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【参加型】七つの罪の花は今

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【参加型】七つの罪の花は今

6 - 第4話 変装、潜入、そして……

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2025年06月21日

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数十分後

準備が終わり、変装した幸斗が出てきた。 ……Yシャツにジーンズ、そして度の入っていない縁の細い眼鏡。 シンプルすぎてもはや逆に目立つような服装。

アーゼルもかえって目立つと思ったのか、服装に合わせて適当な上着を見繕って渡した。

レジア・フローズ

おおぉ……!

レジア・フローズ

眼鏡なんてあったの?

如月 幸斗

俺は持ってねぇよ。

如月 幸斗

変装用に、つってこいつから着けろって言われただけだ。

アーゼル

似合っているからいいんじゃないかな?

アーゼル

ただの人間って感じするよ。

幸斗に変装用の眼鏡を貸した張本人──アーゼルは絶賛する。 彼は眼鏡などしていないのに、その度のない眼鏡はどこからやってきたのだろうか。

ロザーリヤ・ブトーリナ

とりあえず、これで冥界まで行くんでしょ?

アーゼル

うん。そうなるよ。

アーゼル

きちんと偽の書類も用意してあっちに送ったからね。

アーゼル

……幸斗。

アーゼル

君は、あっちではとある事故に巻き込まれて死んだ人間ということになっている。

アーゼル

上手くいくかどうかは君にかかっているんだ。

如月 幸斗

言われなくてもやってやるよ。

エルサレム

言われれば眼鏡貸したのにな。

レジア・フローズ

エルサレム、もしかしていっつも眼鏡持ち歩いているの?

エルサレム

まぁな。

エルサレム

いつも使う用と、予備と、予備の予備と、更にその予備と──

グラスラーバ・レジェン

予備多すぎるだろ……。

エシェ・エリック

お前、いっつもどこにその眼鏡達仕込んでんだよ……。

エルサレム

ん? 全部鞄の中だが。

エルサレム

眼鏡クリーナーと眼鏡ケースこの中に入っている。

璃小狐 泣

そ、その中って眼鏡関係のものしか入ってなかったの……!?

レジア・フローズ

落としたら大変なことになりそう……。

エルサレム

ま、緩衝材入りだから、落ちてもある程度なら問題ないけどな!

しれっとエルサレムの鞄の中身が眼鏡だらけということが判明したが、それはあまり重要なことではなく。

ひとまず、幸斗の変装と潜入を成功させるのが最優先だった。

冥界。死者を天国と地獄のどちらに送るか、 それとも転生させるかということを決めるための場所。

最奥に閻魔が位置し、やってくる死者達の行き先を決める。 そんな冥界はいつでも多忙なようだ。

次々とやってくる人並みに度々呑まれそうになりつつも、 幸斗は通路から少し離れた場所にある椅子に腰かけた。

如月 幸斗

(いつ来ても人が多いな。
……そりゃそうか。)

如月 幸斗

(全世界の死者をここで一気にさばいてるんだからな。)

シャーレイ

はいはい次の──

シャーレイ

あ、君かな。

シャーレイ

君の番だからちょっとこっち来てね〜。

シャーレイ

(……この人、“彼”に似ているような気が──)

冥界の番人、シャーレイに声をかけられ幸斗は立ち上がる。 番人は、冥界に来た人間の見張りなどを任されている。

シャーレイ

君、どうして死んだの?

如月 幸斗

事故に巻き込まれて死んだ。

シャーレイ

生前、君は何かいいことをした?

シャーレイ

……あ、いいことじゃなくても、何か自分がしたことで印象に残っていることがあればそれで。

シャーレイによる質問が始まる。 これは、閻魔が人間の行き先を判断するために必要なものだ。

幸斗はそれに1つ1つ答えていく。 シャーレイは時折相槌を打ちながら、書類に何かを書き記していった。

シャーレイ

……なるほど。分かったよ。
ありがとう。

シャーレイ

案内人は忙しくしてるから、僕が閻魔様の所まで案内させてもらうね。

シャーレイ

こっちなんだけど──

冥界の奥へと進んで行くシャーレイの後ろを着いて行く幸斗。 少しの間歩いてから、誰にも聞かれないだろうというところで足を止めた。

足音が止まったことに気付いたシャーレイが後ろを振り向く。 首を傾げたシャーレイを見ながら、幸斗は口を開いた。

如月 幸斗

……地獄では

シャーレイ

ん? 地獄?

如月 幸斗

地獄では、今大変なことになっている。

如月 幸斗

人間が次々と行方不明になっていると聞いた。

如月 幸斗

それは本当なのか?

シャーレイ

あぁ、うん……。

シャーレイ

本当だけど……

シャーレイ

君、どこからその話聞いたの?
他の番人が噂してたのかな?

如月 幸斗

あぁ。そいつらから聞いた。

シャーレイ

まぁ、君が気にすることじゃないよ。

シャーレイ

自分が地獄に行くと思ってて、それが心配ならそれはまた別の話になるけど。

如月 幸斗

俺は、地獄の堕天使から頼まれてここに来た。

如月 幸斗

冥界の番人、シャーレイと冥界の案内人、ステラ・イーリスを連れてこいと言われたんだ。

すると、シャーレイは突然何かを考え始める。 そして、ぽつりと呟いた。

シャーレイ

……君、もしかして大罪の悪魔?

シャーレイ

当ててあげようか。

シャーレイ

強欲の悪魔、如月 幸斗だよね。

シャーレイ

通りで君のことをどこかで見たことある顔だな、と思ったわけだよ。

如月 幸斗

あぁ。当たりだ。

シャーレイ

でも、君なら知ってるだろうけど、僕達は君達のことを行方不明事件の犯人だと疑っているんだよ。

シャーレイ

本当に君が死者達を傷つけるつもりがないのなら、ここから先は通そう。

シャーレイ

ただ、傷つけないと宣言できないのなら──

カチャ……

いつの間にか、幸斗の周りを兵隊達が囲う。 そして、兵隊達は幸斗に武器を向けていた。

──幸斗は、笑みを浮かべた。

如月 幸斗

あぁ。分かった。
死者を傷つけないと誓う。

如月 幸斗

だから通せ。

シャーレイ

……。

ステラ・イーリス

──皆、武器を下ろしなさい。

ステラ・イーリス

これは“冥界の案内人”からの命令です。

如月 幸斗

……ステラ・イーリス?

如月 幸斗

どうしてここに──

冥界の案内人……ステラ・イーリスは、 幸斗を見ながらふっと微笑んだ。

ステラ・イーリス

地獄で行方不明事件が発生していること、そして貴方達が協力者を求めていることは知っています。

ステラ・イーリス

私達は貴方達に協力します。

シャーレイ

ふぅ〜。

シャーレイ

それじゃ、もうそろそろいいかな?

シャーレイ

いやぁ、久々に真面目モードだったからちょっと疲れちゃったよ〜。

シャーレイ

甘いものが食べたいなぁ。

如月 幸斗

……はぁ?

いつの間にか、幸斗を囲んでいた兵隊達は居なくなり、 傍らで雑談をしている。

シャーレイ

あ、驚かせちゃったかな?

シャーレイ

実は、書類を見た時に、君が幸斗だっていうことは何となく察してたんだよ。

シャーレイ

でも楽しそうだから遊んじゃった♪

ステラ・イーリス

私も楽しそうだと思ったので便乗しました♪

如月 幸斗

(なんだこいつら……。)

如月 幸斗

つまるところ、俺はシャーレイに質問されてた時から遊ばれてたってことか?

シャーレイ

あ〜、うん!

シャーレイ

言っちゃえばそうなるね〜。

如月 幸斗

(マジでこいつら……。)

ステラ・イーリス

ずっと様子を見ていましたが……

ステラ・イーリス

シャーレイ、どことなく楽しそうにしていましたね。

シャーレイ

ま、面白かったからね!

目の前でさらりと告げられた事実に、 幸斗は頭が痛くなっていく感覚がする。

しかしそこで、幸斗は忘れかけていたことを1つ思い出した。

如月 幸斗

……ん?

如月 幸斗

ちょっと待て。

ステラ・イーリス

どうかしましたか?

如月 幸斗

冥界の奴らは行方不明事件の犯人は俺達だと思っているんだろ?

如月 幸斗

それじゃあどうしてお前達は……

シャーレイ

あ、なんだそんなこと?

如月 幸斗

そんなことって何だよ

如月 幸斗

……で、結局どうしてだ?

ステラ・イーリス

ふふ、簡単な話です。

ステラ・イーリス

私達は、貴方達大罪の悪魔が行方不明事件の犯人だとは思っていません。

ステラ・イーリス

もちろん、他の堕天使や悪魔のこともです。

シャーレイ

君達は、何か問題が起こらない限りは人間界の森奥にある屋敷で生活してるでしょ?

シャーレイ

だから、君がここに居るってことはただ事じゃないんでしょ。

如月 幸斗

まぁ、そりゃそうだが……

如月 幸斗

お前ら、本当に俺達のことを微塵も疑っていないのか?

如月 幸斗

大罪の悪魔だぞ?

シャーレイ

うん? そうだね。

ステラ・イーリス

それがどうかしたのでしょうか……?

如月 幸斗

はぁ……もういい。

如月 幸斗

お前達と話していると頭が痛くなってくる。

シャーレイ

え、ひど

如月 幸斗

それじゃあ、協力してもらえるってことでいいんだよな?

ステラ・イーリス

はい。

如月 幸斗

それじゃあ、地獄まで来てもらってもいいか?

ステラ・イーリス

えぇ。もちろんです。

シャーレイ

よし、それじゃあ行こっか〜。

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コメント

15

ユーザー

テスト終わったのですね!お疲れ様でした✨ 遂に潜入…臨場感やばかったです…≧▽≦ キャラクターが一人一人立っていて、、控えめに言って最高です、チョベリグ👍✴ うちの子が出るまで正座で待機させて貰いますね、(親バカ)

ユーザー

そうだった、そうだったエルは眼鏡無かったらなんにも出来ないから眼鏡が命だったのを完全に忘れていた☆ あっ天野せいらです

ユーザー
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