失恋を

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次の日

どないしよう…昨日あんな現場を見てしまったし、その後-hotoke-の目の前であんなに泣いてしまったし…挙句の果てにはそのまま寝落ち…起きれば保健室で、擁護の先生から「-hotoke-君が連れてきてくれたのよ」って…

後ろ、と言っても少し上あたりの位置から知っている声が降ってくる。そう、会いたくなかったのにまさかの朝遭遇…

彼女と一緒でしたか…上手く笑えとるかな…顔引き攣ってたらどうしよ…この2人鋭いからバレるんよな…いっそ逃げるか…？

どうしよう…声が出ない…。流石に疑われるよな…どうしよう…昨日のバレたら…

あかん…目が熱くなってきた…どないしよう…

ちゃんと笑いたいのに力なく笑ってしまう。あんなことで泣きそうになるなんてな…自分が情けない

でも…と言おうとしたら人差し指で口を塞がれてしまった。でもそんな姿がなんだか可愛いなと思って…

そんなにうち分かりやすかったんか…恥ずかし…////でも今思えば本当にまろのことしか考えてなかった

-hotoke-のアホ毛がしょぼんと下がる。いや、-hotoke-は悪くない…むしろあの時に泣いている自分にあんなに優しくしてくれた時点で充分だ

耳元で囁かれる。きっとまろとないこには聞こえない声だ。屋上と言われて連想するのは昨日のこと。まさか…////

始業ベルめ…もちろん今日はこのことで頭いっぱいだった…

でもさっき初兎と2人でプリントの山運んでたから…それで遅れているのだろうか…するとドアが開いた音がした

-hotoke-ではなかった。もうこの図は見たくなかったな…今も手を繋いでいて、まろのブレザーのポケットにないこの手とまろの手が入っている。中で手を繋いでいるのだろう…

-hotoke-と2人だけの秘密って話したけど…もうここまで来たら伝えるしかない…

この胸の傷も

瞼が熱くなり、鼻にジーンと痛みが走る。泣かないようにしようと思っていたけど…無理そうだしこのまま泣いてしまおう。うちの失恋をここで終わらせよう…

この笑顔は偽物じゃない。この涙も偽物じゃない。全てうちの本音。君との時間、君に恋焦がれる日々、全てがキラキラしてて、楽しかった。もうその日々に…けれどそれはもう終わった。だから今、終止符をつける

そう言ってまろの手が伸びる。きっとボロボロと泣いているからだろう。でも…もう優しくされたくない…と思う反面、それを求めている自分もいる。また君に恋してしまいそうだ…

-hotoke-がまろの腕を抑える。いつからここにいたのだろうか…

すると-hotoke-の手が頬に触れて、涙を拭われる。その手が優しくて、暖かい

そう言って体を曲げて腕を伸ばされる

恥ずかしくなって最後は少しツンデレっぽくなってしまった。でも…これがうちの答えだ

まさか公開告白になるとは…いや、うちは受ける側だったけど少し恥ずかしかった。なんて思っていると…

そうっ…だったんやっ…ないこは今までうちがまろにアタックしてる時、どう思ってたんやろ…嫉妬もあっただろうけど…いつも仲良くしていたから…ないこも不安だっただろう…

まろがないこを抱きしめながら優しく頭を撫でている。まろの胸に抱きついてボロボロと涙を流すないこ。やっぱり羨ましいなと思うけど…

うちにも最高の彼氏がいるもん！

おまけ 数年後

あの後、-hotoke-と色んなところにデートに行って、ずっと一緒にいたら、いつの間にかうちの心も-hotoke-に染まっていた。そしてそのまま高校卒業して、お互いが大学に進学したと同時に同棲しようと言われた

-hotoke-も相変わらずだ。でもそんな君が好きだなんてちょっと恥ずかしくて言えないな…