猫は拾われました

クリスマス 午後23時

1人、誰もいない 白く寒い道を歩く

なんでこんな雪の中買い物に行くはめに…

クリスマスだからって酒飲んで騒いで

この時間に食べ物やら飲み物やら、 いろいろ足りなくなり、 誰が買い出しに行くかじゃんけんをした

そして負けた

酔ってるアイツらにそう言っても 無駄だということは分かりきっていたため あえて言わずに外へ出た

明かりが見えた

自動販売機

その強い光は雪に反射して眩しい

自動販売機に近づく

近づいていくにつれ、 自動販売機の隣のベンチに 何やら人影が見えた

ベンチの前に立つ

それは、よく見ると…

1人で叫ぶ いい加減起きてくれ

少女が起き上がる 生きていた

そんなことも分からないの？ とでも言いたげな目でこちらを見る少女

帰らない、という事は 帰る場所はあるということで良いのだろうか

とりあえず

遠慮がない

少女は頷く

少女は缶のココアを受け取る

何が言いたいのだろう

まさかココアを知らない なんてことは無いだろう

どうやら開け方を知らないらしい

少女のかわりに缶を開けて渡してやる

礼はしっかりと言う少女

ココアを飲み終わった少女は 空き缶を捨てにベンチから降りる

ふらふらとした足取りでごみ箱へ向かう

ガコン

缶を捨てこちらに戻って来ようとした少女は

少女は、倒れた