ヒカ
にいちゃん。好き。
兄弟でのコラボ撮影の後、弟宅のソファでくつろいでいると、急に弟が兄に覆いかぶさった。
セイ
!? なんだ、急に
ヒカ
好きだから好きって言ってんじゃん
にいちゃんは??
ヒカ
にいちゃん俺のこと好きだろ?
セイ
そりゃ実の弟だ 好きに決まってるだろ なんなんだ 離れろ
ヒカ
なんで怒ってんだよ〜
セイ
急に変なこときくから…
急に真面目な目つきになり弟は続ける
兄の華奢な両手首を掴み、真っ直ぐと見つめながら
ヒカ
変じゃねえって。俺マジで好きなのよ。兄弟としてとかじゃなくてさ
ヒカ
引くなよ 好きだ
セイ
………
セイ
なんで今更…
ヒカ
今だから言えるんだよ
もう兄貴には家族がいる 言ったところで何も変わらないだろ。ただ俺がもう言いたくて我慢できなかったわけ。まあ忘れてくれや
掴んでいた腕の力を緩め 少し離れた場所に座る弟 兄はため息まじりに話す
セイ
馬鹿か 言われた方の身になれお前
セイ
変わらないわけないだろ
セイ
どうすんだ もう
ヒカ
どうしたの?ごめんって…
顔あげてくれよ
セイ
見せられるわけないだろ!
ヒカ
…!
セイ
お前…わかってたのか
ヒカ
うん ごめんね。悩んでた。迷ってた。確信がなかったから言えなかった。
ヒカ
そうしてるうちにだって結婚しちゃうんだもん。もう俺への気持ち無くなったんだなって、ショックだったけどさ その方がいいに決まってるじゃん
ヒカ
でも良かったなって。これでスッキリ諦めるもんね。
セイ
じゃぁなんで…
ヒカ
それが、あきらめられなかった
セイ
ハア…
ヒカ
だから最終確認したかった。これで引かれたり振られればマジで諦められるから わかってるからにいちゃん。大丈夫
セイ
逆に俺がお前のことまだ好きだとして 俺も好きだなんて言ってみろ。すげー不誠実な奴だぞ。そんな奴好きかよ
ヒカ
好きだよ
セイ
…!!もうやめろ…
ヒカ
普通じゃないもんなこんなの
セイ
あたりまえだろ…
ヒカ
わかった。ごめん もうなかったことに
セイ
できないよ
セイ
これが正しいかわからないし
っていうか大間違いかもしれない
セイ
それでもお前への気持ちは間違っていると思ったことはない
ヒカ
兄貴?
セイ
俺は 不誠実なやつなんだ
セイ
炎上もいいとこだぞ
ヒカ
え?え? 嘘だろ?
信じられない
頭を抱え笑ったような泣いたような声を出す弟に兄は手を伸ばし頬に触れる
セイ
ずっと苦しませてきてごめん
セイ
好きなんだ 俺も
セイ
ずっと昔から…本当にごめん
ヒカ
…!兄ちゃん…!!
ヒカ
付き合いたいとか そんなことは言わない、言えない、できればみんな悲しい思いさせたくない でも今日は無理だ…嬉しいよ…ニイチャンを独り占めしたい…
セイ
泣くなよ…お前はもう何も考えなくていいんだ、お前を苦しませてきた分の償いにはならないかもしれないけど…今日はお前の好きにしてくれるか…?
ヒカ
好きだ…好き…
セイ
んん…っ
貪りつくように兄の唇を奪い、舌を入れる。お互いの中心が熱くなっていくのを感じた。
息が苦しくなるほど長く深く抱きしめ合い、何度もキスをした。
沢山の不安やこれからのことを考える余裕もなく、この時ばかりは目の前の人間を愛することに溺れていった。