テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
朝の教室。 窓から差し込む光が、机の上を静かに照らしていた。 颯真は、いつも通り窓際の席に座っていた。 ノートを開いて、ペンを持っている。 でも、ページは進んでいない。
そこへ、大翔が教室に入ってくる。 颯真の隣まで来て、少しだけ立ち止まる。
大翔
その声は、昨日までと同じようで、少しだけ違っていた。
颯真は顔を上げずに、短く返す。
颯真
沈黙が流れる。 その沈黙の中に、二人だけが知っている“何か”があった。
大翔は椅子に座りながら、ちらりと颯真の横顔を見る。
大翔
颯真
大翔
颯真は、ペンを動かしながら、ぼそりと返す。
颯真
大翔
颯真
二人は、目を合わせずに言葉を交わす。 その距離は、昨日よりずっと近かった。
チャイムが鳴る。 教室がざわつき、先生が入ってくる。 机の下、大翔の指先が、そっと颯真の袖に触れる. 颯真は何も言わずに、それを振り払わなかった。
昼休みのチャイムが鳴ると、教室は一気にざわつき始めた。 弁当を広げる音、笑い声、廊下へ向かう足音。 颯真は、いつも通り自分の席で弁当を開いていた。 その隣に、大翔が椅子を引き寄せて座る。
大翔
颯真
大翔
颯真は、箸を動かしながら、ちらりと大翔を見る。
颯真
大翔
二人は、笑いながら弁当を食べる。
大翔が、ふと声を落として言った。
大翔
颯真は、箸を止めて大翔を見る。
颯真
大翔
颯真
大翔
颯真は、少しだけ目をそらして、ぼそりと返す。
颯真
大翔
その言葉に、颯真は一瞬固まる。 そして、唐揚げをひとつ口に放り込んでから、スマホを取り出す。
颯真
大翔の顔がぱっと明るくなる。
大翔
颯真
大翔
颯真は、スマホを差し出しながら、目をそらしたまま言う。
颯真
授業が終わり、校舎の影が夕陽に染まり始める 昇降口で靴を履き替えながら、颯真はちらりと大翔を見る。
颯真
大翔
颯真
ふたりは並んで歩き出す。 校門を出て、住宅街の細い道を抜ける。 話す内容は他愛もないことばかり―― 今日の授業、部活のこと、好きなアイスの味。 二人の歩幅は自然と揃っていた。
途中、大翔がふと言う。
大翔
颯真は、前を向いたまま答える。
颯真
大翔
颯真
その言葉の後、颯真の横顔には、少しだけ笑みが浮かんでいた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!