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蓮斗

・・・・‥‥

博麗神社の境内に足を踏み入れた時

霊夢は既に縁側にはいなかった

代わりに、拝殿の前で俺を待つように立っていた

霊夢

‥‥

その姿は、前に会った時のだらしなさとは異なり

静かな気配をしている

霊夢

‥また来たのね

そう言った霊夢の声は低く、それでいてどこか呆れたような響きがった

俺はその言葉を無視し、霊夢の前まで進む

蓮斗

・・・確認した

蓮斗

お前は、博麗の名に値しない

俺の声に霊夢は首を傾げる

霊夢

ふーん、それで、どうするの?

霊夢

また説教でもしに来た?

蓮斗

・・・違う

俺は冷たく答える

蓮斗

説教程度では、お前は変わらないとわかった

蓮斗

だから、俺は今この場でお前を博麗の巫女の座から降ろす

霊夢

、!

霊夢は一瞬だけ目を見開いたが、またすぐに笑みを浮かべる

霊夢

へぇ…力づくってわけね

霊夢

まあ、それも博麗の巫女らしいやり方かもね

その言葉に、俺は微かに眉を寄せる

蓮斗

お前が博麗の巫女らしいか語る資格があるか?

霊夢

・・・あるわよ

霊夢

だって、今の巫女は私だから

霊夢はそう言うと

袖から御札を取り出し、ひらひらと振った

その軽い仕草に苛立ちを覚えることはなかった

蓮斗

・・・スッ

俺はただ手を伸ばし、手に力を宿す

境内に静かな緊張が走り、空気が揺れる

霊夢はそんな気配を感じ取ったのか、少し真剣な目を向ける

霊夢

・・・・ねえ、

霊夢

あんた、ただの旅人なんかじゃないでしょ

蓮斗

・・・そんなことはどうだっていい

俺は一歩前へ出る

それだけで、地面に僅かな衝撃が走った

それを感じたのか、霊夢は目を細める

霊夢

その力‥‥どこかで…

霊夢が呟くが、俺は何も答えない

ただ、右手に宿す力を更に集中させる

冷たく鋭い感覚

それは、俺が博麗の巫女として"在り続けた証"そのものだった

蓮斗

この力は___博麗の巫女の力だ

俺の言葉に、霊夢は表情を変えない

だが、その目には僅かな困惑が混じっていた

霊夢

博麗の巫女の力‥‥?

霊夢

冗談でしょ、?

霊夢

それが本当なら…あんた、何者なのよ

霊夢の言葉に、俺は静かに告げる

蓮斗

お前が今の巫女である前に…

蓮斗

博麗の巫女だった者だ

その言葉に、霊夢が息を呑むのを感じた

それはほんの一瞬だった

その瞬間、霊夢は御札を投げつけて来た

霊夢

まあいいわ、ここで確かめてやる!

御札は空を裂き、光を帯びて迫ってくる

俺はそれを手でいとも簡単に弾き返した

霊夢は驚きもせず、次々と御札を放ってくる

その動きには無駄がなく、素早い

蓮斗

・・・妖怪相手の戦いには慣れているようだな

俺は呟きながら、地面を蹴り霊夢の間合いに飛び込む

霊夢

!?

霊夢の目が一瞬大きく見開かれた

霊夢

速い…!

その声と同時に、俺の手から放たれた力が地を削る

霊夢

霊夢は辛うじてそれを避け空中へ飛びあがった

霊夢

なるほど…その力

霊夢

本当に博麗の巫女ぽいわね

そう言って霊夢は笑みを浮かべる

その顔に困惑も恐れもない

ただ、目の奥には鋭い光が宿っている

霊夢

だけど、私は簡単には負けないわよ

蓮斗

・・・なら、その言葉に見合うだけの力を見せてみろ

霊夢

・・・ええ

俺の言葉に応えるように、霊夢は強力な結界を展開する

その光景を目にしながら、俺は冷静に次の一手を考える

俺達の攻防は境内を揺るがす勢いで続いた

霊夢は持ち前の俊敏さと正確さで応戦し、 俺もその一撃一撃に力を込める

しかし、決定的な一撃を放つ瞬間は訪れない

霊夢

まだ終わらないの?笑

霊夢が軽く笑いながらそう言う

蓮斗

終わらせるつもりはない

蓮斗

まだお前を見極める途中だ

俺の言葉に、霊夢は少しばかり眉を上げる

そこにあるのは驚きではなく、興味

霊夢

見極める?

霊夢

あんたは私のことを何も知らないのに?

蓮斗

知らないから見極める

俺は静かに手を上にあげる

手に力が集まり、空気が僅かに震える

霊夢の目がそれを捉え、目を細める

霊夢

・・・なんなの‥それ‥

霊夢の声はどこか引き締まり、緊張感が滲んでいた

蓮斗

・・・

俺は答えず、ただその力を放った

ドガァァァァァァンッ!!

轟音と共に境内全体が震え、地面が抉れる

空気が一瞬、重たく沈み込むような感覚が走った

霊夢

ッ!

霊夢はその衝撃を避けながら空へ舞い上がるが、

俺の放つ力の残滓が霊夢の周囲を囲むように広がっていく

霊夢

こんな力…!

霊夢が短く息を漏らす

その表情には、初めて見せる動揺があった

俺は一歩前に進み、静かに口を開く

蓮斗

・・・分かるか?

蓮斗

お前の力が、どれだけ小さなものか

霊夢

・・・・っ

俺の言葉に霊夢は唇を噛む

それでも、霊夢の目にはまだ闘志の灯りが消えていなかった

霊夢

小さいかどうかなんて関係ない

霊夢

やるべきことをやる、それが今の博麗の巫女よ

強気な言葉だが、俺は知っている

今の霊夢では、俺の力には到底及ばない

蓮斗

・・・そうか

蓮斗

なら耐えてみろ

俺はそう言い力を放とうとする

でも

???

そこまでよ

霊夢

!?

蓮斗

・・・・何故止めた

紫”

初代博麗の巫覡の幻想入り

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