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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ー食堂ー

ロビー

よし、今日の試合は昼までで終わりだから

ロビー

何して遊ぼうかな〜♪(椅子に座って考えており)

ロビー

う〜ん、昨日は中庭でブランコに乗ったから

ロビー

次は巡視者と追いかけっこでもしようかな?

リッパー

おや、ロビー君。何やらご機嫌ですね。(近くの椅子に座っており)

ロビー

えへへ、そうかな?

ロビー

あっ、そうだ!リッパーは昼から試合はないの?

リッパー

そうですね、しばらくはありませんよ。

リッパー

夜の時間帯に2試合ほど、ですかね。

ロビー

じゃあ僕と一緒に遊ぼうよ!

リッパー

えぇ、次の試合まででしたら大丈夫ですよ。(微笑み)

ロビー

ほんと?やった〜!!

ロビー

今日はね、巡視者と追いかけっこするんだ!

リッパー

えっと、私達が巡視者を追うのですか?

ロビー

ううん、僕達が逃げる方だよ!

リッパー

わ、私達が逃げる側なんですね…。

リッパー

と言うか、それだとすぐ捕まりませんか?

リッパー

巡視者の速さは私達より速いのですよ?

ロビー

あっ!そうだったね…。

ロビー

じゃあ巡視者探しでもしようよ!

ロビー

最近ね、巡視者が一匹見つからないって

ロビー

バルクおじいちゃんが言ってた!

リッパー

巡視者を野放しですか…、少し危険ですね。

リッパー

凶暴化したら困りますし、私も探しますよ。

アルヴァ

……隣、失礼する。(珈琲を片手に持って座り)

ロビー

あっ、アルヴァだ!

リッパー

おや、アルヴァさんじゃないですか。(横を振り向いて)

リッパー

ふふ、今日はどうしたんですか?

リッパー

いつもは隅の方で座っていらっしゃるのに

リッパー

今日はやけに積極的ですね。(にやにやと笑い)

アルヴァ

……。

アルヴァ

…空いてる席がここしかなかったからな……。

リッパー

へァ?そんな訳無いでしょう。

リッパー

今は私とロビー君とアルヴァさんしか居ないので、

リッパー

席は空いていると思いますが…?

アルヴァ

……貴殿が後ろを振り向けば理解するはずだ。

ロビー

!あっ、見てみて!!

ロビー

あっちにたくさんの置き物がある!(リッパーの後ろを指さし)

リッパー

置き物…?

リッパー

あぁ、ガラテアさんの彫刻像ですか。(後ろを向いて)

リッパー

って、あちら側の席を埋め尽くす程ありますね…。

ガラテア

……。(彫刻に夢中になっており)

アルヴァ

……まぁ、見ての通りだ。

アルヴァ

趣味の邪魔はしたくないのでな。

ロビー

アルヴァは優しいんだね!

ロビー

あっ、そうだ!

ロビー

アルヴァも試合がなかったら遊ぼうよ!

ロビー

3人で探すと早く見つかるかもしれないし!

リッパー

丁度、ロビー君と迷子の巡視者を探そうとしていたのですよ。

リッパー

アルヴァさんも暇でしたらどうです?

アルヴァ

あいにくだが、先程試合から帰って来た身だ。

アルヴァ

少し休憩したら部屋に帰る…。

ロビー

えぇ!?帰っちゃうの!?

ロビー

やだやだ!アルヴァも一緒に遊ぼうよ〜!!

アルヴァ

……すまないが、私は忙しい。

ロビー

じゃあ遊んでくれるまでここは通さないもん!(食堂の入口に立って)

ロビー

僕、アルヴァと遊んだ事ないから今日は絶対に遊ぶんだ!(わくわくしながら)

アルヴァ

……。(食堂の入口にいるロビーを見つめ)

アルヴァ

……仕方ない、今日だけだぞ…。(諦めた顔をして)

ロビー

わ〜い!やった〜!!

リッパー

ふふ、もう少し粘るかと思いましたが

リッパー

案外素直なんですね。(微笑み)

アルヴァ

先に諦めた方が早いと思っただけだ…。

リッパー

そう言えばアルヴァさん、試合に行っていたと聞きましたが…

リッパー

確か昼まで試合は無かったはずですよ?

ロビー

あっ、そうだよ!

ロビー

え~とね、確か

ロビー

めんてなんす?するってバルクから聞いたよ!

リッパー

えぇ、今朝急にメンテナンスをすると言ってましたね。

アルヴァ

先程の試合、隠れん坊だったか…。

アルヴァ

メンテナンスがあるとは知らなかったが、

アルヴァ

普通に試合は出来ていて問題は無かったな…。

リッパー

へァ〜、アルヴァさんが隠れん坊の試合に出るとは意外ですね。

アルヴァ

……ジョゼフ殿にしつこく頼まれて出たみたいなものだがな…。

リッパー

おやおや、ジョゼフさんに気に入られたみたいですね。

ロビー

えっ!?隠れん坊してたの!?

ロビー

いいな〜!僕も隠れん坊したい!!

ロビー

よし!じゃあ聖心病院に行って隠れん坊しようよ!

リッパー

おや、巡視者探しはどうするのですか?

ロビー

ふふん、それは明日の遊ぶ予定にする!

ロビー

僕、アルヴァの話し聞いてたら

ロビー

隠れん坊したくなってきたもん!

リッパー

いいですね、私で良ければ一緒に行きますか?

ロビー

ううん、違うよ。

ロビー

僕達だけで隠れん坊してみたいんだ!

リッパー

?と、言いますと…?

ロビー

今回だけハンターの僕たちで隠れん坊をしてみたいけど…、

ロビー

どうかな?

リッパー

おや、私達だけでですか?

リッパー

それはまた面白そうですね。(微笑み)

ロビー

でしょ!?

ロビー

あっ、僕は隠れる側をやってみたい!

リッパー

えぇ、分かりましたよ。

リッパー

アルヴァさんはどちらが良いですか?

アルヴァ

……勝手に話しを進めないで貰えるだろうか。

ロビー

じゃあアルヴァも隠れる側にしようよ!

リッパー

いいですよ、私は見つける側にしましょうか。

リッパー

ふふ、隠れん坊は見つける側が楽しいですからねぇ。

アルヴァ

あぁ…、もうどちらでも良い…。(諦め顔)

リッパー

しかし今の時間帯は空いてますかね?

リッパー

まだバルクさんはメンテナンスから戻って来ていませんし…。

アルヴァ

…先程話した通り、私が聖心病院を訪れた時は

アルヴァ

姿が見えなかったな…。

ロビー

ってことは、もう終わったのかな?

リッパー

そうかもしれませんね。

リッパー

もし、聖心病院からメンテナンスを始めていたとすると

リッパー

先に終わるはずなので、アルヴァさんが試合に行けたのも納得出来ますね。

アルヴァ

その推測が当たっていればな…。

リッパー

おや、何か言いたげですね?

アルヴァ

本人がまだ戻って来てない事については

アルヴァ

どう説明するのだろうか?

リッパー

それでしたら、他の場所にも行っているんじゃないです?

リッパー

ほら、これで無事解決ですね。(微笑み)

アルヴァ

急に適当になったな…。

ロビー

もしバルクと会ったら隠れん坊に誘ってみよっと!

リッパー

あぁ、そう言えば思ったのですが

リッパー

隠れる側は2人だけだと少なくありません?

ロビー

確かにすぐに終わったらつまんないよね…。

ロビー

……あっ!

ロビー

ねぇねぇ、ガラテアも隠れん坊しない?(彫刻中のガラテアに近付き)

ガラテア

……あら、

ガラテア

誰かと思ったらロビーじゃない。(視線を彫刻像からロビーに向け)

ガラテア

そうね、丁度気分転換に何かしたかったの。

ガラテア

隠れる側が少ないなら一緒に遊んであげるわ。

ロビー

わ〜い!やった〜!!

アルヴァ

どうやら話し声は聞こえていたようだな…。

ガラテア

当たり前よ、近くで雑談してたら嫌でも聞こえてくるわ。

リッパー

ガラテアさんですか、えぇ私は大歓迎ですよ。

ロビー

よし!じゃあ早速聖心病院に出発しよう!

ー聖心病院ー

ー正面ゲート前ー

ロビー

着いたね!

ロビー

う〜んと、どこに隠れようかな?(辺りを見渡して)

リッパー

はて、今日はやけに物が乱雑していますね?

ロビー

あれ、ほんとだ?

アルヴァ

おそらく、前の隠れん坊の試合のままだな。

アルヴァ

さっき私が見た風景と似ている。

リッパー

これもまたバグなんでしょうかねぇ…。

ガラテア

あら、彫刻の素材探しにうってつけね。

ロビー

えぇ!?ちゃんとガラテアも隠れるんだよ!

ガラテア

冗談よ、隠れながら探したらいいだけでしょ?

ロビー

ん、そうなのかな…?(キョトンとして)

ガラテア

そうそう、じゃあ時間制限を教えてくれる?

ガラテア

あまり長いと退屈しちゃうわ。

ロビー

えっと、時間制限はね〜

ロビー

15分くらいはどうかな?

アルヴァ

それは良いとして、どうやって時間を計るのだろうか。

ロビー

そうだった!うーんどうしよう…。

ロビー

あっ、でも最後の1分になると何か警告?みたいな音が鳴るらしいよ。

アルヴァ

一応そこは隠れん坊のルールに従うのだな…。

ガラテア

とすると、見つける側は相当きついわね?

リッパー

おや、私のご心配でしたら大丈夫です。

リッパー

そんな警告音が鳴るまでに皆さんを見つけて見せますよ。

ガラテア

ふーん…?なかなか言うじゃない。

リッパー

あっ、ですが1度隠れたら動かないで下さいね?

リッパー

……っていうハンデが欲しかったりします。(ちらりと目線をそらし)

ガラテア

あら、前言撤回ね。

ロビー

うん、いいよ!

ロビー

アルヴァとガラテアも隠れたら動いちゃだめだよ!

ガラテア

ふふ、ロビーは優しいのね。

ガラテア

仕方ないわ、特別にそうしてあげる。

アルヴァ

いいだろう、少しくらいは公平にな…。

リッパー

有り難いです、ふふ、ロビー君パワーのおかげですね。

リッパー

そう言えば1つ良い事を思い付いたのですが、

リッパー

負けた側は自分が秘密にしている事を

リッパー

この場で発表してもらうのはどうでしょうか?

ロビー

えっ、秘密にしている事を言っちゃうの!?

アルヴァ

…私は反対だ。

アルヴァ

そもそも何故他人に秘密を言わなくてはならない…。

リッパー

それでしたら勝てばいいだけの事ですよ。(微笑み)

アルヴァ

いや、そう述べているわけではない…。

ガラテア

いいじゃない、私は賛成よ。

ガラテア

楽しくなるのは間違いないわね。(不敵に笑い)

ロビー

楽しくなるなら僕も賛成だよ!

ロビー

あっ、見つかったらまたここに戻って来てね!

ロビー

時間切れになって、見つかってない人はリッパーの方へ向かってあげてね〜!

リッパー

と言うことは、賛成多数で決まりですね。

リッパー

アルヴァさんもよろしいですか?

アルヴァ

……私に聞かなくても、答えは変えないつもりだろう。

リッパー

ふふ、本当に皆さん物好きですよねぇ。

リッパー

ちなみに、もし隠れる側が負けた場合は

リッパー

1人ずつ発表して貰いますからね。(微笑み)

アルヴァ

まぁ、そうなるだろうな…。

ガラテア

見つける側が負けた場合はどうなるの?

リッパー

そうですね…、

リッパー

では私が全員見つけれなかったら

リッパー

負けを認め、私も秘密を話しますよ。

アルヴァ

……大した自信だな、まぁ私はそれでいいが。

ガラテア

ふふ、さっきの前言撤回は取り消すわ。

ロビー

よし!絶対見つからないように頑張らないと!

ロビー

じゃあ1分数えたらリッパーは動いて来てね〜!(その場から走り去り)

リッパー

分かりましたよ、それでは1、2、3…

ガラテア

ふふ、じゃあ隠れないとね。(車椅子を動かして、物の隙間を通って行き)

アルヴァ

さて、下手に見つかる訳にはいかないな…。(そう言い残して、病院がある方向へ歩き)

リッパー

……58、59、60…

リッパー

さて、そろそろいいでしょう。

リッパー

皆さんどこに隠れたのでしょうねぇ。

リッパー

とりあえず外側から探してみましょうか。

ー女神像付近ー

リッパー

ふふ、この感覚…荘園に来る前を思い出しますよ。

リッパー

獲物をじっくりと追い詰めて、

リッパー

最後は血で着飾る瞬間が堪らなかったのですよねぇ…。

リッパー

まぁ、

リッパー

今回楽しむ暇はそんなに無さそうですが。

リッパー

…って、おや。

リッパー

さっきから障害物が多くなってませんか?

リッパー

この先障害物が壁のようにあるんですが…。(塀のように並んでいる物を見て)

リッパー

その先に女神像が見えるはずなんですよねぇ。

リッパー

しかもこの付近だけやけに障害物が乱雑としています…。

リッパー

……。

リッパー

ふふ、慌てて隠れたのでしょうかねぇ。

リッパー

開始早々見つけれたのは良いですね、では…。

リッパー

この障害物の隙間の奥にいる方を

リッパー

が、頑張って会いに行きますか…。(狭い隙間を通って行き)

リッパー

うっ、細身の私でギリギリ通れますが…

リッパー

これ試合だとスタックし放題ですね。(奥へと進み)

リッパー

…ふぅ、

リッパー

引き返す時もなかなかきつそうですね…。

リッパー

あっ、少し広い空間が見えますね。(隙間から抜け出し)

ガラテア

ガラテア

あら、見つかちゃったわ。(彫刻像を彫りながら相手に視線を移し)

リッパー

おや、見つかって良かったです。

リッパー

やはり貴女でしたか、ガラテアさん。

リッパー

と言うか、ここでも彫刻しているんですね。(苦笑)

ガラテア

ふふ、随分早い到着ね。

リッパー

この障害物…、いえ彫刻像がこの先沢山並んでましたからね。

リッパー

しかし、彫刻像を作って身を隠すとはガラテアさんらしいですね。

ガラテア

だってただ隠れても退屈でしょ?

ガラテア

私は退屈しのぎに彫刻像を彫っていただけよ。

リッパー

ふふ、おかげで見つけやすかったです。

ガラテア

あら、そう言われたら少し悔しいわね。

ガラテア

もう少し時間を掛けてくれたら沢山彫刻像を彫れたのに…。

リッパー

だとしたら、最初に見つけたのがガラテアさんで良かったですよ。

リッパー

最後の方だと探す時間が足りなかったかもしれませんね。

ガラテア

そうね…、

ガラテア

こうやって話している間も時間は待ってくれないわよ?

リッパー

!あぁ、そうでしたね。

リッパー

残りの方も早く見つけなくては。

リッパー

では、失礼します。(軽く礼をし、彫刻像の隙間を通って行き)

ガラテア

ふふ、時間内に見つけられるといいわね。

ガラテア

……。

ガラテア

…あらこの彫刻像、素敵ね。(ふと、女神像を見つめて)

ガラテア

でも何かが足りないわ…。

ガラテア

まだ時間もあるみたいだし

ガラテア

少しくらい、いいわよね。(にこりと笑って、彫刻刀を持ち)

ー病院1階ー

リッパー

さて、ここ聖心病院と言えば…

リッパー

やはりこの2階建ての病院が目立ちますよね。

リッパー

きっとどちらかが隠れている事でしょう。

リッパー

しかし、屋外と比べると

リッパー

障害物が少ないですね。

リッパー

ですが、低い障害物が多いです。

リッパー

ここに隠れているとしたらロビー君ですかねぇ。(辺りを見回して)

コツ、コツ…

リッパー

おや、

リッパー

上の方から物音がしましたね。

リッパー

さては2階に隠れていますねぇ…?

リッパー

ふふ、私も向かいましょうか。(微笑み)

ー病院2階ー

リッパー

物音がしたのはここら辺のはず…。(階段を登って来て)

リッパー

いるのでしょう?アルヴァさんかロビー君。

リッパー

ガラテアさんはもうとっくに見つけましたよ。

リッパー

あと2人…、

リッパー

もう少し時間を掛けて探したいのですが

リッパー

今回は残念ながらそう行きません。

リッパー

ふむ、

リッパー

何処に隠れているのでしょうねぇ。(ゆっくりと歩き出し)

リッパー

唯一、2階で隠れる場所と言えば

リッパー

この診察台でしょうかねぇ?(診察台の下を覗き込み)

リッパー

……!?

リッパー

あ、あれ…

リッパー

隠れていない…?(困惑しており)

リッパー

(おかしいですね、それ以外だと…。)

リッパー

(身を隠すのが難しい障害物だらけです。)

リッパー

私の気のせいでしょうか…。

コツ…

リッパー

リッパー

今の物音、階段から聞こえましたね…。

リッパー

はぁ…、

リッパー

私の悪い癖で少ない時間を無駄にしてしまいましたよ。

リッパー

さぁ、姿を現しなさい!(階段付近へ飛び出し)

シーン…

リッパー

ヘァッ!?へ、変ですね…。

リッパー

さっきから物音は聞こえていたのですが…。

コツ、コツ…

リッパー

って、また物音が聞こえて来ましたよ…。

リッパー

……?いえ、これは…

リッパー

足音…?(耳をすませて)

アルヴァ

アルヴァ

あぁ、見つかったのか…。(階段から登って来て)

リッパー

ヘァッ!?アルヴァさん!?

リッパー

急に正面から現れないで下さいよ…。

リッパー

驚いて階段から転がり落ちたらどうするのですか。

アルヴァ

貴殿も神出鬼没に姿を現すだろう…。

アルヴァ

まぁ、驚かせたなら申し訳ない。

リッパー

と言うか、アルヴァさん。貴方…

リッパー

どうして隠れてないのですか?

アルヴァ

その件についてはだな…。

アルヴァ

最初は隠れる場所を探した……が、

アルヴァ

殆ど私の身長では隠れられる場所が無くてな…。

アルヴァ

先程、外周して病院に着いたばかりだ。

アルヴァ

そして、

アルヴァ

隠れる場所を見つけている最中、貴殿に見つかったと言う事だ…。

リッパー

あ〜、それは運が悪かったですね。

リッパー

まぁそう言う時もありますよ、

リッパー

次頑張ったら良いのですから、ね?(微笑みながら、相手の肩を叩き)

リッパー

楽しみですねぇ、アルヴァさんの秘密話。

アルヴァ

……。

アルヴァ

…まぁ、本当は

アルヴァ

私は最初から隠れるつもりはなかったがな…。

リッパー

おや、それは何故ですか?

リッパー

もしかして、強引に誘ったのがいけなかったでしょうか…。

アルヴァ

そうではない…。

アルヴァ

貴殿が言っていただろう。

アルヴァ

1度隠れたら動いてはいけないと。

リッパー

確かにハンデは皆さん受けて下さいましたが、

リッパー

それのどこが変……って

リッパー

あっ、も、もしかして…。

アルヴァ

今頃気付いたようだな…。

アルヴァ

つまり、隠れなければ自由に動き回れると言う事だ。

アルヴァ

……。

アルヴァ

……鉢合わせする確率はあったが…。

リッパー

ど、どれだけ見つかりたくないのですか…。

リッパー

しかし、隠れん坊はちゃんと隠れないと勝負になりませんよ?

アルヴァ

知らないな、

アルヴァ

元々障害物が低過ぎて私には不利に思う。(遠くを見つめ)

リッパー

まぁそんなに不機嫌にならないで下さいよ。

リッパー

結果はどうあれ、運も実力のうちですよ。

アルヴァ

……。

アルヴァ

…同意したくはないが、そうだな……。

アルヴァ

そろそろ話題も尽きた頃だ、

アルヴァ

貴殿も残り時間を気にした方がいい…。

アルヴァ

あと数分で警告音が鳴ると思われる、

アルヴァ

私はもう行く…。(正面ゲートへ向かい)

リッパー

残り時間…、はっ!?

リッパー

普段アルヴァさんがこんなに話す事が無いので

リッパー

つい話し込んでしまいました…。

リッパー

これは少々痛手ですね…。

リッパー

残るはロビー君ですか、

リッパー

もうあまり時間がありませんね…。

リッパー

来た道を引き返しては時間切れになってしまいます。

リッパー

他に探していない場所と言えば…、

リッパー

……。

リッパー

小屋周辺でしょうか…。

リッパー

いえ、考えている暇はありません。

リッパー

急いで向かわなくては…!(階段を駆け下りて外へ向かい)

ー小屋周辺ー

リッパー

はぁ、はぁ……。

リッパー

試合外でこんなに走ったのはいつぶりでしょうか…。(息を切らして)

リッパー

全く…、油断禁物ですね…。

リッパー

ここに向かう途中、

リッパー

もう一度だけ病院の外を見て回りましたがいませんでしたね…。

リッパー

ロビー君は他の方より身長が低いので、見つけるのは苦労しそうです…。

その時、

ピーッ!!(けたましく警告音が鳴り)

リッパー

!?も、もう1分を切ったのですか!?

リッパー

これはまずい状況です、急いで辺りを探さないと…!

リッパー

と言っても、普通に探しても駄目ですね。

リッパー

最初にガラテアさん、次にアルヴァさんを見つけましたが…、

リッパー

あの方達は普通に隠れていないじゃないですか。(小屋ゲートへ向かい)

リッパー

ガラテアさんは彫刻像で上手く壁を作っていましたし、

リッパー

アルヴァさんは私のハンデを逆手に取って歩いていましたし…。

リッパー

だ、誰かこの方達に普通の隠れん坊のルールを教えてあげて欲しいです…。

リッパー

……。

リッパー

……はぁ、そろそろ時間ですか…。

リッパー

最後にこのロッカーを開けて終わりにしましょう。

リッパー

ま、いないと思いますが…。

リッパー

全員見つけたかったですねぇ…。(小屋外のロッカーを開けて)

ロビー

ロビー

あっ、見つかちゃった…!

リッパー

!?

リッパー

ロ、ロビー君……。

ロビー

あとちょっとで時間切れだったのに悔しい!

ロビー

って、さっき警告音鳴ったからもう終わりかな…?

ロビー

ねぇねぇ、リッパーはガラテアとアルヴァの2人を捕まえたの〜?

リッパー

……。

リッパー

……あぁ、

リッパー

ロビー君が普通で良かった…。(その場で膝を折り)

ロビー

え!?リッパーどうしたの!?(駆け寄って行き)

ロビー

大丈夫?急に具合が悪くなったの?

リッパー

…すみません、少し気が抜けただけですよ。(その場から立ち上がり)

リッパー

ふふ、ロビー君見つけましたよ。

リッパー

まさかサバイバーのロッカーに隠れているとは…。

リッパー

危うく風船で括ろうかと思いましたよ。

リッパー

ロビー君は隠れん坊が上手ですね。(微笑み)

ロビー

えへへ、実は最初から決めていたんだ!

ロビー

ロッカーに入れば時間いっぱいまで大丈夫かと思ってね!

リッパー

えぇ、見つける側に自信があったのですが…

リッパー

最後まで分かりませんでしたよ。

リッパー

(本当に、純粋で助かりましたよロビー君…。)

ロビー

でしょでしょ!あっ…!

ロビー

ガラテアとアルヴァがこっちに来ているよ!(病院方面から姿が見え)

ロビー

お〜い!こっちだよ〜!(大声で手を振りながら)

アルヴァ

あぁ…、そこにいたのか…。(歩きながら声をする方へ向かい)

ガラテア

探したのよ、あなた達こんな所にいたのね。(車椅子を動かして来て)

リッパー

おや、私達を探しに来てくれたのですか?

ガラテア

えぇ、あなた達を待つより先に動いちゃったわ。(少し不機嫌そうに言い)

ロビー

あれ、ガラテア少し怒ってる?

ガラテア

そうよ、聞いてくれる?

ガラテア

この人、アルヴァと言ったかしら…。

ガラテア

正面ゲートであなた達を待っている間、

ガラテア

私が彫刻像のモデルにならない?って聞いたのよ。

ガラテア

そうしたら、興味が無いって言うのよ。酷いでしょ?(アルヴァの方を見ながら)

アルヴァ

……もう一度言うが、私は彫刻像などに興味は無い。(目を閉じながら)

アルヴァ

そんな時間があれば部屋で研究している方が良い…。

ロビー

も〜!喧嘩しちゃ駄目だよ二人とも!

リッパー

アルヴァさんの彫刻像ですか…、

リッパー

私は良いと思いますがねぇ。

ガラテア

でしょう?…でもそうね、

ガラテア

また後日にでも聞いてみるわ。

ガラテア

もしかしたら、気が変わってくれるかもしれないし…

ガラテア

ね、アルヴァ?(にこりと笑みを作り)

アルヴァ

……。

アルヴァ

……無駄な事を…。(目は閉じていて)

ガラテア

ふふ、それじゃあ話しを戻しましょう?

ロビー

あれ、もう仲直りしたの?

ロビー

なら良かった〜!(ぴょんぴょんと跳ねて)

リッパー

では、アルヴァさんの彫刻像を楽しみにしつつ

リッパー

本題に入りましょうか。(微笑み)

ロビー

え〜っと、リッパーが僕達を時間内に見つけたから

ロビー

あっ!?秘密にしている事を言わなくちゃいけないんだった…。

ガラテア

そう言えばそんな話ししてたわね。

ガラテア

じゃあ私から話すわよ。

ガラテア

この前ね…、

リッパー

おっと、ガラテアさん少々待ってくれませんか?

ガラテア

何よ、話している途中じゃない。

リッパー

もしかしたら、ガラテアさんの秘密を言わなくても良いかもしれませんよ?

ガラテア

…どういう事かしら。

リッパー

最初私が、見つけた方は秘密を暴露してもらうと言いましたよね。

リッパー

まぁ今回は特別に一人だけで構いませんよ。

ロビー

えっ!?いいの!?

ガラテア

あら、急に変わったわね。

ガラテア

何か理由でもあるのかしら?

リッパー

理由ですか?それは…

リッパー

まぁ私紳士なので?それくらいの配慮は出来ますよ。(誇らしげに)

ロビー

?よく分からないけど、しんしってきっと凄い事なんだね!

ガラテア

そう、じゃあ誰が秘密を言う?(くるりと背を向け)

リッパー

うっ、あっさりと返されてしまいましたか…。(表情を変えずに少し動揺して)

ロビー

う、う〜ん、どうしよう…。

ロビー

これだけは言っちゃ駄目かもしれないし…。

アルヴァ

……。(沈黙しており)

ガラテア

よく考えたら、そう簡単に秘密を教えるものじゃないわね…。

ガラテア

……。

リッパー

ふふ、皆さんの苦悩に満ちた姿をもっと見たい所ですが

リッパー

出来れば早く決めて下さると助かりますねぇ。

リッパー

午後からまだ試合が残っているみたいですのでね。

ガラテア

高みの見物かしら?ふふ、悪い人…。

ロビー

あっ、そうだったね…。

ロビー

…じゃあ僕が話すよ!

ロビー

長く遊んでると次の人が困っちゃうし…!

ガラテア

そうね…、じゃあお願いするわ。

リッパー

ふふ、ロビー君は気配りが出来て優しいですね。

リッパー

あっ、そう言えばアルヴァさん。

リッパー

さっきから静観してますけど…、

リッパー

ロビー君が秘密を話す事になりましたが

リッパー

貴方はどうですか?

アルヴァ

……。

アルヴァ

話すと言うのなら、私は構わない…。

リッパー

おや、本当によろしいのですか?

リッパー

最後まで隠れていたロビー君に秘密を話させても…。

リッパー

それだと少し、疑問に思いませんか?

アルヴァ

……貴殿は何が言いたい…?

アルヴァ

遠回しな言い方はやめてもらいたい…。

リッパー

では、率直に言いましょう。

リッパー

今回はアルヴァさんが秘密を話すのに相応しいと思うのですよ。

リッパー

ほら、ここは年配者が出る場面だと思いますし…

リッパー

普通に病院を歩いてたじゃないですか。

アルヴァ

あの時はまだ隠れる場所を探していた時だ…。

リッパー

おやぁ?ですが最終的には違いますよね?

アルヴァ

……。

アルヴァ

…貴殿はどうしても私に秘密を話させるつもりだな。

リッパー

どうでしょうかね?

リッパー

まぁ今回は少し苦労しましたからねぇ…、

リッパー

これくらいは良いと思うのは強欲でしたか?(煽り付け)

アルヴァ

……まさか、最初からそのつもりだったのか?(じろりと睨みつけ)

ロビー

ちょ、ちょっと!二人とも喧嘩は駄目だってば!

ロビー

リッパーもアルヴァをいじめちゃ駄目なんだよ?

リッパー

おや、少々度が過ぎましたね、すみません…。

リッパー

アルヴァさんを見るとつい、からかってしまいますよ。(微笑み)

ガラテア

確かに、それは分かる気がする。

ガラテア

彼って、あまり話さないから余計に素性が気になるわ。

ロビー

えっ、ガラテアまで!?

アルヴァ

……。(ため息をつきそうになり)

ロビー

あっ、落ち込まないでアルヴァ!?

ロビー

大丈夫!僕はアルヴァの味方だよ!!

ロビー

えっと、じゃあ秘密を話すね…?

ロビー

この前ね、部屋に帰ろうとしたら

ロビー

食堂でリッパーが居眠りしていたんだ。

リッパー

ヘァ?私ですか?

ロビー

うん、そうしたら近くにいたジョゼフがね

ロビー

ポケットからマジックペン?を取り出して

ロビー

リッパーのお面に落書きしてたんだ。

リッパー

ヘァッ!?やはりジョゼフさんでしたか!!

リッパー

あれ油性でしたからね!?あの時は本当にやられましたよ…。

ガラテア

ふふ、間抜けな顔が想像出来るわ。

アルヴァ

危機管理が足りていれば防げただろう…。

ロビー

僕も止めようとしたんだけど、

ロビー

ジョゼフが内緒にしてくれって言うから止めちゃった…。

ロビー

ごめんね、でも起こすのも悪いかなと思って…。(落ち込み)

リッパー

いえ、ロビー君は悪くありませんよ。

リッパー

ちゃんと秘密を話してくれてありがとうございます。(微笑み)

リッパー

ふふ…、さて私は先に戻りますね。

リッパー

戻って、ジョゼフさんにお返しをしてあげないといけないので…。

ガラテア

そう、モテる人は辛いわね。

アルヴァ

戯言はそれだけか…、ならさっさと戻るんだな…。

リッパー

おや、珍しくアルヴァさんが食い付いてきますね?

アルヴァ

……。

アルヴァ

……私は少しでも静かになる方が居心地が良い…。

ガラテア

見事に嫌われているわね、あなた。(リッパーの方へ向いて)

ロビー

ん、何だか空気悪い…?

リッパー

えっ、冗談を言ってくれただけでしょう?

リッパー

じゃあ今度ちょっかいかけますので待ってて下さいね〜。(一足先に戻り)

ロビー

あっ!リッパー遊んでくれてありがとう〜!!(手を振り)

ガラテア

…そろそろ私達も戻らないとね。

ロビー

うん、ガラテアもアルヴァも一緒に遊んでくれてありがとう!!

ロビー

僕、今日とっても楽しかった!!

ガラテア

私も案外楽しめたから、来て良かったわ。

ガラテア

また誘ってちょうだいね?

ロビー

うん!また一緒に遊ぼうね!

ロビー

あっ、アルヴァもだよ?

アルヴァ

……遠慮しておく、

アルヴァ

と言いたい所だが…

アルヴァ

たまには、行くか…。(ロビーを見つめて)

ロビー

ほんと!?やった〜!!

ガラテア

ふふ…。(にこにこと笑みを作り)

アルヴァ

……。

ロビー

あっ、ねぇねぇアルヴァ。

ロビー

さっきリッパーが言ってた事何だけど…、

ロビー

アルヴァって冗談を言うの?(純粋な問い)

ロビー

僕、てっきり賢い人は使わないのかと思ってた!

アルヴァ

……。

アルヴァ

あれは別に…、

ガラテア

賢い人だって、冗談くらい言うわよロビー。

ガラテア

ねぇ、アルヴァ?

アルヴァ

……。

アルヴァ

……。

アルヴァ

さて、私はもう戻る…。(そう言って、館へ戻って行き)

ガラテア

あら、じゃあ私達も戻りましょ?(くすくすと笑い)

ガラテア

次の試合が始まっちゃうわ。(車椅子を動かし)

ロビー

あっ、待ってよ!僕も一緒に帰る〜!!(慌てて後を追い)

終わり

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