『 朝露 』

N×L nmmn 本人様関係ない

少し早起きをしたから少しランニング

誰も居ないに等しいほどの人の少なさに驚いてしまう

腕時計には 5:30 と表記されていた

あまり通らない道だったためあまり見ない物が多かった

見かけたことの無い木とその名前

木の下には座れる場所まであり

とても居心地が良さそうだった

そしてそのベンチには子供が座ってた

こんな朝早くに？と気になって

普段勇気のゆの字もない俺は声をかけた

咄嗟に出た言葉

純粋な瞳で世間で汚れた俺を見る

とてもそうは見えない

今日はマフラーだけじゃ寒い気温

そのはずなのに子供は意地を張る

俺と似てるな。何故かそう思ってしまったからもっとその子供に興味をもった

正直考えていることが分からなかった

その子の視線の先を見ると朝露があった

綺麗かどうか問われるととてもじゃないけど綺麗だった

小3のように見えるけど小3って朝露知ってるのかな

なんて思ったけど質問してみた

その純粋さが可愛くて笑ってしまう

馬鹿にされたと思ったのか少し頬を膨らまして俺をじっと見た

愛想を振りまくように微笑む

慣れたほどではないがかなり言われた言葉なので照れることはない

日本語が可愛い

癒されるような言葉で溶けそう

可愛すぎて母性が湧いてくる

大人っぽく見られたかったのかな

身長も低いから小3かと思っていた

りうらの顔が嬉しそうに見えた

よかった

- 翌日 -

りうらは苦しそうに咳をした

最近風邪が流行ったりしているからそんなものなのかもしれない

水筒と薬を持っておねだりをされた

親に飲ませてもらえばいいんじゃ？と思ったけどりうらからお願いされたものだから素直に受け取る

こぼれないようにりうらの口に水を注いだ

子供に愚痴っぽいの言っちゃって最低だな

そう言うとりうらの目に涙が溜まっているように見えた

それほど苦しいのかな

次の日も

その次の日も毎日ここに来た

毎日来たものだからりうらに会って明日で1週間経つ

毎日薬を飲ませた

毎日話した

もう慣れたため俺の支えの言葉はいらなくなった

会って1週間しか経ってないけどりうらは成長したと思う

咳治るといいね

部屋にお姉さん？

親戚かなにかなんだろうか

説明があまり理解できなかった

親が心配しちゃうからかな

いい子だな

いい大人になるのかな

俺みたいにならないでね

朝早くから仕事があって昨日は行けなかった

1日会えなかったけど今日は会える

そう確信があった

でもりうらは居なかった

いつものベンチに座っていなかった

少し心配していると急いで走っている綺麗な女性がいた

誰のことだろうと一瞬戸惑ったが俺しかいない

...看護師？

なんのことかよく分からなかった

理解力が消滅していた

焦ってしまい質問攻めする

りうらの担当をしていた看護師さんから聞いた

りうらは昨日の昼頃に亡くなったとのこと

咳もただの咳じゃなく病気の原因だったらしい

自然と涙が出て

看護師さんに迷惑をかけた

なんで昨日行かなかったんだろう

なんで毎日会えると思ってしまったんだろう

咄嗟に出た言葉

俺はふと朝露を見た

綺麗かどうか問われるととてもじゃないけど綺麗だった