、目を開けると

そこにはさっきまでいたはずのあの人と

たくさんの花火たちが

消えていた。

冬華(トウカ)

夏希...

冬華(トウカ)

ずるいよ。こんな逃げ方

冬華(トウカ)

...え、

冬華(トウカ)

もしかして、夏希

冬華(トウカ)

あのアルバムが夏しかなかったのって...

気づいてしまった。

冬華(トウカ)

なんでだろう、私...

夏希がいなくなってしまった理由に。

冬華(トウカ)

行かなくちゃ

冬華(トウカ)

今から

冬華(トウカ)

すみません、〇〇夏希と言う方覚えていますか?

病院の人

少しお待ちください。

病院の人

病院の人

あ!いました。

病院の人

しかしこのお方はすでに...

冬華(トウカ)

わかってます。

冬華(トウカ)

担当医の方に会いたいのですが...

病院の人

はい。少しお待ちください。

医者

どうかなさいましたか?

冬華(トウカ)

突然すみません

冬華(トウカ)

私気づいてしまったのですが...

冬華(トウカ)

夏希、

冬華(トウカ)

病気だったんですよね?

医者

...っ!

医者

...

医者

彼女さんには内緒にしていて欲しいとお願いされていました。

医者

しかしついに伝える時が来たのですね。

冬華(トウカ)

一体、なにがあったのですか?

医者

夏希くんはね...

医者

皮膚のがんだったんだよ。

冬華(トウカ)

えっ...

冬華(トウカ)

...やっぱり。

冬華(トウカ)

何かあると思っていたんです。

医者

うん。その通り

医者

実は皮膚の病気になると

医者

乾燥に非常に弱くてね...

医者

冬は乾燥が厳しい季節だから本当は外出禁止だったんだよ。

医者

だけど夏希くんが...

医者

「今年まで、せめて冬の外出許可をしてもらえませんか。」と言われてね。

医者

「冬は、大切な人の大好きな季節なんです。名前に冬って入っているからっていう理由だけで好きなんですよ。笑まあ、そこが可愛いんですけどね」とおっしゃっていました...

冬華(トウカ)

夏希...

冬華(トウカ)

でも私も夏希の皮膚を見ておかしいなと思っていました。

医者

すみません。私とした事が...

医者

夏希くんを止めることが出来ずに...

冬華(トウカ)

いいえ、謝らないでください。

冬華(トウカ)

ちゃんと教えてくれてありがとうございます。

冬華(トウカ)

おかげですっきりしました。

冬華(トウカ)

私は本当の幸せ者だった事に気づけましたし...

医者

そうですね。夏希くんは毎日あなたの事で頭がいっぱいだったと思いますよ。

冬華(トウカ)

そうかもしれませんね...笑

冬華(トウカ)

あの、

冬華(トウカ)

最後に1つ聞いてもよろしいでしょうか?

医者

はい、なんでしょう?

冬華(トウカ)

夏希は本当は夏が好きだったんでしょうか?

医者

その事でしたら夏希くんおっしゃってましたよ。

医者

「僕も名前に夏が入ってるので夏が好きなんですよね...特に花火とか!病気に勝てる季節だし!だから夏は俺にとったら奇跡の季節ですね。笑」と、

冬華(トウカ)

そうだったんですか...

冬華(トウカ)

もっと早く気づいていたら...

冬華(トウカ)

夏希...あなた本当は、

冬華(トウカ)

夏が好きだったんだね。

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