地雷さん 🔙 start
早朝
身支度を 整え 、 まだ 音一つ 聞こえない 屋敷の 玄関へと、 身を進める。
黄
普通ならば、たくさんの思い出が あるだろう。 それも、とても 幸せな 思い出が。
だが、俺には そんな 思い出など 一切、…
黄
全身善意の思いを込め、 蒲公英の青年は 遊摺部家へと お辞儀をする。
そして、さようなら と、一人呟いた。
朝 早いというのに、駅内は 人が多い。 初めての 列車 で 少し躊躇ったものの、 何とか 乗ることが出来た。
黄
独り、疑問を零し、 蒲公英の青年は 目を閉じた。
俺の 人生は 決して、 幸せとは言えなかった。
幼い頃に 母を亡くし、父は俺を憎んだ。 母は、病弱だった。 それも 俺を産んでから。
父は 再婚し、子供を儲けた。 その子供が あの綺桜 である。
幼い頃から 異能を 発現 させ、 父と義母から 期待されていた。
義母
当主
いつも 笑顔を 向けられていた 弟が、 とても 羨まし かった。
だって俺には … 一度も 向けて貰えなかったから。 ましてや、… あんなこと … 。
黄
黄
黄
駅から 歩いてきて もう 20分。 こんな山奥に、翡翠家 当主が 住んでいるのだろうか。
黄
普通の 屋敷よりかは 小さく、 思っていた以上に 控えめだ。 だが、ここが 偉大な 翡翠家の お屋敷であるのは 変わらない。
※ 朝です。
黄
しんと 静まり返った 玄関に 声をかける。 すると、
はい は ~ い、 と 女性の声が 聞こえ、扉が 開いた。
と、優しく 微笑む。
黄
黄
黄
黄
時雨
時雨
と、軽く 自己紹介 をしてくれた。 見た目は 中年の女性で、とても優しそうな人だ。
蒲公英の青年より 一回り大きい その背中に、 声をかける。
黄
黄
黄
数秒、沈黙が 続く。 すると、その大きな 背中から 溜息が 聞こえた。
緑
蒲公英の青年が 顔をあげると、 そこには、…
向日葵色の 萌木色の グラデーションの 髪が なびいた、 翡翠色の 瞳を持つ、 翡翠の青年 が居た。
緑
翡翠 龍紀 ( ひすい りゅうき ) 翡翠家 当主 22歳 良くない噂が絶えず、冷酷無慈悲 (れいこくむじひ) だと 有名。 ※ 本編表記 → 翡翠の青年
時雨
時雨(しぐれ) 龍紀 の乳母 (うば ) 翡翠家 使用人。
※ 難しい漢字 読み方 龍起 (りゅうき) 向日葵 (ひまわり) 全身善意 (ぜんしんぜんい) 躊躇った (ためらった)
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コメント
8件
好きすぎるぅっ...!!✨️ 私の幸せな結婚に似てる気がする...?💭 でもまりちらしさでてて最高っ、!👍🏻
これ本当に続きが楽しみすぎる