冬弥
じゃあ、またな。彰人

彰人
おう……

彰人
……………………………………

彰人
(冬弥……)

彰人
(何を言えばいいか、迷うんだな)

オレは、本当に生きてる価値がないんじゃねぇかって思った
何も言い出せないってことは何も言うことがないんじゃないかって。
冬弥はただ、オレを傷つけないようにどう慰めるか考えただけだったんだ。
でも、混乱や悲しみでいっぱいのネガティブな思考でそんなこと分かるわけない
ただの自分の勘違いで、勝手に悲しんで、勝手に必要とされてないって思い込んでるなんて
彰人
なんでだよ、お前らだけは

彰人
お前だけは、

彰人
信頼してたのに…………っ

母
彰人っ!?

彰人
か、母さん……?

母
彰人、大丈夫?

母
何をされたの?

母
ずっと心配してたのよ?

彰人
(………………嘘つき)

母
最近、目の下にクマは出来てるし、ご飯は少しも食べないし。

母
母さん仕事があるから戻らないとだけど、退院はいつなの?

彰人
知らね

彰人
目が覚めたらここにいた

母
そうなの……

母
じゃあ、母さんが聴いておくわ!

母
安静にしてるのよ?

母
じゃ、またね

彰人
おう

彰人
っ………………………………

彰人
嘘つき………………

彰人
(本当に心配してたら、3日前に来てただろ)

彰人
(あの慌ててた感じだと今日初めて来たってとこか…………)

彰人
……………………………………

彰人
(全然……心配してねぇじゃねぇかよ)

彰人
(みんな………裏切りやがって、)

彰人
(それにしても、静かだと思ってたけど、全然……静かじゃねぇな)

彰人
(頭……痛てぇ…………)

彰人
……………………………………

彰人
(病気に苦しんでる声、亡くなって悲しんでる声、医者たちの必死な声)

彰人
(そんな声がたくさん聞こえる。)

彰人
(オレなんかよりももっと、比べ物にならねぇくらい苦しんでる人がたくさんいんのに)

彰人
(オレは……何やってんだよ…………)

医者
失礼します。

医者
東雲さん、体調はどうですか?

彰人
あ、どうも

彰人
今は元気ですよ、ありがとうございます

医者
はい、元気なら何よりです。

医者
それより、親御さんから「最近ご飯を食べていない」「寝ていない」と聞きましたが、

医者
どうされたんですか?

彰人
あ、えっと…………

彰人
大したことではないのですが……

彰人
最近、頭痛が酷くて……

医者
頭痛、ですか?

彰人
はい。頭痛で寝れず、食欲もあまりなくて…………

医者
なるほど…………

医者
今も頭痛がありますかね?

彰人
あ、はい……まぁ……

彰人
(やばい……この人、頭痛の原因探ろうとしてる……)

彰人
(「人の考えが分かる」って言っても信じないだろうし…………)

医者
分かりました。ありがとうございます

医者
東雲さんは、栄養を取らなければいけないので、ここで食事をし、少しづつ回復していきましょう。

医者
それまでは、入院です。あまり長くはならないと思いますが、よろしくお願いしますね。

彰人
はい。色々とありがとうございます。

医者
当たり前ですよ。我々は人々を守ることが仕事です。

彰人
ですね。

医者
(東雲さんを少しでも早く退院させられるよう、努力しなくては。)

彰人
………………………………

彰人
(優しく……するなよ………)

冬弥かも、いや絵名かな、杏か、いやこはねか?それか暁山とか……
彰人
(冬弥から電話………………)

彰人
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応答なし

彰人
………………………………

冬弥
なぜ電話に出ない。

彰人
Σ( ˙꒳˙ ;)ビクッ

彰人
な、なんでお前がここに……

冬弥
心配しているからに決まっているだろう。

冬弥
学校から心強い先輩を連れてきた

冬弥
元気出すといい。

彰人
え、いや、ま、まさか…………
