最後の手紙

半年経った今も気を抜いたら涙がこぼれ落ちてしまうほど○○のﾀﾋは大きかった

○○は利き手が麻痺していた

久しぶりに帰った家に寂しさを感じた

家に帰ると勢いよく飛びつきおかえりと笑顔を見せる○○はもういない

今のおれは心身ともに限界だった

その時ふと思い出した

○○が残した最後の手紙

机の上に置いてある手紙を取り封を開け読み始める

弱々しい字で書かれた手紙に

気付いたら涙を流していた

最愛の消太さんへ

あなたと出会ったのが昨日の事のように思い出します。 貴方が怪我をした私を抱え病院まで運んでくれましたね。その時から貴方に興味を示しました。

連絡先を聞き出して色んなところにデートに誘って半年が過ぎたけど鈍感な消太さんは全然気付いてくれなかったから勢い余ってプロポーズしちゃったの覚えてるかな？

そしたら消太さん笑っていいよって言ってくれて本当に嬉しかった。 一方的だったから不安になる時もあったけどその度に優しく抱きしめてくれてすごく嬉しかった

結婚の挨拶の時はすごく緊張してたのにお母さんとお父さんの前だと堂々としててすごくかっこよかった！ 結婚してからも私しか知らない消太さんを沢山みて消太さんへの愛がどんどん大きくなって行った。 余命宣告された時消太さんすごく真っ青だったね、私に「行くな」って言いながら抱きしめてくれたよね。 そんな消太さん見てたら私がクヨクヨしてられないなって思ったのだから 残された時間沢山お出かけに誘って 思い出の場所にも沢山行ったの。

私ももっと消太さんと生きたかったな 消太さんとの未来を夢見る度に悔しくて悲しくて辛かった、でも、それと同じぐらい消太さんも辛かったと思う。 私がいなくなったら消太さんはどうなるんだろうとか考えてまた悲しくて、 心配なんだ消太さんが倒れたりしたら私もう自分が嫌いになる、 だから消太さんが私のﾀﾋを乗り越えてくれたらと思って家中に私の痕跡を残したの探してみてね。

消太さん 私はここにいるよ ずっと消太さんの幸せを 心から願ってます 消太さん、、、、

最後の文字は涙の跡で見えなかったが 俺には分かる

毎日欠かさず伝え合った言葉

俺は寝室に向かった

このベットで何度も○○と体を重ねた

そして何度も言葉を交わした

シーツをめくると

何度も愛を確かめ合って その度に消太さんの優しさに触れ、 消太さんが仕事でいない時も すごく暖かかった。 私を愛してくれてありがとう 私も愛してます

次は俺の仕事部屋

机の引き出しには手紙

仕事に集中すると徹夜しちゃうから 何度も怒っちゃってごめんね でも消太さんが悪いんだからね いつ倒れるか心配してるんだよ？ 私が居なくても徹夜しちゃダメだよ ちゃんと寝てね いつもお仕事お疲れ様 愛してるよ

キッチン

冷蔵庫の中に手紙

手紙がある度○○がいるかのように 感じていた

私が体調崩した時に消太さんがここで料理しててびっくりした。 私のためにお粥を作ってくれてすごく 嬉しくて美味しくて涙が溢れて 消太さんは優しく拭ってくれたね 誕生日の時も消太さんの手料理が食べたいって言って作ってくれたオムライスすごく美味しかった最高の誕生日プレゼントだったよ。 また消太さんの手料理が食べたいな。 なんて 愛してるよ消太さん

最後リビング、、

ソファーのクッションの中に手紙と USBメモリ

このクッションは消太さんがいつも抱き締めてるクッション私が作ったクッションだからだって、本人が目の前にいるのに失礼しちゃう クッションが羨ましいよ。 このソファーふかふかでついつい寝ちゃうんだよね、消太さんは風邪引くって怒ったけど毎回ベットまで運んでくれたねありがとう消太さん 愛してるよ

最後にUSBメモリ

それはひとつの動画だった

機会音痴じゃなくわざとだと言う癖も出会った時から変わらない

俺はお前のために生きる

○○のために健康に生きる ○○に会うのはもう少し後だな