ノイズの向こうで＿

冬羽は震えながらも、スマホを掴んだ

そして、着信拒否のボタンを押した

流石に怖かったのだろう

無意識に押していた

安堵の吐息を漏らしたその時

また、スマホが鳴った__

今度は非通知で

もちろん、何度も着信拒否を押した

4回目で諦めて

電話に出てしまった

電話相手は静かだった

だけど、僅かに吐息が聞こえる

相手がいるのは間違いないらしい……

あれから30分経過した

相手は何も喋らない……

吐息が聞こえるから、いるのは分かる……

いたずら電話かとも思った

でも、どうやら大人の男のような……?

流石に1時間無言は厳しい

痺れを切らして

言ってしまった

相手は無言だし、いいよね……?

ﾌﾟﾂﾝ､と通話が切れた音がした

名前を知っている……?

でも、あんな声…………

聞いた事……

あれ…………?

勢いよくスマホに触れた

写真フォルダーに画像があるのではないか、と

思ったからだ。

でも

その時___

普段なら

ここが現実なら

圏外なんて、ありえない……

冬羽はゾッとしながらも

気持ちを無理やり鎮めようと

外へ出た

……家を出ようとしたその時

とあることに気づいてしまった

玄関の靴箱が空いている

窓を閉めたはずなのにひとつ空いている

玄関の鍵は閉められている

玄関のチェーンロックつけたはずなのに

外れている

おかしい

早く外に出たい気持ちが余計に沸いた

大丈夫、まだ朝だ

公園でもコンビニでもなんでもいい

とにかく、人がいるとこに行きたい

色んなコンビニ

カフェ、公園

人がいるところにとにかく行って

すぐに帰るを繰り返していたら

いつの間にか夜になっていた

このまま家に帰るなんて、絶対に嫌だ

自分の体なのに

泣きそうだなんて、1ミリも気が付かなかった

何故かその人にあったことを

気づいたら全て話していた

なんだろう

初めて会うはずなのに

安心感があった

この人ははっきり言って怪しい

でも、このまま家に行くのも気が引ける

なら行ってもいいかもしれない

言われた通り、ゆっくり着いていく

暗いのに黒い服着てるから

よく見ないとはぐれそうだな

ずっと歩き回ってて疲れたし

風呂にもまともに入れなかった……

少しくらいなら……

疲れたあとの風呂はしみるものがある

疲れがかなり取れるし

癒される感じがたまらない

…なんだかいい匂いがする

あの人、バスボムまで入れてくれたのだろうか

そろそろのぼせそうだし出よう

ここで重大なミスに気づいてしまった

そう、着替えがないのだ

ここに来るまでに着ていた服は洗濯機だし

泊まる予定なんて元はなかったから……

そんな時、ドア越しで声が聞こえた

なんだか簡単にいいすぎてびっくりした

まあ、部屋に来たやつが裸なのはあっちが嫌か……

小さくお礼を言って風呂場を出た

……気づいてはいたが

やっぱり身長差で服がダボダボだ……

あの人、何センチだ……？

NEW設定

冬羽➡167cm

……180センチくらいか？

白いTシャツを貸してもらったが

Tシャツなのに肘まで隠れるし

裾も太もも辺りまで行った

この人には頭が上がらないな

さっきからずっとペコペコしてる気がする

2人は無言で向かい合いながら食事をした

…料理、作り慣れてるようには見えるが

キッチンは綺麗……

普段はあまりしないのだろうか……

見ず知らずの人にベットを譲るって……

そういうこと、するとか……?

そんなこと考えてると

どうしても躊躇した

察してくれたのだろう

その言葉に安心感を覚えてベットへ座った

でも……

罪悪感で寝れそうになかった

結局譲らせてしまった……

ご厚意に甘えた方がいいよな

冬羽はそう思いながら無理やり眠りについた

2000文字がんばりました

約190タップお疲れ様です

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