脱獄

薄暗い城壁に淘汰した

ガス臭いこの町に生まれて

僕らまだ草原の

色も知らない

もふくんはそう笑っていた

群衆の悲鳴

響く銃声

何を命と言うんだろう

白い息混じりもふ君はつぶやいた

あの頃僕ら夢を見ていたんだ

閉じた窓の向こうへ飛んでいく

夢を見るのも

遙か遠い昔の話

君が自慢げに見してくれた

馬鹿みたいな設計図

子供の空想

たった今目の前にあるのが

遠ざかるブザー

ﾊﾟﾝｯ

発砲の合図が飛ぶ

朽ちた天井を

あの頃僕ら夢を語っていた

さびたスロットル

骨が折れるくらいに

現実を突破しよう

飛行船にどぬが乗り込む

警告のサイン

不明な素因

止まらぬエラーランプに

顔色変えず

高度あげて君は

笑う

エンジンがヒートして機体がどうしたって

気にもしないほどに

トリップしてしまう

身ごとどっかに吹き飛んでしまったって

ドッカーンッ！

ﾎﾟﾄｯ（ゴーグルがおちる）