幸

幸せ

僕の家庭はどちらかと言えば

幸せな方だった

父母がいて兄弟がいて

お風呂もあってご飯もある

友達もいて

けど何故か足りなかった

兄弟達は

頭が良く

才能を持っていた

けど僕には何も無かった

いつからだろう

家族と僕の間に壁ができたのは

幸せなのはあっちだけで

僕は幸せでは無いと思い始めた

友達

勉強

運動

大会

テスト

全てにおいて僕はいつも下だった

幸せはいつも近いのに

手を伸ばしても届かなかった

僕も褒められたいだけで

認められたいだけで

受け入れて欲しいだけで

努力を認めてもらいたくて

頭を撫でてもらいたくて

小さなご褒美が欲しかっただけで

嫌われたいわけじゃないんだ

もっとこうしたらいいかな

もっと気をつけたら良くなるかな

そんなことをメモって気をつけて直して

そうしていくうちに

本来の僕が分からなくなってしまったんだ。

「なんでそんななの」

「どうして？」

「もっと頑張りなさい」

僕だって直したくて直してるんじゃない

僕の方が聞きたいよ、どうして？

これ以上頑張るってどうしたらいいの

そんな考えばかりだ

褒められたいただそれだけ

頑張ったねって言われてみたかったよ

周りと比べられて蔑まれて

僕は何がしたいんだろう

ただ認めて欲しいだけで頑張っているのに

それすらも否定されてしまったら

意 味 な い じ ゃ な い か