テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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人気者になる方法

第1話 - 人気者になる方法

2024年09月16日

#第3回テノコン読切

#オリジナルストーリー

#オリジナル

#読み切り

𝑅𝑒𝑖❄️🫧🌨

優

やっほー、皆見えてる？

『見えてるー！』『LIVE楽しみーー！』『今日も優君かっこいい♡』

優

ははwありがと！

優

じゃあ早速LIVEやってこっかぁ

優

まずは質問コーナーいきまーす！

『恒例の質問コーナー来たー！』『好きな食べ物教えて！』『好きなタイプの女性は！？』『普段どんな服着てるんですか？』

優

多いな！まぁ、ゆっくり答えていきましょ〜

優

よしじゃあ次の質問、

『優くんみたいに人気者になる方法はありますか？』

優

人気者者になる方法？

優

……

優

人気者にならないほうがいいよ

『えー？なんでー？』『優君人気者じゃーん！』『人気者って得しかなくなーい？』

優

ははは…

優

（人気者の事なんか知らねー奴が勝手に語ってんじゃねーよ、笑）

優

おはよー！

クラスメイト

はよー！優！

クラスメイト

優君おはよー！

優

おっはよ！あ、　　ちゃんもおはよー！

クラスメイト

ぁ、お、おはよう！

クラスメイト

うぇー、あいつ陰キャなのに挨拶してんのぉ？

クラスメイト

優君やっさしぃ〜

優

そんなこと言うなよ、可哀想だろ？

クラスメイト

…まぁ、そうだよな、ごめんな、

クラスメイト

私もごめんね、

クラスメイト

う、ううん、いいよ、！

優

これで仲直りな！

クラスメイト

てかさ、課題やった！？

優

…忘れたんだろ？

クラスメイト

当たりです、

優

しゃーない、見せてあげるか

クラスメイト

あ、俺も見してー！

クラスメイト

ごめん、私も見せてー！

優

はいはい笑

授業中

先生

はいじゃあテスト返してくぞー

先生

次優！流石だな！

優

ありがとうございます！

クラスメイト

うわ、凄！満点じゃん！

クラスメイト

マジ！？流石〜！！

クラスメイト

え、俺ここ分かんなかったんだけどさ優分かる？

優

あ、そこはむずかった！

優

ここは　　の方程式使って、これを割ると出てきた

クラスメイト

マッッジじゃん！あざっす優様！

優

様なんて付けなくてもいいのに

クラスメイト

ぁ、えっと、

優

ん？　　ちゃんも分からないとこある？

クラスメイト

う、うん！ここなんだけど、

優

これはね〜　　を　　して…

クラスメイト

あ、そっか、ありがとう、！

優

いいえいいえ〜

クラスメイト

うわ、たらしだたらし

クラスメイト

ほんとに優君はたらしだよねぇ

優

たらしではありません

クラスメイト

やべ、優が敬語になったぞ〜！笑

クラスメイト

逃げろ逃げろ〜

優

待てぇぇー！笑

優

あ、　　君スポドリってあるー？

後輩

あっ！すいません、忘れてました…

チームメイト

ちょ、お前ふざけてんの？

後輩

す、すみませｯ

優

そんな怒らないであげて、俺速攻作ってくるわ！

後輩

で、でも、

優

いいって、俺たちのボールの片付けしてくれてたんでしょ？

優

ありがとな！

後輩

は、はい！

チームメイト

優やさしすぎな！？

チームメイト

俺女子だったらマジで狙ってるわ！

チームメイト

顔イケメンだしな〜

優

いいよいいよそんな

優

ただいま〜

母

あ、おかえり〜！

母

テストどうだった？

優

満点だったよ

母

さっすが優ね〜！先生も褒めてたわよ！

優

先生から！？電話とかあったの？

母

ええ！これなら東大は絶対受かるって言ってわ！

優

そっか、！嬉しいなぁ！

母

あ、夕飯出来てるから手洗ってきなさい！

優

うん！

優

はぁー…つかれたー…

優

やっぱ1人は好きだな〜……

優

（学校で言ってる言葉は本当の事もあれば嘘のことも混じり混じり）

優

（でも、笑顔は嘘だし本当はクラスの端っこで本とか読んでたい）

優

ま、そんな精神ありませんけど

優

（俺の"人気者"の枠はただの俺を守るためのものに過ぎないし）

優

（人気者なら虐められないし1人にもならない）

優

（ただ俺を守る唯一の方法）

優

そう考えると悲しくなるよなぁ…泣

優

（怖い、この涙が嘘だと思ってしまう事が凄く怖い）

優

どうしてこんなになったんだろ、笑

陰キャが一軍に虐められる話

少女漫画に良くあるベターな漫画

ほとんどの漫画は人気者がいて

人気者は虐められる事が少ない

その人気者は優しくて明るくて元気でポジティブでかっこよくて、可愛くて……

そんなのただの妄想でしかないのに

優

（人気者に憧れてたのかな）

優

（違う、人気者にならなきゃ不幸になるって思ってたんだ）

優

なんだろ、忘れちゃったな

優

（そういえば本当自分ってなんだっけ）

優

明るかった？暗かった？優しかった？無愛想だった？よく笑う？よく怒る？

優

（なんだろ、なんだった？）

優

あれ、自分って……

死んじゃった？

優

誰のせい？自分のせい？

違う

｢優って優しいよな｣

優

そんな事ないよ笑

｢優っていつも笑顔で明るいよな！｣

優

いやいや、そんな事

｢優って完璧だよな〜！！！｣

優

あは…

優しい子

優

（違う）

いつも笑顔な陽キャ

優

（…違う）

存在が人気者

優

うん

優

（それしか選択肢がないから）

優

まあ、もういっか

優

（なんだろ、起きれない）

優

（起きたくない）

優

（なんかだるい…頭痛い）

優

あれ……？

母

優ー？学校行かないのー？

優

少し…頭痛くて、

母

頭痛薬飲んだら行けるでしょ〜！

母

ほら、準備しなさい！

優

（行きなくない、行きなくない）

優

…無理

母

いや、無理じゃなくて

優

頭痛い…それにだるいんだよ

母

熱は？

優

……ない

母

じゃあ行けるっt

優

行きたくないんだよ！

母

ﾋﾞｸｯ

優

……ぁ

こんな事言うつもりじゃなかったのに

なんか全部面倒臭い

もういいや

優

出てけよ…出てけよ！

母

は…

優

このクソババアｯ！何も分かってない奴がｯ俺に口出すんじゃねぇｯ！

優

死ね…死ねよ……全員死ね

優

俺の事なんか知らないくせに

優

俺の事なんかどうでもいい癖にｯ！

優

もう訳わかんねぇよ……

優

消えろよ、俺の前から

優

もう……消えろ………

それから学校は行かず

部屋にひきこもった

母

…優、？先生が家来てるんだけど、話を1回しないかって…

優

…行かねぇ

母

ほ、ほら学校に溜まってる資料とか沢山あるし

母

今後の学校の行事とか、優については何も喋らないからって

優

ちｯ……わかったよ、

母

じゃ、じゃあリビングで待ってるわね、！

優

……

本当は喋りたくない

｢分かった｣を言わざるえなかったから

でも、恐かった

優

（なんで口角あがってんだろ）

自分の気持ちとは真逆

勝手に口角が片方上がった時

優

（やっぱ変われないんだ）

優

（これは…自分と皆が縛り付けた呪いか）

まさしく呪いだった

優

（そんな事もあったな）

優

（今は人気配信者として活動してるけど）

優

（やっぱもう戻れないんだよなぁー）

優

（この呪いは俺を支配してる）

優

（怖い怖い）

｢結局人気者になる方法って何ー？｣｢めっちゃ知りたいですーー｣

優

…じゃあ代わりに何か捧げないと行けないとしても？

｢うーん、命以外なら！｣｢何か捧げないといけないの！？｣

優

まあ、俺の意見だから全然えー、って思ったら無視していいんだけど

優

あ、あとそれで炎上すんなよ？笑

｢しないよ〜｣｢大丈夫だって！｣

優

人気者になるためには〜

優

皆が思う人気者の理想像をそのまま自分にコピーする

優

それをずっと続けてく

優

代わりに代償として自分の心を捧げる

優

これが

人気者になる方法

この作品はいかがでしたか？

1件

これは秀作！主人公の感情をせき止める理性が決壊する瞬間を、綺麗に紡ぎだした展開が見事でした👏

𝑅𝑒𝑖❄️🫧🌨

プロフィール

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