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第1話 - あ

2023年12月23日

#恋愛

結城　真矢

ヒカリ

ごめんナオト

ヒカリ

約束してた成田の花火大会いけなくなっちゃった

ナオト

まじで？

ナオト

何か急用でも入っちゃったの？

ヒカリ

急におばあちゃんの体調が悪くなっちゃっておばあちゃんちにいかなくちゃいけないくなっちゃったの

ヒカリ

ごめんね前から約束してたのに

ナオト

いいよべつに

ナオト

それはしょうがないからね、全然気にしないで

ナオト

おばあちゃんの体調がよくなるといいけど

ヒカリ

うん

ヒカリ

もう結構年だからいつ会えなくなるかわからないし

ナオト

花火大会は来年もあるからね

ナオト

きっと俺たちは来年も付き合っているだろうから来年こればいいよ笑

ヒカリ

ありがとうナオト笑

ヒカリ

こんど学校の購買でなんかパン奢るね笑

ナオト

ラッキー、焼きそばパン貰いっ！

ヒカリ

ほんとナオト楽しみにしてたのに

ナオト

俺浴衣まで買ったからね笑新しく笑

ヒカリ

ほんとにごめん〜

ナオト

別にヒカリのせいじゃないから

ナオト

俺はタイガでも誘っていってくるわ笑

ナオト

あいつどうせ今年も彼女いなくて一人で寂しく引きこもってると思うからさ

ヒカリ

え？タイガ？

ヒカリ

どうだろう最近タイガなんか忙しそうだったよ

ナオト

そうなん？

ナオト

聞くだけ聞いてみるよ

ヒカリ

うんわかった

〜タイガのチャットルーム〜

ナオト

おっす〜

ナオト

成田の花火大会行く人なくなっちゃったからタイガ行こうぜ〜

ナオト

俺が寂しいお前を助けてやるよ

タイガ

成田の花火大会？

ナオト

そう

ナオト

元々ヒカリと行く予定だったんだけど家の用事で行けなくなっちゃってさ

ナオト

だから代わりにその日はタイガがヒカリの代わりになってよ

ナオト

１日だけ俺の彼女にしてあげる

タイガ

いやだよきもちわりーな笑

タイガ

ごめん俺もその日予定あるんだよね

ナオト

ハー！？

ナオト

なんだよお前もかよ〜

ナオト

つれないな

ナオト

なんの予定があるの

タイガ

お母さんの親戚の家に行ってご飯食べに行くんだって

タイガ

従兄弟が結婚したからその顔合わせ食事会についていかなくちゃいけなくて

ナオト

お母さんの従兄弟が結婚って結構遠くね？笑

ナオト

タイガに限ってはほぼ他人じゃん笑

タイガ

血縁だけで行ったらね笑でも結構前からこっちの家にもきてたし

タイガ

昔はよく一緒に遊んでくれてた人だから仲はいいよ

ナオト

そうなんだ

ナオト

くそ〜今年は俺がぼっちか

タイガ

別に無理していかなくてもいいじゃん

タイガ

地元なんだから

ナオト

それもそうだけどさ

ナオト

なんとなく外がお祭りで賑わってたら外に出たいじゃん

タイガ

今年ぐらい家でゆっくりしてなよ

タイガ

家の中で花火の音だけ聞くのもなかなか感慨深いものだよ

ナオト

そうですかね

ナオト

じゃあ今年はそんな親友のアドバイスをきいて家でゆっくり読書でもしてますよ

ナオト

俺休みの宿題の読書感想文まだ書いてないし

タイガ

早く書きなよ笑今回の課題図書結構面白かったよ

タイガ

ちょっと分厚いから読むのに時間かかるけど

ナオト

俺さ文字だけの本ってあんまり気が進まないんだよな

ナオト

漫画の方がわかりやすいしサクサク読めるし面白いじゃん

タイガ

小説と漫画では表現できる方法が違うから違う面白さがあるんだよ

タイガ

文字では表すのが難しいものを絵で簡単に伝えられるのが漫画のいいところだし、

タイガ

逆に絵で学ことのできない表現を事細かに言語化して伝えることができるのが小説だからね

ナオト

文字だらけの本って開いた瞬間眠くなるんだよな

ナオト

とりあえず花火大会はいけないってことね

タイガ

ごめんね

ナオト

今年は家に引きこもるかあ

〜タイガとヒカリのチャットルーム〜

ヒカリ

タイガ、ナオトに花火大会に誘われた？

タイガ

さっき誘われたよ

タイガ

なんかすげー申し訳ない気分になっちゃったんだけど

ヒカリ

大丈夫だよ笑ナオトって結構すぐに別のことに夢中になるんだから私といけなくなったことのショックなんてもうないよ笑

タイガ

いやそういうことじゃなくて

タイガ

親友の彼女と一緒に内緒で花火大会行くってすげー罪悪感

タイガ

やっぱり俺たちこんなのやめた方がいいって

ヒカリ

なんで今更そんなこといいだすの！？

ヒカリ

タイガ、私に花火大会に言ってもいいよって言ってくれたじゃん！

タイガ

それは俺はナオトとも仲がいいからヒカリとは付き合えないって言ったら大声で泣き続けるから

タイガ

泣き止ませるために、花火大会に行くぐらいならいいよっていったんだよ

ヒカリ

私のこと好きじゃないの？

タイガ

好きだよ

タイガ

正直ナオトには申し訳ないけどヒカリには恋愛の気持ちも芽生えちゃってる

タイガ

だからすごい困ってるんだよ俺は

ヒカリ

大丈夫だよ笑タイガ優しいから気にしすぎなんだって笑

ヒカリ

私だってナオトもタイガもどっちも好きだよ？

ヒカリ

私は恋人を一人に絞るなんてすごい勿体無いと思う笑

ヒカリ

だからこうやって二人と安全に付き合う方法として、ナオトには内緒で私たちも付き合おうよってこと

タイガ

ちょっとよくわかんなくなってきた…

タイガ

でも結局は浮気をしてるってことだよね？

ヒカリ

簡単に言ったらそうなっちゃうけど

ヒカリ

でも私たちはそんな下品な表現じゃ収まらないもっと複雑なものだと思うの！

ヒカリ

もう難しいのはやめよう！とにかく花火大会を楽しもうね笑わら

タイガ

わかったよ

ヒカリ

私、タイガのこと大好き！付き合ってくれてありがとう！！

〜数週間後〜

ヒカリ

花火大会すごい楽しかったね笑笑

タイガ

すごい綺麗だったね

タイガ

同じ学校の奴らに見られてないかすごい怖かったんだけど

ヒカリ

大丈夫でしょ笑

ヒカリ

離れたところから見てたし、屋台回る時もずっとお面つけてたじゃん笑

タイガ

そうだといいんだけどね

タイガ

やっぱり俺、この関係やめた方がいいと思う

ヒカリ

なんで！？

ヒカリ

私と一緒にいるのがつまらなかったの！？

タイガ

そんなことないけど

タイガ

むしろたのしかったけどやっぱり俺は同じくらいナオトのことも好きだから

タイガ

親友のことを裏切り続けたくない

ヒカリ

なにそれ！？

ヒカリ

意味わかんないんだけど！

ヒカリ

私もタイガが好き、タイガも私が好き

ヒカリ

じゃあ一緒に付き合えばいいじゃん！ナオトにバレたくないならバレないようにすればいいじゃん！

ヒカリ

私はタイガがなにをしたいのかがわかんない！

タイガ

俺は友達を裏切り続けるようなことはしたくない

タイガ

なんでおれに告白する前にナオトと別れてこなかったの？

タイガ

俺のことが好きならナオトと別れてから告白するのが普通じゃない？

タイガ

俺は胸を張って離せないようなことはしたくない

ヒカリ

なにそれだっさ

ヒカリ

私はただタイガもナオトも好きなだけ

タイガ

じゃあ先にそれをナオトに伝えなよ

タイガ

どうしてナオトに隠してるわけ

タイガ

自分の気持ちを

タイガ

ナオトに隠して俺に告白してきたんでしょ？

タイガ

自分の中でもどこか誠実じゃないって思っているからじゃないの？

ヒカリ

いきなりなに

ヒカリ

わたしをつめないでくれる？

ヒカリ

タイガは気にしすぎなんだよ

〜タイガのチャットルーム〜

タイガ

おっす

ナオト

どうしたタイガ

タイガ

実はお前に話したいことがあるんだけど

ナオト

なに？

ナオト

なんだよ改まって笑

タイガ

実はお前に隠してたことがあるんだよ

タイガ

成田の花火大会、ヒカリと一緒に行ってた

タイガ

お前に内緒で

タイガ

ほんとうにごめん、お前のこと裏切ってた

タイガ

実は前から俺もヒカリのことが好きで、最近ちょくちょく二人であったりしてた

タイガ

本当にごめん

タイガ

謝って許してくれるとは思ってないけど、それでも黙っておくわけにはいかなくて

ナオト

いいよ別に

ナオト

俺知ってたよ

タイガ

え？

ナオト

花火大会の日、課題図書を学校に置いてきたままだったことに気がついて結局図書館まで行くために成田の方行ったんだよ

ナオト

そしたらお前とヒカリが浴衣着て楽しそうにしてるところを遠目から見つけてさ

ナオト

ああ、そういうことかって思ったよ

ナオト

でもいいんだよ

ナオト

タイガがめちゃくちゃ悪い奴じゃないってことは知ってるからなんか俺の知らない事情が二人をああしてるんだろうなって

ナオト

だから別にそんなに怒ってない

ナオト

それに俺はタイガならいつか俺に正直に話してくれるだろって信じてたからな

ナオト

親友だし

タイガ

ナオト本当にごめん

タイガ

まじでごめん！

タイガ

なんで俺ナオトのことを裏切っちゃったんだろう

タイガ

本当にごめん！

ナオト

いいよいいよ、もうこの話やめようぜ

タイガ

でもおれこのままじゃ

ナオト

そしたら次の部活の時、帰りにアイス一個奢れよな

ナオト

これでチャラ

タイガ

ありがとう

タイガ

ほんとうにありがとう

〜ヒカリのチャットルーム〜

ヒカリ

なんか最近返信遅くない？

ヒカリ

もしかしてもう私のこと嫌いになっちゃったの？

ヒカリ

お願い、嫌いになったらなら嫌いになったって言って

ヒカリ

私、悪いところは治すから

ヒカリ

どこが気に食わなかったのか教えてよ

ナオト

俺に何か隠してることない？

ナオト

花火大会の日、なにしてたの

ヒカリ

へ？

ヒカリ

もしかして知っちゃったの？

ナオト

うん、色々あって

ナオト

別にタイガから聞いたわけじゃないよ

ナオト

俺あの日図書館行く途中で二人のこと見かけたんだよね

ヒカリ

今更謝っても遅いと思うけど

ヒカリ

ごめんね

ヒカリ

でもあれは本当に私行きたくなかったの

ヒカリ

タイガが私のことが大好きでどうしても付き合ってくれっていうから

ヒカリ

私断りきれなくて

ヒカリ

それでむりやり花火大会いけないってナオトに嘘をつけって言われたの

ヒカリ

私本当はナオトといきたかったんだよ！？

ヒカリ

これは本当なの！

ヒカリ

でもナオトとタイガが仲がいいから私のせいで二人の仲が悪くなったらすごい嫌だからわたし

ヒカリ

ごめんこんなの言い訳だよね

ヒカリ

ナオトくんに嘘ついたのは事実だから

ヒカリ

それはごめんね

ナオト

わかった

ナオト

いいよ許してあげるよ

ナオト

でも別れよう

ヒカリ

ごめんなさい！

ヒカリ

お願い許して！私は別れたくない！

ナオト

だから許すって

ナオト

別に怒ってはないけど、普通に別れようよ

ナオト

俺もうヒカリのこと信用できないし

ヒカリ

おねがい！これからはもう嘘つかないから！

ヒカリ

絶対にナオトのことを裏切らないよ！

ヒカリ

本当だから

ナオト

いいよいいよ、大丈夫

ナオト

俺はもう信用できないから

ヒカリ

どうして！

ヒカリ

お願いチャンスをちょうだいよ！

ナオト

じゃあ俺にまだ嘘ついてることない？

ヒカリ

ない！もうないよ！

ヒカリ

花火大会の日のことは謝るから！

ナオト

じゃあタイガとのラインのスクショ見せて

ナオト

本当にタイガがむりやりヒカリを誘ってるのか確認するから

ヒカリ

それは

ヒカリ

直接誘われたから履歴とかないよ

ナオト

それでもチャットの雰囲気で大体わかるでしょ

ナオト

もし送れないならタイガに頼んで送ってもらうけど

ヒカリ

それはいやだ

ヒカリ

ごめんなさい

ヒカリ

嘘つきました

ナオト

だよね、タイガはそんなやつじゃない

ナオト

さっきタイガから謝罪のラインが来たんだけどさ、

ナオト

あいつはまったくヒカリのせいにしてなかったよ

ナオト

ただ、自分もヒカリに好意があって俺に内緒で付き合ってしまったって謝罪だけ

ナオト

ヒカリみたいに言い訳したり他の人のせいにしてなかった

ナオト

だから信用できないんだよもう

ナオト

あれだけもう嘘つかない！信用して！っていってるのに

ナオト

嘘ついてるんだもん

ヒカリ

ごめんなさい

ヒカリ

ほんとうにもうしません

ヒカリ

嘘もつきませんから

ナオト

いいよそんなにあやまらなくて

ナオト

本当に怒ってないから笑

ナオト

でもこれからもうヒカリとはあんまり関わりたくないから

ナオト

わるいけどラインもブロックさせてもらうね

ナオト

今までありがとう

〜後日談〜

ナオト

そのご、学校でもしつこくヒカリに謝罪されすこし面倒になりました

ナオト

どこであろうとお構いなしで大声で謝罪して泣き出したりするので流石に勘弁してほしいと思い、

ナオト

復縁することはもうない、次迷惑をかけたら本気で怒るからとすこし強い口調で怒ったら大人しくなりました

ナオト

タイガとはいまでも仲良しで親友のままです

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結城　真矢

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