コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
注意事項はあらすじにて
NEXT本編
第4章 『本当ノ悪?』
⚁ Prince of evil side ~イレギュラー王宮「地下牢」にて~
目覚めた時、僕は1人…いや、嘘。兄2人もいた。 ここはどこだろう?…そう、ここは牢獄。 黒く塗りつぶされたような、真っ暗な牢獄。
僕は自分たちの置かれた状況を思い返していた。 『王子たち』は捕らえられ、 今は王宮地下の牢屋に入れられている。
この牢は、とても暗い。 何も見えない。 何も聞こえない。 闇は…嫌い。このまま、僕の体も精神も、 全てが呑み込まれてしまいそうな錯覚に陥るから。
服は捕えられた時の、王子の服のまま。 このまま『悪ノ王子』として、 裁きの日を待つことになるだろう。 覚悟は、できている……だけど
僕は、この暗闇の中で震えていた。
♠ MEIKO side ~イレギュラー王宮『音の間』にて~
私は今、イレギュラー王宮の音の間にいる。
先日の戦いの際に一度見た景観ではあるが、 こうして落ち着いて見渡してみると、 やはりその豪華さには圧倒されてしまう。
父は親衛隊長だったが、 兵士の家族が特別な事情もなく王宮へ 立ち入ることは禁じられていたので、 私はこれまで王宮の中を見たことはなかった。 革命がなければ、 きっと生涯この景色を見ることはなかっただろう。
時の流れは早いもので…私たち革命軍が 王宮を占拠してから五日がたっていた。 国内の混乱も少しずつではあるが、 落ち着きを見せている。
今日この場にいるのは、 革命の後処理と今後の対策を決めるべく、 主要メンバーによる会議が行われるからだ。
出席者は私、ヨーク、ミナージュ他、 何人かの革命軍代表。 セッカとテトは怪我がまだ癒えていないため、 今回は欠席ということになった。
ボルフェルトに帰国していたキール=フリージスもやって来ていた。今回の革命は彼の助力がなくては成功しなかっただろう。お伴の者と共に近づいてきた彼に、私は会釈した。
使い回しキャラ
Meiko.
使い回しキャラ
にこりと笑ってから、キールは円卓の、 ちょうど私の向かいに当たる席に座した。
しばらくすると、ボルフェルト国王の姿も見えた。 賽ノ国からの理不尽な侵攻が終わってほっと 一息…と言ったところだろうか。
しかし、この度の戦におけるボルフェルト国の損害は相当なものだという。立て直すのにこれから何年、いや何十年もの歳月を要することだろう。
大体の顔ぶれが集まったところで私は… 今回の会議を進めることになった… 1人の少女に声をかける。
Meiko.
上座に座っているのは、 私たちと共に戦った仮面の少女、 クローバー=ヘイトリッド。 そして…
Meiko.
今、素顔で私たちの前にいる彼女は、 _クリンプト国 第3王女、 ミク=クリンプト=ディヴァであった。
彼女が正体を明かした時、 私は薄々ではあるがわかっていたので別段、 驚きはしなかった。だが他の仲間たちにとっては青天の霹靂だったようで、 皆、泡を食った顔をしていた。
これまで乱暴な口をきいていたヨークは突然、 下手な敬語で応対するようになり、 セッカはベッドで治療中にも関わらず、 化粧を始めるような始末だった。
Miku.
前口上を述べるミク。自分だって 革命軍の中心メンバーだったくせに、よく言う。
Meiko.
私が少しからかうような口調で言うと、 彼女は少し気まずそうな顔をした
Miku.
Meiko.
Miku.
現状報告から、会議は始まった。 イレギュラーの主な大臣、 役人たちは全て逃げ出したり、 捕えられたり、あるいは殺されたりした。
使い回しキャラ
と、ボルフェルト国王が報告する。
使い回しキャラ
使い回しキャラ
ボルフェルト王はそう答えたが、 内心は複雑だろう。賽ノ国の兵によって 多くの民衆(特に若い女性)が虐殺されたのだ。 本来ならば捕虜全員を処刑したい気持ちだろうし、そうしなければ国民が納得しない可能性もある。
だが彼は元々、徹底した平和主義を通していた。 結局、彼はその信念を押し通すことにしたようだ
傭兵団はガスト=ヴェノムの死によって解散した。未だ街で暴れているゴロツキもいるようだが、 彼らもクリンプト兵によって鎮圧されるだろう。 このあたりからの抵抗はもはやないと考えていい。
Miku.
Meiko.
賽ノ国のカリスマであり最高戦力でもある三英雄、グミとマリアム。その存在の大きさ、 そして強さを、戦いの最中、私は直接体感した。 彼女たちが逃亡兵を集めて挙兵すれば、 厄介なことになるかもしれない。
使い回しキャラ
意外なことに、そう発言したのはキールだった
グミは現在、キールの所に匿われているらしい。 どうしてそういうことになったのかを キールは語らなかったが、彼女の態度を見る限り、反抗の可能性はないだろう、 というのがキールの意見だった。 まぁ、グミは元々賽ノ国を追放されている身だ。 今更関わってくるとは思えない。
Miku.
Meiko.
テトが、マリアムには逃げられた、と言っていた。
Miku.
Meiko.
Miku.
Meiko.
Miku.
Meiko.
Miku.
Meiko.
Miku.
Meiko.
Miku.
ならば、革命は私たちの勝利、というわけか… 諸手をあげて喜びたいところだったが、 そうもいかない。まだこの国を今後 どうすればいいのか、何も決まっていないのだ。
Miku.
ミクが話を切り出し… 先程の『条件』の内容が明らかになった
Miku.
使い回しキャラ
ミクの提案に、 ヨークが声を荒げて立ち上がった。 ミクが宥める声をかけても、 彼には届いていないようだ。 だが、彼の怒りも当然だ。 ミクの…彼女の提案はあまりにも突然すぎる …だが
Meiko.
彼女には生まれながらの 『統治者』としての考えが、そう思うしかない。
…もしも彼女が「最初からイレギュラーを乗っ取るつもりで味方したの♪」なんて言い出したら、 すぐにひっぱたいてやるつもりだが。
使い回しキャラ
Miku.
諭すような、静かな声で問う声。 考えるまでもない、答えは否だ。 それでもヨークは食い下がる。
使い回しキャラ
Miku.
Miku.
何も言い返せなくなったのか、 ヨークが腕を組んで黙り込んだ。 これを了承の合図ととったミクは、 ぐるりと部屋中を見渡し、 他に異論がないか訊ねた。
結局、ミクの案に従うこととなった。 代わりに、ヨークとミナージュが新政権の要職に就くことになった。私も誘われたが、辞退した。
ヨークは不満そうだったが、 私はイレギュラーが変わるならばそれでいい。 自分自身の出世のために戦ったわけじゃない
Miku.
ミクが残念そうな顔で私を見る。 今この会議に参加する者は、 名目上同等の立場ということになっている。 無理を言って周りの反感を買っても 仕方ないとわかっているのだろう。 それでも、と思ってくれるのは正直嬉しいが、 私は考えを改める気はない。
私は彼女の顔を見て、ふっと笑ってみせる
Miku.
Meiko.
Miku.
にっこりと笑うと、 彼女は頬を赤らめ目をそらした。 未来のクリンプト女王は、 中々からかいがいがある。
私はふと、行方がわからなくなっている 義弟のことを思い出した。 1番下以外の2人は愛想はなかったけれど、 彼らもいじりがいのある、 可愛い弟だった。
Miku.
Meiko.
医者の話だと、私の目は特に後遺症もなく、 幸いにも治るそうだ。 今でももうほとんど視界に影響はない。
Miku.
Meiko.
それを聞いたミクの表情が、 なぜか曇っているような気がした。
Miku.
Meiko.
Miku.
Meiko.
この革命の意義を考えれば王子達をどうするかなんて分かりきったことだ
Miku.
Miku.