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◆『五極の盟友』 ――序章 五人が出会う時、世界は震える――
世界の果て――無数の空が重なり合う亜空間《コア・ライン》。 そこは、時間も、昼夜も、重力すらも意味を持たない、世界と世界の境界領域だった。 白い霧がうごめく中心に、ひとり、青年が立っていた。 黒いパーカーに寝癖の残る白髪。 名を―― 白夢(はくむ)。 世界唯一のスキル【想像】を持つ男であり、 この場所に“呼ばれた”最初の人物だった。
白夢
世界規模の召集を受けて初めて来た亜空間。 だが本人の第一声は、安定のめんどくささ全開だった。 白夢があくびをした、その瞬間――。 空気が切り裂かれた。 黄金に光る鎧をまとい、巨大な槍を軽々と担ぐ男が歩いてくる。 その眼光は鋭く、しかしどこか眠げでもある。 名は 邂纎(カイセン)。 未来三百光年から送られた人口兵器、世界最凶の黄金騎士。
邂纎
白夢
二人のゆるい会話が流れた瞬間―― 地面が揺れ、風の色が七色に変わった。 霧の奥から、ふわりと和服の袖が揺れる。 大精霊を従えるビーストマスター。 名を雨宮夕(あまみや ゆう)。 四千年前から存在する世界最古の精霊使いであり、 白夢の元・同僚でもある。
雨宮 夕
白夢
雨宮 夕
邂纎
夕はにっこり微笑みながら言い放った。 その足元では光と闇の精霊がふよふよと踊っている。
そして――霧が静かに消える。 そこに立っていたのは、 “見る者によって姿が異なる”不可解な影。 性別すら固定されず、存在の輪郭が重なり合い、揺れ続けている。
寂然の無相 エイン=ナレフ
エイン=ナレフ
白夢
邂纎
雨宮 夕
四人は同時に距離を取った。 エインは一応味方だが、存在そのものが反則すぎて怖い。 (少しメタイですが作者もビックリしてます)
そして最後に、あたり一面に優しい光が満ちる。 風が柔らかく流れ、五人を包む。
アリシア=フォルティス ――世界最高位の支援能力者。 味方能力の“上限突破”を可能とする唯一の光の大魔導士。
アリシア=フォルティス
その声を聞いた瞬間、 白夢、邂纎、雨宮、エインの周囲に淡い魔法陣が展開される。
雨宮 夕
白夢
エイン=ナレフ
邂纎
白夢
アリシアの微笑みが深くなる。
アリシア=フォルティス
すると――。 空間が、重く沈んだ。 黒い“何か”が、遥か上空で渦を巻く。 まるで、彼らの誕生を見下ろすように。 白夢は肩を回し、ため息をつく。
白夢
アリシア=フォルティス
夕が精霊を呼び出し、邂纎が目を覚まして槍を構え、 エインは静かに存在をゆがめる。 白夢は指を鳴らす。
白夢
その瞬間―― 世界はわずかに震えた。 これは後に語られる物語、 五極の盟友《ファイブ・ネクサス》が出会った日の物語である。