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文スト闇

3 - 乱歩闇(長め)

♥

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2023年03月24日

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乱歩

社長

乱歩

待って!ダメだよ社長!

乱歩

いくら社長でも……っ、死んじゃうよっ…!!

社長

大丈夫だ。乱歩、お前は戻れ

乱歩

……嫌

社長

何故だ

乱歩

社長と一緒に居る、

社長

はぁ……分かった、でも乱歩、隠れておけ

社長

お前を命の危機には晒したくない

乱歩

分かった、……

社長

行くぞ乱歩

乱歩

はーい…っ!

僕は何故あの時、社長をもっと強く 止めなかったんだろう。

乱歩

社長!!社長!!!

社長

ら……っぽ、逃げ…っ

乱歩

大丈夫、彼奴らは僕がやっといたから、

乱歩

だから…だから……!!

社長

乱歩、落ち着けっ……

乱歩

……っ!!

社長

いいかっ…よく、聞け……

社長

お前に社長っ…を、譲る、

社長

お前が……っ、彼奴らを、守れっ…

乱歩

ダメ!!ダメだよ社長!!

乱歩

社長は……社長じゃないと…っ!!

社長

お前は……っ、お前の生きたいように、生きろ、

社長

だが……っ、命に関わることっ…無理に、するな、

乱歩

……っ

社長

お前は…っ、まだ、若いん、だ

社長

カチャッ((乱歩の眼鏡を外す

乱歩

社長!!!!

乱歩

早く……怪我を…

乱歩

まだ…逝っちゃ……

それから何時間立ち尽くしただろう。

恐らく今頃、 探偵社の皆は僕を探してる。

でも名探偵の僕がいないから、 時間がかかっているんだろう。

名探偵……もう、そんなの要らない

僕は、名探偵じゃない、

社長を止めれなかった 守れなかった、 救えなかった、

何も出来ない名探偵なんて、 名探偵じゃない……っ

太宰

居た…!居たよ国木田君!

太宰

乱歩さん!大丈夫ですか?お怪我は…!!

乱歩

太宰……

乱歩

僕、どうすればっ…

乱歩さんは後ろを背を向けたまま、 問いかけてくる。

太宰

え?

乱歩さんの目線の先を見る

太宰

社長……?

乱歩

僕の……せいだ、僕のせいで、社長は……っ、

そこをみると割れた眼鏡、 ボロボロになった帽子、 何時もと何かが違う乱歩さん。

乱歩

名探偵なんか…クソ喰らえだ、(((ボソ

太宰

乱歩さん、帰りましょう、皆待ってます、

乱歩

……

乱歩さんは社長の上着を持って 立ち上がった

乱歩

いこ、太宰

口角だけ上がった 引きつった笑顔。

太宰

あ……はい、

太宰

その……眼鏡、大切な物なんじゃ…

乱歩

……要らない

乱歩

あんな……っ、あんなの…っ!!

乱歩

フラッ……

太宰

おっ……と、大丈夫ですか、?肩かしますよ、

乱歩

……いい、大丈夫

あれ……僕、何時もどうやって 話してたっけ

生意気で、……それから…

国木田

乱歩さん!ご無事で何よりです…!

国木田

でかした太宰、!

太宰

……

乱歩

……スタスタ

国木田

乱歩さん、?

太宰

国木田くん、今は1人にしといてあげて、

国木田

……? あぁ、分かった。

空き部屋。此処は僕のお気に入りの場所

此処を知っているのは 僕と社長だけだった。

僕と社長の……大切な場所。

乱歩

モグモグ

美味しかったはずの駄菓子も、 今や味すらしない。 何も感じない。

美味しいのは分かる。 あんなに好きだったんだから。

乱歩

う゛ッ……

猛烈な吐き気がした。

乱歩

ゴクッ……ふうっ…

何とか抑えられたけど、 みんなの前でこうなってしまったら どうしよう。

大丈夫ですか?トイレ行きましょうって 声をかけてくれるのかな。

もう、これ以上僕に優しくしないで、

社長を殺した僕に、 幸せを感じる権利なんかないから

独りぼっちの世界に、 色を与えてくれたのは社長だった。

幼い頃に親をなくして、 それからずっと 自分がなんなのか分からなかった

社長はあの時から10年以上、 ずっと一緒にいた。

社長は母さんのように 叱ってくれて、褒めてくれて、

嬉しかった。 僕を認めてくれる人がいるって。

社長の上衣は暖かい。

血で汚れている所もあったけれど、 洗う気はない。

そもそも洗い方を知らないし、 これだって、社長の形見だ

これを洗えば、社長の形見を ひとつ捨ててしまうみたいな 気がして、

乱歩

戻らないと、

僕は社長じゃない。

社長が還って来るまで、 代理としてやるだけ。

僕は、社長が還って来るのを 信じてる。

乱歩

ねぇ、国木田

国木田

あ、なんでしょう乱歩さん

乱歩

紙とペンくれない?

国木田

紙とペン……ですか?それなら此処に…

乱歩

ありがと

乱歩

じゃあねー

国木田

は、はぁ……?

小説。それは、いくら 作り話をしてもいい場所。

それなら、此処で 社長を作ればいい。

かつて僕に優しくしてくれた 社長を。

国木田に貰ったペンと紙を握りしめて 手を動かす。

数時間手が痛くなるまで 書き続けた。

自分で見ても 莫迦らしい内容だと思う。

でも僕はこれで良かった。

例え妄想の中でも、 僕の社長はずっと生きてるんだ。

其れからは 誰かの為の小説を書いてみたいと 思うようになった。

社長が居場所を与えてくれたように、 僕も誰かの生きる理由に なってみたい。

ガチャ

戸を開ける音が 部屋に響いた。

国木田

乱歩さん?何か書いているんですか?

乱歩

なんだ、国木田か……

乱歩

なんでもないよ、後ペン、ありがと

国木田

あ、いえいえ、これくらいは……

乱歩

じゃあ僕は帰るね〜

何故か寝れない。

何時もは死んだように 眠りにつくのに、寝れない

乱歩

そうだ……小説…

気を紛らわらそうと 紙を手に取る

乱歩

あれ…、社長の外套、ペン入ってる

黒くて古びたペン。 でも使えそうだったし、折角だから これで書こう。

乱歩

あとはラムネを用意して…

味を感じないとは故、 頭を使うんだ。 ブドウ糖を取っておこう。

乱歩

誰かを救える小説……って、何処で見てもらえば……

僕はスマホの使い方も よく分からないし、パソコンも 文字を打てない。

最悪、調べ物ができるくらいだ

乱歩

((そういえば駅前の本屋に自由展覧会場があったよな……

乱歩

((確か名前と題名、後は何号かを添えればいいんだよね?

乱歩

((なーんだ、簡単じゃん

乱歩

でも……ペンネームどうしよう、

乱歩

……

悩みに悩んだ結果、 社長の名前からとる事にした。

ペンネーム 『hukuzawa____R』

乱歩

ローマ字ってこれで合ってるのかな……?

そこからは時間を忘れて 黙々と書いていった

乱歩

……出来た、!

我ながらいい作品だ。 これで展示しよう。

乱歩

えっと…後はペンネームと、題名…

乱歩

題名……

乱歩

海底の魔術師、っと……

題名は直感で付けたものだけど、 これも中々いいと思っている。

ピピピッ

社長から貰ったアラームが鳴る。

時間なんて気にせずに 書いていたから、朝になっていることも 気づかなかった。

乱歩

((あーあ…出社しないと、

鞄を取り出して、中に 黒色のペンと原稿用紙を詰めて 寮を出る。

乱歩

えっと……展示はここで合ってるかな

乱歩

へぇ、感想箱があるんだ

乱歩

明日見に来てみようかな、

自分の書いた作品をそっと 展示場に置く。

自分の書いた物が、 こんな所にあるなんて 少し恥ずかしい。

自分の作品に感想が付くとは 思ってはいないけど、 少し期待してしまう

乱歩

((この小説、社長にも読んでもらいたいなぁ……

乱歩

((社長だったら、褒めてくれるのかな、

そんな事を考えながら 探偵社に足を運ぶ。

乱歩

おはよーございまーす

太宰

国木田くーん

国木田

なんだ太宰

太宰

呼んでみただけ〜

国木田

((イラ

乱歩

((平和だなぁ……

乱歩

フラッ……

うわわっ!?ら、乱歩さん大丈夫ですか……!?

乱歩

え…あ……

一瞬意識を失った。 何時も十分寝てるから、体が 持たないのだろう。

乱歩さん!?高熱ですよ…、医務室に行きましょう、!

乱歩

僕は大丈……

乱歩

うわっ!

行くんです!

乱歩

……ムスッ

乱歩

僕はほんとに大丈夫だから……

ダメですよ乱歩さん!

((今日与謝野さん居ないんだった…どうしよう、

えっと……と、とりあえず体温計、

熱計ってください!

乱歩

( -᷅ ̫̈-᷄ )チッ

ピピピッ

38.9

乱歩

((うげっ……

やっぱり高熱じゃないですか…

えっと…こういう時ってどうすれば…

国木田

国木田さん、どうしたんですか?

国木田

乱歩さんの事は任せろ。お前は仕事に戻れ

ありがとうございます!では……

国木田

乱歩さん、とりあえず氷枕です。何か食べたいものは……

乱歩

ない

国木田

え?あ……そ、そうですか…

乱歩

ねぇ国木田

国木田

は、はい、なんでしょう

乱歩

風邪って安静にしてたらいいだけで寝なくていいんだよね?

国木田

いや……ま、まぁ…

乱歩

バサッ((起き上がる

乱歩

鞄ちょうだい

国木田

あ…これ、ですかね。どうぞ

乱歩

ありがと国木田。戻っていいよ〜

国木田

いや、でもそれは……

乱歩

戻って?

国木田

は、はい!

ガチャ

乱歩

よしっ……

手が震えて文字が書けない。

乱歩

なんで……

乱歩

コロンッ

ペンを落としてしまった

乱歩

はぁ……((取り上げる

乱歩

今日は無理かな〜…

乱歩

とは言っても寝れないし……

ぼーっとするしかないなぁと 思っていた時

銃声が聞こえた。

乱歩

!?

乱歩

((急がないと……!!

乱歩

太宰!

太宰

乱歩さん!?

乱歩

頭を下げろ!

太宰

スッ((しゃがむ

乱歩

バンッ!

太宰

ありがとうございます…助かりました、乱歩さん

乱歩

ドサッ((座り込む

乱歩

((ダメだ…銃の反動が……っ、

太宰

大丈夫ですか、?熱もあるんですし……

乱歩

……水、

乱歩

水ちょうだい、

太宰

あ、はい!未開封の物です

乱歩

ゴクッ

乱歩

((良かった…戻すのは避けた、

太宰

バサッ((乱歩にコートをかける

太宰

さ、行きましょ

乱歩

……!!

乱歩

行くぞ太宰!ついてこーい!

太宰

乱歩さん、無茶はダメですよー!!

太宰

ただいま戻りました〜

乱歩

じゃ、太宰。僕は行く所があるから

太宰

え?あ、、、行っちゃった…

乱歩

((感想を読みに来たけど……

乱歩

((謎に混んでるな…

乱歩

((えっと感想箱は……

乱歩

((げっ……人が多すぎて道が塞いでる…

乱歩

((一体何して……

乱歩

((え?あの人が持ってるのって…

通行人

へぇ……この小説面白ぇぞ!

通行人

誰の小説だ?

通行人

えーっと……なんて書いてんだ?読めねぇ、

通行人

最後にRがある事しかわかんねぇな、

乱歩

((僕の……?

乱歩

((てか読めないって…やっぱローマ字間違ってた?

乱歩

((あ、道空いた

乱歩

((感想箱感想箱……

乱歩

((あった、

乱歩

((えーっと、海底の魔術師は…

乱歩

あった、!

『海底の魔術師/Rさん作 この小説は凄いと思います。 プロローグを見た時は何の話をして いるのか分からなかったんですが、 その話がどんな話なのか ストーリーが進む事にわかっていって 最後には全ての言葉の意味が分かる という考察のしがいがある小説でした。こんなに楽しめたのは 久しぶりです。また読みたいです。』

乱歩

((良かった…!ちゃんと響いてる、

乱歩

((社長、見つけたよ、

『僕の生きる意味』

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