睡眠恐怖症の監督生君

雨蓮 碧(ｳﾚﾝ ｱｵｲ) 中性 睡眠恐怖症 隈が濃い 情緒不安定な性格

これを踏まえた上でご覧下さい

スタート

ﾎﾟﾀｯ...ﾎﾟﾀｯ...

灰色に濁った包丁から、数滴の血が滴り落ちる

包丁を持った男の顔は肩まで伸びた長い髪が邪魔で全く見えない

男は何も言わずに近づいてくる

ｶﾂｯ...ｶﾂｯ...

一歩。また一歩と男が近づいて来る度にｼﾞﾜｯ...っと冷や汗が溢れる

ｶﾂｯ...ｶﾂｯ...

...ｶﾂﾝｯ...

男は目の前でピタリと止まり、血に染まった包丁を突き出した

男はそう、吐き散らすと

ﾌﾞｫﾝｯｯｯ!!!!!

と、包丁を振りかざした

ﾎﾟﾀｯ...ﾎﾟﾀｯ...

額から冷や汗がﾂｯｰ...と流れた

机に置いてあるコップと大量の錠剤を手に取った

ｺﾞｸｯ....

大量の錠剤を水と一緒に体内に流し込む

いつから寝れない生活を送るようになったのか

そんな事を考えながらおぼつかない足取りで洗面所に向かった

ｽﾀ...ｽﾀ...

...ｽﾀｯ...

何かを見つけ、足を止めた

見つけた鏡に顔を映し出す

鏡に映る顔を眺めて唖然とする

目元には隈があり、肌は健康とは言えない青白い色をしていた

そっと肌に触れる

肌はひんやりと冷たく

まるで死人のようだった

ｷﾞｭｳｯ...っと手に持った錠剤を強く握りしめた

見てみると、手からは血が滲み出ている

錠剤を強く握りしめた時にケースで切ったのだろう

ポケットから絆創膏を取り出し、傷口に貼る。

絆創膏には早くも血が滲み出している

何を考えたって無駄だ。

そう言わんばかりの表情で手を握りしめる

ｽﾀ...ｽﾀ...

おぼつかない足取りで寝室に足を運んで行った

...ｷﾞｼｯ...

ベッドの軋む音が鳴る

机には水の入ったコップに大量の錠剤

ぐっすり眠れた事はここ最近は一切無い

眠れたとしても、悪夢を見て飛び起き、大量の錠剤を飲み、精神を安定させる

これが日課と化していた

眠れなくとも、眠らなければいけない

何故なら

生きなければならないからだ