ガチャ

怖い

の文字が頭の中を埋め尽くす

ガチャ

息が整わない

わかってるけど頭は焦るばかり

この家には盗聴器があるので 外で話したいです。

それから数日

僕といふくんは毎日のようにバイトを 入れた

バイトの時間は辛いことを忘れられる時間になった

いふくんとの距離も縮まって仲良くなれたと思う

やっぱりまだ男の人は怖いけどいふくんと店長さんが気を使ってくれてバイト先で男の人と関わることはない

1人近づいてきて僕がパニックになっちゃった時はいふくんと店長さんに扱かれて辞めてしまった

そんな幸せな日々が続きいふくんが本格的に受験に向き合い始めた頃

ぱったり両親が帰ってこなくなった

いふくんは無事第1志望の国公立大学に 合格

そしてすぐ引越しをした

家は売った

家具も全部捨てた

未練なんてない

正直母親の顔も覚えてない

だから心残りなんてない

僕はこれからいふくんと｢普通｣になるんだ

ピロン

なんでこいつがこんな思いしなきゃいけないんだって何回も思った

通信制の高校に行ってからもやっぱり男の人が怖くて休むこともあった

体調を崩すこともたくさんあった

なんでこいつなんだ

俺でよかったのに

母親が俺に興味なかったように俺は人に興味がなかった

俺がほとけと同じ立場になっても俺はきっとそんなに心は傷つかなかったと思う

ほとけは昔のことが夢に出てきて夜寝れないことも多々ある

そうなったらご飯もしばらく 食べられないし

俺が声をかけないと動かない

手をかさないと1人で何かをすることが出来ない

あいつらから離れてもほとけの精神状態が良くなることはなかった

ずっとずっと抱えて

自傷行為に走ったこともあった

めっちゃ怒ったけどな

ピロン

こいつがメンバーの半分を○○ちゃんと呼ぶのはきっとまだ男の人への恐怖心があるからだろう

グループを組んでからもほとけは何度も男性恐怖症に、過去に悩まされた

俺1人がずっと支えるのは正直俺の体力的にも精神的にもきっとキツかったと思う

それでも今があるのは

メンバーがみんな俺らの過去を知り支えてくれたからだと思う

感謝してしきれない

心の底から感謝を伝えたい

でも、やっぱり恥ずかしいから俺は歌で、声で、活動に対する姿勢で返していく

だから今日も俺は、ほとけは歌を歌う