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そのとき__。
『あのさ…』
低い声が、静かに割り込んだ。
全員の視線が、一斉にそっちへ向く。
ゆうくんだった。
さっきまでソファにいたはずなのに、 気づけば私のすぐ前に立っている。
ユウ
少しだけ不機嫌そうな声。
でもその位置は――
まるで、私を隠すみたいだった。
一瞬、部屋の空気が止まる。
かずとしが「あ、やべ」みたいな 顔をして口を閉じる。
悠希は少しだけ目を細めて、 ユウを見る。
数秒の沈黙。
そして――
小さく呟いた。
悠希
短く、それだけ。
でもちゃんと、 引いたのが分かる言い方だった。
張りつめていた空気が、少しだけ緩む。
ゆうくんは何も言わず、 そのまま私の方をちらっと見る。
ユウ
さっきとは違う、少し柔らかい声。
私は一瞬びっくりして、
〇〇
少し慌てながら頷いた。
それを見て、 ゆうくんは「そっか」と小さく笑う。
その空気を、 かずとしがパンッと手を叩いてぶち壊した。
かずとし
場の空気が一気に軽くなる。
かずとし
にやっと笑いながら、二人を見る。
かずとし
その一言で
また、新しい流れが動き出した__。
︎︎
︎︎
︎︎
︎︎
︎︎
1時間前
__カフェテリア
彼女と話しているときだった。
女
突然、女の子に声をかけられる。
そうし
振り向くと、 今にも泣きそうな顔をしていた。
女の子が泣いているということは 何かあったに違いない。
俺は放っておけなくて
そうし
〇〇
彼女を置いて、 女の子について行くことにした。
これが後に大変なことになる 前兆だったなんて__。
そうし
カフェテリアを離れ、 女の子と階段を下る。
女
女の子は鼻をすすりながら話す。
女
そうし
正直、俺も得意じゃない。
というか、普通に嫌いだ。
でも──
目の前の女の子は、本気で怖がってる。
今にも泣き出しそうなくらい。
そうし
彼女に「教室前にいるかもです」
と言われ俺は彼女を 置いて教室の方へと向かった。
教室前で虫らしきやつを見つける。
近くの教室に入り、 教卓の上にあった大きめの定規を手に取る。
そうし
内心びびりながら、廊下へ戻る。
そうし
辺りを見渡すと床に、小さな黒い虫がいた。
そうし
俺は思わず声に出てしまった。
一瞬立ち止まりかける。
でも__
俺がやらなかったら 他の人もあの子も通れなくなる。
それは何としてもでも避けたい。
そうし
覚悟を決めて、定規でそっと追い立てる。
壁際へ、少しずつ。
外の方へ――
数秒後。
なんとか虫を外へ追い出した。
そうし
ほっと息をつく。
俺は階段の方へと足を向けた。
階段を上がると踊り場に女の子がいた。
女の子はこちらに気づいたのか。
恐る恐る聞いてくる。
女
そうし
そう言うと、 女の子はぱっと表情を明るくした。
女
そうし
何度も頭を下げて、 上にそのまま小走りで去っていく。
苦笑しながら、 その背中を見送った。
︎︎
︎︎
__そのときは、ただそれだけの出来事だと思っていた。
でも。
その虫が、誰かによって “用意されたもの”だったなんて。
そして──。
この学校では、 あるグループの言うことを 聞かないと危ない。
そんな噂が、 女子たちの間で広がっていることも。
俺はまだ、何も知るよしもなかった。
︎︎
︎︎
ピコンっ__
突然、スマホが鳴った。
確認すると…
あの人からの【1件の連絡】だった。
悠希
そうし
俺は悠希にそう返事をし、 車で悠希の家へ向かったのだった__。
︎︎
︎︎
その時の俺は、まだ知らなかった。
この後、 思いもよらない出来事が待っていることを。
︎︎
︎︎
︎︎
続きは♡20〜