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水瀬 睦月(ヒロ)
水瀬 睦月(みなせ むつき)
大学2年生
今年の夏前に二十歳を迎えた
やっとお酒が解禁されたお祝いに
ずっと行きたかったゲイバーへと足を踏み入れ
綺麗なお兄さんことミヤビさんに出会った
のは良いんだけど
水瀬 睦月(ヒロ)
講師の話なんて全く頭に入ってこず
あまり目立たない様に項垂れる
"あんな事"の説明はとても簡単だ
ミヤビさんと出会ったのは昨日の夜
簡単な会話をしながらミヤビさんとお酒を飲んでいたはずの僕は
翌日である今日の朝
知らないホテルのベッドの中で目が覚めた
しかもほぼ全裸で
二日酔いでガンガンと痛む頭を押さえながら状況を整理していると
奥からミヤビさんが綺麗な髪をタオルドライしながら歩いてきた
「目が覚めたんだね」
と微笑むミヤビさんがホテルに居る事も不思議だったが
「ちゃんと昨日の事は覚えてる?」
「俺たち、これから恋人同士なんだから」
「よろしくね、ヒロ」
ってミヤビさんの言葉に
僕の頭は一時思考することを止めたのだった
水瀬 睦月(ヒロ)
水瀬 睦月(ヒロ)
ミヤビさん曰く
酔っ払った僕がミヤビさんにお付き合いを懇願したらしく
ミヤビさんはそれをあっさりOKしたとの事
確かに今まで出会った中でとびきり綺麗なお兄さんだし
ミヤビさんとワンナイト...なんて事も考えていたと思う
だけど有り得ない
だって僕は
好きってアピールは出来るのに何故か告白は出来ないんだから!
水瀬 睦月(ヒロ)
水瀬 睦月(ヒロ)
僕は昔から何故か告白が出来ない
人並みに好きな人はできたし
好きになってもらえるようにアピールとか駆け引きとかもした事ある
だけど最後の最後に思いを伝える事が出来なくなってしまうのだ
自分にはまともな恋愛は出来ないんだ
と少しトラウマになりかけていた程には悩みの種だった
水瀬 睦月(ヒロ)
記憶が凄く曖昧だし
僕はお酒を飲むととんでもない絡み酒なのかもしれない
でもやっぱり
そんな事よりもミヤビさんがOKした理由が気になって仕方ない
見た目は平凡
特に取り柄もない
楽しいお話ができる訳でもないし
童貞処女だ
ホテルで目が覚めた時に体の違和感は全く無かったし
体の関係は何も無かったと思う
ミヤビさん程の綺麗な人が
何で僕なんかとお付き合いをするのだろう?
考えれば考える程分からない
ミヤビさんみたいに綺麗な人と付き合えるのはもちろん嬉しい
だけど出会って1晩だし
酒飲んで寝て起きたら恋人が出来てたなんて
こんなに実感も感動も無いお付き合いなんて全く望んでいない
水瀬 睦月(ヒロ)
本当は今朝に話をしたかったけど
講義の時間が迫っていてバタバタと解散してしまった
そうしてモヤモヤする心と
ガンガンと痛む頭を持って
僕はなんとか大学へ辿り着いたんだ