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オリキャラ短編集

16 - 哀悼、そして日常は続く

♥

19

2023年04月14日

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ジリリリリリッ

んっ………

………

そっか…今日か…

私はどこにでもいるような 中学生だ

今日は学校を休んだ

でも今日は大事な用がある

だから制服に袖を通した

両親の方を見る

…礼服……

(なんでだろう…)

(2人の顔がぼやけて見える)

まぁ…いいや…(ボソッ

先、出てるね

そう声をかけ、私は外へ出た

………

快晴の空

心地よい風

普段ならいい気分になるが…

今は嫌味にしか感じない

……はぁ

前から声がした

……お父さん

車に乗りな

………うん

ガチャッと、車の扉を開けた

私は車に揺られながら ある場所へと向かう

久しぶり〜

久しぶりの顔ぶれ

本日は______

初めて見た顔ぶれ

心ん中綯い交ぜで…

どうも…(ペコッ

(軽い会釈は…)

(上手くできてたかな…?)

和室の椅子に座った

布越しなのに、冷たく感じた

時間になりましたので___

係の人に呼ばれ

襖を開いた

そう

今日はあの子の葬式

………

その顔は柔くて

まるで眠ってる様だった

(このまま目を覚まして…)

(私に笑いかけてくれそう…)

湯灌で触れた肌は

固く

硬く

冷たかった

っ………

私は、空っぽになった あの子を撫でた

明くる日の朝

ふぁ……

………

私は制服に袖を通した

会場までずっと

………はぁ…

ゆらゆらと心は揺れていた

棺の中に収まったあの子が

花に包まれ

埋まってゆく

………(フッ

瞼を閉じたら…

……あれ…

(なんで私…)

"現実"が頬を伝ってた

扉は閉じられて行く

____(カチャッ

鍵はかけられて行く

あの子の入ったそれが運ばれて行く

私はそれをただ…

ただ眺めてる…

夏はまだ先なのに…

蝉の鳴き声がした

(心の穴を埋めてくれた…)

(…………気がした)

別れが近づく

棺が__に入って行く

っ……(ジワッ

溢れ出るものが…

(汗か涙か…よくわかんないや…)

咲、おいで

はい、これ好きでしょ?

………ありがと…

待合室の自販機で買ってもらった 甘いジュース

(……味…感じないや…)

結露が床に落ちた

その瞬間、全身に寒気が走った

___さん

(……係の人が呼んでる)

肌は果て

欠片となったあの子

私は箸でソレを渡し、 壺に収めていく

……元々小さかったのに…

もっと小さくなっちゃったね…

そう言った時、 ポツリとこぼした…

汗は冷えていた

軽くなった

あの子を抱えて歩く

(これは現実なのかな…)

(それとも夢なのかな…)

もう…わかんないよ…

……いたっ…

少し火傷した手が ヒリヒリと痛み出した

………現実だって言われてるみたい…

帰るぞ

……うん

車の中から見た夕焼け空

私の心と比べて色鮮やかだった

(……憎らしいほどに…ね)

ジリリリリリッ

………朝か…

明くる日の朝

私は眠たげに制服に袖を通した

目…腫れてる…

……コンシーラーで隠さなくちゃ

………

広がる快晴な空

窓の向こうで広がってた

ご馳走様

私はつぶやき、鞄を持つ

じゃ、行ってきます

行ってらっしゃい

気をつけろよ

はいはい

そう言い私はドアを開けた

お借りした曲 哀悼、そして日常は続く

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コメント

4

ユーザー

火葬されてそう愛華さん

ユーザー

あったかもしれなかった世界

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