幸せのありか(旧:俺の正体)

俺は俺が嫌い

毎日

毎日

親は俺を罵倒する

なぜなのかは俺には分からない

「なんで怒るの？」

「俺悪いことしたかな？」

「何が悪かったの？」

教えてほしいのに教えてくれない

俺なりの答えを出して頑張ってもダメだった

親は言ったことをしっかりやっても怒る

前言ってたことと、今日言った事は全く違う

それはいつものこと…

そういつもこと

いつもの…こと…

ある時俺の中にある何かが”ぷつん“と切れてしまった

俺の事も他人の事もどうでも良くなってしまった

何にも興味が湧かない

でも、苦しみも悲しみも悩みも何もない

俺は言われた事を言われた通りにお手本通りにできる様になった

親は喜んだ

全てを言われた通りにしてくれる

「理想の子」だと

そう、俺は「理想の子」に慣れたのだ

友達は「可哀想」と言う

親戚は「気の毒だ」と言う

知らない誰かは「哀れ」だと言う

ねぇ？何が可哀想なの？

何が気の毒なの？

どこが哀れなの？

ねぇ！

ねぇ！

ねぇ！

ねぇ！

誰も助けなかったくせに…

こうなる前の俺じゃ誰も愛してくれないんでしょ？

なら、こっちの方がいい

誰からの愛も貰えないくらいなら

変わったアイでも俺は受け取る

プルル

プルル

友達？そんな人いない

俺には家族だけ…

家族が最優先

だって、俺の事は家族しか愛してくれないから

プルル

プツッ

ツーツーツー

そんな俺が唯一、親に嘘をついている事

これだけはバレたくなかった

なぜか、バレたら俺が俺じゃなくなってしまう気がするから