幸せを想って
#2
※nmmn 性同一性障害に触れます
START
どちら様ですか?
赤
.....赤です、
っ、今向かう
明らかに声色が暗くなった父の声
変わりきってしまった俺を見たくなかったのだろうか
でも...、大丈夫
きちんと赤を装ってきたから
それに、もう
後には引き下がれない
赤
っ、お久しぶりです、お父さん
父
....っ赤、久しぶりだな
昔よりも明らかに落ち着いている様子のお父さん
家の中も静かみたい
赤
お母さんの、調子はどうですか、?
父
....相変わらずだ
赤
そ...、ですか
父
荷物、重いだろう
父
中にあがりなさい
赤
あり、がとう、っ
リビングに入るとキッチンに立つお母さん
父
母さん、赤が帰ってきたぞ
お父さんの一言でお母さんは包丁を手からずり落とし、大きく目を見開いた
母
あか、赤なの、?!
赤
うん、赤だよ
母
ようやく帰ってきてくれたのね、ポロポロ
俺に抱きついたかと思えば、声をあげて泣いた
母
にしても、その服どうしたのかしら、
お母さんは俺を見るなり、顔色を悪くした
母
昔の可愛い赤はどこにいったの、ッ
赤
違うよ、お母さん、ッ!
赤
ただお友達にお勧めされたボーイッシュな服を着てみただけなんだ、笑
そう言うとお母さんはそっと心をなでおろし、以前の笑みを浮かべた
母
そうなのね、
母
でも赤にはズボンは似合わないわ
母
明日お母さんと一緒にスカートでも買いに行きましょう
お母さんは俺に向かって優しく微笑んだ
赤
っうん、!
俺にもお母さんにとってもこれが幸せなんだ
台所の上を見るとどれも俺の好物ばっかり
きちんとお母さんは母親の自覚を持っていたのかもしれない
そう、これは俺がお母さんの望んだ心で生まれてこなかったのがいけないだけ
だから、俺が女の子になればそれでいい
俺も、お母さんも、お父さんも、お兄ちゃんも、
そして君も、
これが理想の姿
俺の望み1つで変えちゃいけないこと
どんなに辛くても苦しくても大丈夫
君の幸せが俺の幸せだから
父
赤、客人だ ____
next ⤿ #3
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