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桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
あの日、貴方はうちに「初めまして」と言った。
うちは何にも言わんかった。
ある日、貴方はうちに「好き」だと言った。
うちは貴方に「嫌い」と言った。
ある日、うちは貴方に「好き」と言った。
その時、貴方は隣に居なかった__。
初兎
イフ
イフ
初兎
イフ
初兎
初兎
イフ
初兎
イフ
初兎
初兎
初兎
イフ
イフ
初兎
初兎
イフ
初兎
うちは噓吐きや。 大馬鹿者や。
ホンマは貴方の事が大好き。
やのに、うちは...貴方に、嫌いと噓を吐いた。
どうして反対の言葉を言ってまうん、?
うちは、貴方に愛の詩を贈りたかったんに…、
初兎
初兎
初兎
何度も見るこの夢。
忘れたくても忘れられない苦い思い出。
この夢は、高一の時に付き合っていた彼氏と、
電話越しで別れ話をした時のものだ。
うちは有栖 初兎。
女の子にしては少し低めな声
ふわふわとしたボブの白い髪の毛
…豊満なこの胸
このスタイルの所為で、
うちはあまり男というものが信じられず、
今まで、「好きな人」なんて
出来た例がなかった。
少女漫画のような
気付いたら目が合うような
初兎
そんなうちの、平凡な高校生活に
別れのチャイムを鳴らしたのは
当時のクラスメイト、猫宮 イフ。
クラスの大半の女子が、
「イケメン」だの「かっこいい」だの
キャーキャーと黄色い声をあげている
学校一のモテ男だった。
初兎
元々男嫌いやったし
当然振った。
すると、彼奴はそれから
毎日毎日うちに愛を告げてきた。
イフ
イフ
イフ
イフ
最初は「有栖」と苗字呼びだったはずが、
1週間もすれば「初兎」呼びになっていた。
初兎
そんなことを1ヵ月ほど続けた後、
うちが等々根負けして付き合うことになった。
イフ
イフ
初兎
イフ
初兎
初兎
イフ
サファイアみたいに輝く瞳から、
一筋二筋と涙を零し乍ら笑う
貴方の姿は、何処か儚くて、美しくて、
綺麗で…、
愛おしかった。
初兎
2年と少し付き合って、
大学に進学する少し前に別れた。
自分から別れを告げた。
一緒に居れば居る程
貴方を好きになった。
真面目で、一生懸命で
頭が良くて、無理をしがちで、
そんな貴方を、
好きになればなる程、苦しかった。
うちなんかより、もっと綺麗な人と
もっと素敵な人と、もっと優しい人と、
初兎
そう思って別れたのに。
最初は貴方のことが嫌いだったのに、
今でも夢に出て来る程 貴方が好き。
うちは、未だに貴方への未練を捨てきれていない。
初兎
初兎
貴方が好きだと言ったから、
頑張って伸ばした髪を、
頭の高い位置で結ぶ。
貴方がうちに似合うと買ってくれた、
ピアスを耳で揺らす。
貴方が好きだと言った香水を
今日も手首につける。
初兎
初兎
貴方はきっと、一流大学を卒業して、
エリート企業にでも就職してるんやろうなぁ…、
初兎
ガタン…ゴトン…
一定のテンポで揺れながら
走る電車のリズムに体を預ける。
次はー○○、○○。
初兎
そんなアナウンスを聞きながら、
各駅停車でしか止まらない
貴方の最寄駅を通過する。
悠佑
初兎
彼氏の声でふと、我に返る。
速いテンポで揺れる電車に、
思わず転びそうになる。
初兎
悠佑
悠佑
初兎
…貴方と乗ったいつもの電車は
もっとゆっくりだったんだけどなぁ…
悠佑
初兎
悠佑
悠佑
悠佑
初兎
耳で揺れる藤色のピアス。
まさか元彼から貰った、
なんて、口が裂けても言えないなぁ…、w
悠佑
初兎
君が、「 お揃いにしよう 」と見せてきたキーホルダー。
それはあの人とお揃いにしたキーホルダー。
初兎
初兎
初兎
悠佑
悠佑
…、嘘。
ここ、さいころ水族園は、
あの人と初めてのデートで来た場所だ。
2人ではしゃいだ館内。
「 お揃いにしよう 」なんて、
言って笑ったお土産コーナー。
そんな記憶も全部、
君で上書きしようとしている。
悠佑
初兎
初兎
悠佑
初兎
ほとけ
イフ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
イフ
イフ
ほとけ
ほとけ
ごめんな。
俺は君に嘘を吐いている。
さいころ水族園に行かない理由。
それは最愛のあの人と
初めてのデートで行った場所だから。
だから、行かない。
いや、行けない。
あの人との思い出を、上書きしたくないんだ。
ほとけ
そう言って君が手を取ったのは、
あの人にプレゼントしたピアスそっくり。
イフ
ほとけ
イフ
ほとけ
イフ
もう、新しい彼女を見つけたと言うのに、
俺はまだ貴女のことを思っている。
イフ
店員
イフ
そう言って取り出した財布には
貴女とお揃いで買ったキーホルダーが揺れている。
まだ貴女のことが好きなんだ。
忘れられないんだ。
イフ
初兎
イフ
初兎
イフ
初兎
イフ
初兎
イフ
イフ
イフ
初兎
イフ
悠佑
初兎
悠佑
悠佑
初兎
明日、うちと悠くんは籍を入れる。
あぁやっぱり、貴方は1人目の運命の人やったんやね。
初兎
初兎
ほとけ
イフ
イフ
ほとけ
貴女にあれ程 渡したかった指輪は
貴女じゃない人の手に渡った。
やっぱり俺らはきっと、
互いに1人目の運命の人やったんやね。
イフ
初兎
なんて誓ったんに、
今は貴方じゃない人と手を繋いで
デートなんかしちゃって。
イフ
なんて誓ったのに、
貴女じゃない人と唇を重ねている。
初兎
イフ
” 1人目の運命の人だったんだね。 “
初兎
イフ
初兎
なのに…、なんでやろ。
初兎
初兎
イフ
イフ
”ねぇ、1人目の運命の人、 どうしてだか分かりますか?“
2人目の運命の人には、言えない。
言わない、大好きやった人との思い出。
今日も、貴女にだけ愛の詩を贈る。
今日もそっと貴方のことを思い出す。
初兎
イフ
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音
桜木 蘭音