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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 殺し屋パロ
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#2 銃声は誰の答えか
乾いた銃声が、夜の路地裏を鋭く裂いた。
一瞬、空気が震え、誰かの叫びが遠くで反響する。
そして、すべてが静まり返る。
倒れた男の傍らに立つ青年は、銃を構えたまま、微動だにしなかった。
その指先だけがわずかに震えていた。
赫。
カフェ店員として日々を過ごしながら、裏では確実な仕事をこなす殺し屋。
ふと、倒れた男の顔に目をやる。
無名の標的。
依頼によって“処理”すべきただのターゲット。
……そう思っていたはずだった。
だが、その顔に、赫は覚えがあった。
そのわずかな違和感が、確信へと変わる。
──組織の人間だ。
目立たぬ型のスーツ。
磨き込まれた靴。
袖口に仕込まれた通信端末。
ほんの数秒で、赫はすべてを読み取っていた。
裏社会の人間は、服の仕立て、動きの癖、持ち物の僅かな仕様で互いを見分ける。
それは“殺し屋”として生きる者の、最低限の嗅覚だった。
赫の喉がわずかに動く。
濡れた路地の匂いを鼻先で吸い込みながら、低く呟いた。
# 赫
# 赫
その声には、怒りでも恐怖でもなく、諦めにも似た静けさが滲んでいた。
翌朝。
都内の片隅にあるカフェ《Hima》。
朝の喧騒からやや外れた立地にありながらも、常連の姿はちらほらと見られる。
店内の奥、キッチンではなつが黙々とコーヒー豆を挽いていた。
無駄な音ひとつ立てず、淡々と、慣れた手つきで機械を扱う。
一歩下がった位置で、らんとすちがそれを見ていた。
気配を殺すように立つ二人の間に、緊張が張りつめている。
# 桃
コーヒーの香りにまぎれて、らんが問いかける。
なつは短く頷いた。
# 赫
# 赫
# 赫
# 赫
すちはいつの間にか、手元のスケッチブックを閉じていた。
その中には、昨夜倒れた男の姿が、まるで肖像画のように克明に描かれていた。
# 翠
小さく呟くその声には、わずかな愉悦と狂気が滲む。
# 翠
# 翠
# 翠
# 翠
すちの声は、冗談のようにも聞こえるし、本気のようでもある。
誰にも彼の本心はわからない。
なつでさえも。
# 赫
# 赫
なつの瞳が細められる。
その奥には、長年磨かれた直感と、不穏な未来の影が映っていた。
# 赫
なつは、名前を口にするたびに、わずかに声を落とした。
# 赫
その頃、あるビルの一室。
表向きは警備会社の事務所を装っているが、内実は“観測部隊”の拠点だった。
薄暗いモニターの前で、茈は黙って映像を眺めていた。
再生されているのは、昨夜、赫が撃った映像。
死体の位置、血の飛び方、銃弾の角度、発砲音の反響。
それらを見ながら、茈は微かに目を細める。
# 茈
誰に問いかけるでもないその呟きは、驚きではなく、確信だった。
撃ち方でわかる。
癖がある。
彼のように、対象の胸を正面から迷わず撃ち抜く奴は、そう多くない。
そして何よりも——茈は赫のやり方を、誰より知っていた。
それなのに。
胸の内に湧いたのは、怒りでも焦りでもなかった。
それは、わずかに安堵に似た感情だった。
# 茈
# 茈
茈は微笑んだ。
懐かしさと、ほのかな痛みを孕んだその笑みは、かつて“六色”と呼ばれていた時間を、ふと思い出させるものだった。
# 茈
一方、瑞は、自室の机に並べられた薬品の瓶を見つめていた。
手袋越しの指先が、細かく計量された粉末を混ぜ合わせる。
その動きは精密機械のように無機質で、表情も感情もなかった。
# 瑞
# 瑞
その声に、誰かが応じるわけではなかった。
だが、背後の空気が微かに揺れる。
壁にもたれた男がいた。
黈——その姿は影のように静かで、目だけがすべてを射抜いていた。
# 黈
瑞は答える。
# 瑞
黈は肩をすくめるように、小さく息を吐いた。
# 黈
# 黈
その言葉に、瑞の眼差しがわずかに揺れた。
しかし、それを押し潰すように、冷たい声で返す。
# 瑞
まるで、何かを思い出すことすら許さないように。
すべてを消し去るように。
その日の夜。
カフェの営業を終えた赫は、一人で人気のない通りを歩いていた。
街灯の光が路面を照らし、時折、夜風が看板を鳴らす音だけが聞こえる。
ふと、路地の先に気配を感じた。
立っていたのは、スーツ姿の男。
淡い紫のシャツ。
落ち着いた足取り。
そして、変わらぬ微笑み。
——茈だった。
# 茈
赫は歩みを止め、数メートル先にいる茈を見つめる。
# 赫
互いに間合いを取ったまま、動かない。
銃も、刃も抜かれない。
ただ、言葉だけが行き交う。
# 茈
# 茈
茈の声は、穏やかだった。
# 赫
# 赫
沈黙が落ちる。
一瞬、風が通り抜け、紙くずを宙に舞い上げる。
# 茈
# 茈
# 茈
赫は目を伏せた。
短く、深く、息を吐く。
# 赫
# 赫
茈は問いかける。
# 茈
赫は即答しなかった。
# 赫
茈は、微笑のまま言った。
# 茈
赫は、その言葉にうなずくことも否定することもせず、ただ答える。
# 赫
茈は静かに背を向けた。
その足音が闇に消えるまで、赫は立ち尽くしていた。
その夜、赫は夢を見た。
まだ名前を持たなかった頃。
色だけで呼び合っていた頃。
何も知らずに、ただ一緒に笑っていた——六人の記憶。
そして、それらすべてを引き裂いた、あの日のこと。
#2・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡30
rara🎼
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