らふわー。
🍖×🎤 【彼はクラゲ】
らふわー。
らふわー。
🎤
彼は…そう呟いていた
その声は、何処か儚げで… 少しだけ…誇らしげな声に聞こえた
🍖
僕は、その呟きに、いつもそう返していた
そして、決まってその言葉の後に
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🎤
🎤
🍖
こんなんくだらない会話をする。
🎤
彼は水族館が好きだ
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🎤
いや、言葉を間違えた、
🍖
僕が好きにさせてしまったのかもしれない。
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同じ日が繰り返されている感覚…
今日は蒸し暑い…7月10日
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🍖
🎤
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今日も笑顔で挨拶してくれる彼…
その笑顔は太陽みたいに眩しくて、 海月の様に儚かった
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🎤
朝ご飯を毎日作ってくれる恋人…の彼
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🎤
🍖
🍖
🎤
🍖
🎤
🍖
🎤
料理が得意で…自分に甘い彼
そんな彼が好き…
🎤
少し前に話していた事は忘れた…
多分、あまり興味が無い話をしていたからだと思う
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そう笑って返してくれる彼…
🎤
そう言うと、
🍖
少し意地悪そうに笑う彼…
どの表情も、どの仕草も好き…
カレンダーを見て7月10日に✕を書く
今日が終わった印だ
🎤
昨日誕生日を祝ってらって
…楽しかったし、嬉しかったな
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🎤
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いつもと同じように起きてきた彼に挨拶をする
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この言葉を何百回言ったのだろう
🎤
彼のその言葉の返しも…
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🎤
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この会話も…
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この料理も…
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🎤
🍖
🎤
この笑顔も…
何度…何度!見た事か…!
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朝ごはんの数時間後に…そう呟く彼も…
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こんな、答えが分かりきった質問をする言葉も
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🎤
🎤
何度も聞いた理由も…
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最初は冗談のつもりで言っていたこの言葉は、最近は
本当の願いになって
🎤
水族館の話を楽しげにする彼も…
🍖
全て…全て知ってる
僕には脳があるから…覚えているから
🎤
あれ…
🎤
いつも元気に挨拶してくれる彼が居ない
何処にも…何処にも…
🎤
机には1枚の手紙…
それと…冷めきったパスタとハンバーグ
🎤
手紙を開けるのが怖い…
このご飯は?…いつからあった?
昨日は、俺の誕生日で…
Broooockは居た…
🎤
じゃあ…今日どこかに行った?
とりあえず…手紙を読まないと…
ペラッ…「手紙を開ける
きんときへ 僕はもう疲れました。 同じ日を繰り返して、 同じように毎日君に接して 同じ言葉、行動、仕草、全てするのが疲れました 最後まで側に居てあげたかったけれど 僕が先に壊れ始めました なので、もう君から遠い所に行きます このまで読んでも分からないかもしれないので、 ちゃんと言っておきます、きんさんは 今、7月10日にした行動を毎日しています 障害と言っても間違っては無いかもね。 自分勝手でごめんね、 今までありがとう、きんさん 僕はずっとなりたかったクラゲになります さよなら、きんとき Broooockより
🎤
分からない…分からない…分からない
何が?どういう事?
🎤
🎤
Broooock、ドッキリか何か?
だって昨日、楽しそうに笑って、
俺の誕生日祝ってくれたじゃん…
🎤
🍖
🍖
僕は今日…ここでクラゲになるって決めた
この海は、思い出の場所だから
🍖
だって…
毎日同じ行動をして、同じ言葉を話して
まるで…脳の無いロボットみたいで
🍖
🍖
🍖
🍖
🍖
─彼はクラゲ─
らふわー。
らふわー。
らふわー。
なう(2025/04/26 00:45:16)
コメント
2件
心にグッとくるような話でした!続きがあるなら読んでみたいです