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初恋だった。18歳にして

都内の高校に通う、普通の男子高校生。

頭が良い訳でも悪い訳でもない、普通の高校。

それでも校則は自由で有名だった。

そこら辺を見渡せば化粧をしてスカートの短い女子高生達。

でも俺の初恋の相手はそんな人達ではなかった。

らーだ , おはよ

おはよ , ぺいんと

ぺいんと。そう、彼が俺の初恋の相手

彼も普通の男子高校生。俺と同じ。

テストは赤点ギリギリ、運動神経はまぁまぁ。

でも彼は誰よりも優しかった。よく周りを見ていた。

どんな人にでも話しかけて、努力しようとする人だった。

そんなところに惹かれてしまったのだと思う。

あ〜寒 ... もう冬だね

俺カイロあるよ

ふっ , らっだぁの手の冷たさならカイロも凍るんじゃね?

やっぱり彼は周りをよく見ている。

俺がかなりの冷え性なことも、軽く言ったことがあるくらいなのに。

でもそれが嬉しかった。

そうやって悪戯っぽく笑う君が好きで仕方ない。

がらっという音を立てて扉を開ける。

教室は温かくて、冷えきった身体を芯から温めてくれる気がした。

らっだぁ !!

よ〜ぐちつぼ

ていうか昨日のさ _

隣を歩いていた彼はすぐにクラスメイトに馴染んでしまった。

俺はこの時間が大嫌い。

ずっと登下校の時間のままでいたいと思う。

それはきっと、俺が彼_らっだぁに恋心を抱いた日から。

彼は物事を完璧にこなせる人だった。

誰もが彼を頼って、彼は皆に笑顔を振りまく。

俺の気持ちも知らずに。

でも、それでいいのかもしれない。

“ 男が好き ” なんてさすがのらっだぁでも引くよな。

ぺーいんとさん ッ !!

おぉ , しにがみ

おはよ

ふっ , 朝から妬いてますか?

いや別に ...

でもあそこは中学一緒ですからね ...

ふーん , まぁ俺には関係ない話だよ

ぐちーつ。

彼だけはあまり好きになれなかった。

らっだぁとずっと一緒にいるから。

らっだぁと家が逆方向だから登下校は一緒に出来ないらしい。

それを聞いて俺は喜んだことがある。

だって同じ方向だったらきっと彼はぐちーつを選ぶ。

それでも彼の親友だから、極力苦手意識は無くしたい。

はぁ 〜 ...

ここ人いないらしいし ...

ぐちつぼの奴、まさかの彼女がいるとは ...

「 彼女と過ごすからこれから昼はぼっちな 」 とか言いやがって

しにーもいないし !!

ったくみんなして俺を _

... ぁ 、

... ぇ ?

先客がまさかの好きな人だった。

1人で階段に座っていて、メロンパンをかじろうとしていた。

らっだぁ ... ぐちーつは ?

アイツ彼女と過ごすらしい

らっだぁぼっちか 笑ヾ

お前もだろ 笑ヾ

仕方ないから一緒に食べてやるよ

俺も仕方ないからその誘い乗ってやるよ

少し嬉しかった。

いや ... めちゃくちゃ嬉しかった

ぐちつぼに後で自慢してやろ。

... てかなんで1人?

いや , 何となく

ちょっと考え事

ふーん .. 俺に言えばいいのに

別にそんなんじゃないよ 笑ヾ

マフラー何色にしようかなって

買うの?

そうそう

黄色かな

やっぱり?

黄色にしよ〜

これは?青いけど

そう言って俺がつけているマフラーをスマホで見せた。

俺のだと気づかずに買わないかな、なんて思って。

これらっだぁと同じやつ?

あー ... うん ,

まぁ , 嫌なら全然 _

え , じゃあ俺これにしよ

これ黄色もあるじゃん !!

あ , うん

じゃあ俺黄色買ったら交換しようよ !!

お互いの好きな色巻くの?

そうそう

どう?

んふ , いいね

決まり !! じゃあ買いまーす

お揃いの時点でかなり嬉しかった。

交換できるなんて思いもしなかった。

でも言って忘れる時もあるしな ...

それでも嬉しかった。

がらがら ヾ

らっだぁ !! おはよ

ん~ はよ ..

... え ,

ん?なに ,

ちょっとちょっと .... !!

なになになに .... ,?

お前付き合ったの ... ?

は?なわけないだろ

じゃあなんで .. マフラー ..... ,

ただ交換しようってなっただけ

は~?

早く付き合えよ

無理に決まってるだろ 笑ヾ

行けるって 笑ヾ

なんて , ぐちつぼに言われる。

そんなわけないのに ...

ら ッ らっだぁ ... !!

ん?

ッ その ... 移動教室 _

あー俺 , トイレいきたいわ

らっだぁ先に行っててくれ

は~ぐちつぼナイスすぎるだろ

ぐちつぼはかっこよさげにウィンクをして教室を出た。

あ ... 移動教室一緒に行く?

うん !!

にっこりと嬉しそうに笑う笑顔を見てまた俺は惹かれる。

この笑顔を俺が守りたい。

俺が幸せにしたい。

ぺいんと帰るよ~

はーい

らっだぁって好きな人いるのかな ...

聞いた事ないな ....

... ねぇ , あのさ

ん?

らっだぁって .. 恋した事ないの?

んふ , なにそれ 笑ヾ

そうやって目を細めて笑う彼をみて胸がいっぱいになる。

彼のふとした瞬間にいつも心臓の鼓動が速くなる。

ん~でも俺最近初恋経験したかな

... え ,

好きな人いるんだ ...

それも初恋?

18年生きてきて初恋って ...

よっぽど魅力的な人なんだろうな。

どんな人なの ..?

えぇ ...... ッ 、 ん~ ...

見た事のない少し照れた困惑した顔を浮かべた。

この期に及んでまた俺はドキドキしている。

まぁ .. 優しくて , 可愛くて , たまに馬鹿なこと言って ...

...定番ばっかじゃん 笑ヾ

でもほんとにその子にしか無いものがあって

ふーん ,

誰よりも思いやりあるし , 気配りも出来る子なんだよ

.... そっか , いい子だね

うん

ほんとにいい子

... そういえばね , その子がマフラーを ... って ,

ぺいんと?

「どうしたの?」

その言葉が聞こえた時、俺は泣いていることに気づいた。

冷えきった頬に少し温かい涙が通過する。

それを感じた瞬間、何かが零れるような気がした。

ッう゛ぅ ッ ...

ぐす ヾ

ぺいんと _

ッごめんなさい ッ ....

俺はどうしようもなくなりその場から逃げるように走った。

後ろを振り返られなかった。

振り返ったらきっともっと泣いてしまう。

らっだぁは本当はその子とマフラーお揃いにしたかったんだ、

なのに俺が勝手に同じの買って、交換して。

今首に巻いてある彼が付けていたマフラー。

そこからほんのりとする彼の匂い。

それが鼻に入るとまた泣いて、これが失恋だと思い知らされる。

そう。失恋したんだ。

好きな人に好きな人がいた。

勝手に泣いて、勝手に期待してごめんなさい。

勝手に両思いかもなんて思ってごめんなさい。

もう一緒に登下校するのも、仲良く話すのもやめよう。

もう彼のそばには居られないから。

ごめんなさい ッ ....

そう言って泣きながらその場から去る彼を見ているだけだった。

手を掴んで引き止めればよかった。

もっとちゃんと言えばよかった。

もっとちゃんと ....

すきって ....

「ごめんなさい」

彼の言葉が何度も再生される。

俺は彼の恋人にはなれなかった。

振られたんだ。

早とちりなんてしなければ良かった。

首に巻かれた黄色いマフラーを強く握って俺はそう思った。

もう時間は戻ってはくれない。

きっともう友達には戻れない、

俺の初恋は失恋という形で終わった。

 ︎︎

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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡1000 💬1

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