コメント
2件
rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ R18執筆初心者 花魁パロ
rara🎼
rara🎼
rara🎼
3,六色の稽古
夜が明けても、遊里のざわめきは止まらなかった。
格子の向こうを行き交う客たちの声、三味線の音、香の煙。
六人はそれぞれの楼で、否応なく新たな一日を迎えていた。
菊乃屋。
紅鶴は、着付けの稽古に悪戦苦闘していた。
年配の女が背後から手を入れ、布をぐいと締め上げる。
紅鶴
苦しい。
息が詰まる。
だがその苦しさの中で、紅鶴は背筋をまっすぐに伸ばした。
そう言われても、顔を赤くするしかない。
紅鶴
鏡に映る紅い衣の自分を見つめながら、呟きが漏れた。
雨夜屋。
蒼霞は、文字の稽古を命じられていた。
硯で墨をすり、筆を走らせる。
師匠の声は冷たいが、蒼霞は淡々と応じた。
手首の返し、筆の勢い。
それを繰り返すうちに、墨の香が心を落ち着かせていく。
女の声に、こさめは小さく笑った。
蒼霞
それは強がりでも、虚勢でもなかった。
紫苑楼。
茈月は香の焚き方を習っていた。
女が囁きながら、香炉に手をかざす。
紫煙が立ち上る中、茈月は扇を手に取り、ふと動きを真似てみた。
艶やかな仕草に、周囲の女たちが息を呑む。
声に、茈月は唇を吊り上げた。
茈月
その眼差しは挑戦的に輝いていた。
桃野屋。
桃李は舞の稽古に追われていた。
怒鳴られても、桃李はめげなかった。
大きな身振り、小さな足捌き。
桃李
何度も転びそうになりながらも、最後までやりきる。
桃李
額に汗を滲ませながらも、桃李の笑みは崩れない。
褒められた瞬間、桃李の胸に火が灯った。
花鏡楼。
翠嵐は、三味線に加えて謡も習わされていた。
翠嵐
地声は低く、張りのある響きだった。
師匠は顎を撫でながら頷く。
指先は痛みで赤くなり、声は掠れていた。
それでも翠嵐は瞳を逸らさなかった。
翠嵐
吟羽屋。
黈羽は扇を持ち、舞う姿勢を教わっていた。
指導役の女は穏やかに微笑む。
黈羽は呼吸を整え、ふわりと扇を払った。
羽衣のような衣装が舞い、周囲から感嘆の声が漏れる。
黈羽
柔らかな表情は、不思議と見る者の心を掴んで離さなかった。
その夜。
六人は再び裏通りで顔を合わせた。
互いに疲れ切っているはずなのに、どこか誇らしげな顔をしている。
翠嵐
すちが笑うと、らんが肩をすくめる。
桃李
蒼霞
蒼霞
こさめの言葉に、なつが少し驚く。
紅鶴
蒼霞
蒼霞
黈羽
互いの進歩を口にするうちに、六人は自然と笑い合っていた。
茈月
いるまがぽつりと呟く。
なつはその言葉に頷いた。
紅鶴
紅鶴
六人の笑い声が、遊里の夜に溶けていった。
──彼らの“仕込み”の日々は、まだ始まったばかりだった。
3・了
rara🎼
rara🎼
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡40
rara🎼
rara🎼