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義兄さんが死んだ。 葬儀は近親者のみで執り行われる―― はずだった。
僕と似た背格好の男が近づいてくる。 見たこともない、知らない、端正な顔立ちだ。
男が僕の目の前でスッと静かに立ち止まった。
???
目の前の男が、何を言っているのかひとつも理解できない。 性処理用アンドロイド?
だって義兄さんには……、姉さんがいたじゃないか。
しかも、この性処理用アンドロイドはどう見ても男型だ。
混乱する頭で、僕は何とか言葉を絞り出した。
萩野悠一
アンドロイド
アンドロイド
遺言は義兄さんの録音された声だった。
だが、喋っているのは性処理用のアンドロイドで 僕の脳はますます混乱してゆく。
『お前の気持ちには気づいていた』
義兄さんの言葉が脳内をぐるぐると回り出す。 もしかして――
萩野悠一
アンドロイド
萩野悠一
性処理用アンドロイドの顔にホログラムの顔がブウンと浮かび上がる。
それは、紛れもなく僕の顔だった。
萩野悠一
アンドロイド
アンドロイドの顔に義兄さんの顔が上書きされてゆく。
死んでも尚、義兄さんは僕を苦しめたいらしい。
全く酷い人だ。